第八話: ワーカー達から村祭りに招待される 後編
前回はワーカーの家を訪問してラオスの家庭のおもてなしを紹介したのですが、それもひと段落して、お寺でやっているイベントを見に行こうかと。
お寺の周りは出店が出ていて、食べ物の屋台からゲームまで色々。
木枠に風船が設置してあって、それをダーツで射抜く。1回3投で2,000キープ程。これがまた射抜くだけなら簡単なんじゃ無いか?と思うじゃないですか。
まずダーツ自体が
安くて古いプラスチックの物なので軽くて力が入らない
そして、何度も使い回しされているからダーツの矢の先端が丸くなってて、
全く刺さりそうにない
そんなダーツの中から少しでもマトモそうな、先端が尖ってそうなのを探して投げるんだけど、これがまたどうしても3投連続で風船が割れることが無い。
それでも当てた数が何回かまとまると、それに合わせた大きさのぬいぐるみを貰える。
昔ちょっとダーツにハマってマイダーツも買った事もあるのですが、それとコレは別で、真っ直ぐ射抜いたと思っても、風船の丸みに沿ってダーツが流れて上手く割れてくれなかったり。
あとはサイコロ賭博。
これは小さな子が胴元をやっているサイコロ1個でやる賭場もあれば、サイコロ3個で手広くやっている賭場もある。
ルールはルーレットと同じで数字単体に賭けるのと、数字跨ぎだったり、上下なんかで倍率が違っててひと通り子が張ったら親が籠を被せたサイコロを降って出た目で勝負する。
子供の胴元でも時々オジサンが参加していたりするし、そこそこのお金は動く。
私も最初はルールを知るのに子供が胴元の賭場で10,000キープ(110円位)を両替して1,000キープで何度か張ってみてルールを学ぶ。
単純なゲームだけど、そこはやはり博打なので、そこそこ楽しめる。
ルールを覚えてから今度は大箱でやってる賭場へ。
ココはサイコロ3つ。サイコロが大きな滑り台みたいになっている場所の上に引っ掛けてあって、お客さんの代表がその引っ掛けてある棒を紐で引っ張るとサイコロが落ちてくると言う仕組み。
大きな賭場になると、胴元側の煽りが凄くて、聞いていて面白い。ラオス語だから全く分からないはずなのに、何となくどうやって煽っているのかが分かるくらいに聞いてて面白い。
ワーカー達と別れて、自宅に戻ったら住んでる家のお隣さんは家の前にテーブル出して、屋台で買ってきた食べ物を広げて、ビール飲んでた。
私が住んでる家の隣は同じ経済特区内にある会社の社員寮で、私の家と同じ間取りの中で5人が共同生活していた。
その飲み会にも参加していたら、アパートのオーナーが顔は真っ赤になる位ベロベロに酔っ払った状態で乱入してきて、アタシを引っ張ってまたお祭り会場へ。
祭り会場のお寺に作られたステージでは歌謡ショーみたいなのがやっていて、そのショーを観ながらビールや食べ物を食べたり、前の方では踊っている人も。遠巻きに見ていた筈なのに、途中からお前もこっちに来いと引き摺り込まれて踊りに参加する。
普通こんなローカルのお祭りで、家に招待されて一緒に飲む位はやっているとは思うけれども、祭りのメインステージの前に出ていって知らない人達と踊った日本人は私位なんじゃないだろうか。
踊り疲れてステージから逃げて、またビールを飲みながらのんびりして、お隣さん達と別れてから、もう一度サイコロ賭博へ。
最終的に100,000キープ(1,100円)負ける。
さて、そんな訳で楽しい村祭り、ブンバーンでした・・・と、本当ならば終わるんでしょうけど。
前編でも書いたのですが、このお祭り・・・
日を変えてそれぞれの地域にあるお寺がこの時期にほぼ毎週、何処かでお祭りをする訳です。
そして、その地域に住んでる子が
「明日は私の地域がブンバーンだから、オノさん招待します」
と、やってくる。
その年のブンバーン、私は近郊に住んでいたワーカーのブンバーンには全て招待されて、ほぼ全員のワーカーの家族に会って、ビールとカオプンをご馳走になった。
カオプン美味しいから良いとは言え、ほぼ連日カオプン責めされたのは流石にしんどかった。
しかしそうやって、それぞれのワーカーが住んでいる家を見ると、家も全て木造の家から、前編のオイちゃん宅みたいに一階部分はコンクリートの家、コンクリ造で高い吹き抜けになっているけど、屋根は波型トタンを貼ってあるだけだったり、その家庭によって、色んな家があるのを見た。
でも、そんなそれぞれの家で明るく楽しく生きている人達が居て、彼等は彼等の幸せの基準の中で祭り事を楽しんでる。
それほど幸せな事が他にあるのだろうか。
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