夏のお約束 小学生の頃のわたしには、楽しみな夏のお約束があった。 毎年夏には、母にワンピースを1枚買ってもらうというものだ。 その夏の1枚は、漏れなくわたしのお気に入りとなっていた。 ただ、あんなにお気に入りだったワンピースも、柄を思い出せるのはたったの1枚のみであり、自分の記憶力を疑ってしまう。 その1枚は、今でもふとした時に思い出すほど、特別なワンピースだ。 とっておき 輝かしいそのとっておきの1枚は、一面にひまわりが散りばめられているとても夏らしいワンピースだった
ドロップアウト 結婚・出産を経て、2人目の子供の幼稚園入園を機にパートを始めた。 1年以上かけて、家庭の状況に理解ある会社を探し、専門外であった資格も勉強してやっとの思いで入社。 約6年ぶりの社会復帰。ここで正社員になり65歳まで働くぞー!と鼻息荒く意気込んで入社したはずが、数ヶ月経った頃、毎日出社することが苦痛へと変わっていた。 理由は様々。社会人としての勘を取り戻すのに時間がかかってしまったこと。仕事覚えの悪さに自分自身失望してしまったこと。苦手意識のあった分野の仕事で
悩む 悩む 悩む 人は常に悩む。小さなことから大きなことまで、悩む、悩む、悩む。 小さな時から大きくなっても、種類が変わるだけで、悩む、悩む、悩む。 特に、誰もが一度は悩むだろうと思っているのが、「人間」についてだ。 自分とは何か、自分が抱くコンプレックス、そして人間関係もそう。 わたしも人並みに悩んだ。 人間関係もだし、自分の立ち位置、自分がどうその相手に対して振る舞うか、自分はどういうキャラクターとして見られるのか、そして見られたいのか。 個人差があるかもしれないが、思
古びたパジャマ わたしには、THEパジャマ的なパジャマがタンスに数枚ある。 しかも、もう20年くらい前のもの。 雪の結晶が全身にちりばめられたもの、赤いチェックのもの、キャラクターのもの。 もちろん、今も着ているのだが、これらが捨てられない理由は何だろう? 着心地?くたびれ感?愛着? どれも正解かなぁ。 全ては20年前のある時期に買ってもらったもの。 その時期の体験は、わたし自身にとって大きく、人生の中でも必要な小休止だったと思う。 謎の高熱 高校を卒業したわたしは、田
つまらない時間 「眼(まなこ)を開け!!!」 なぜこの言葉を思い出したかはわからない。 今朝、遅めの洗濯物を干していた時に思い出した言葉。 高校に入学し、学校内を先生が案内してくれるオリエンテーションの日があった。 朝からずっとオリエンテーションで、学校内を移動しては話を聞く。 その繰り返しだった。 まだ着こなせていない非常にダサい制服と、白色ベースだけどなんとかお気に入りを選んだスニーカー、これから始まる自由で刺激的な女子高生の恋へのワクワク。 窮屈になるほどの色々な感情
好きじゃなかった自分の名前 わたしの名前は、よくある普通の名前です。 正直そんなに好きでもなかった。 名前の由来も、画数重視で選ばれたもので、特に意味があるわけでもない。 嫌いでもなければ、特に気に入っているわけでもなかった。 名物先生におったまげる 普通の名前のわたしは、晴れて普通の女子高生になりました。 ある時期、担当の数学の先生が休職に入った為、代役として、講師のおじいちゃん先生がやって来ました。 初めての授業の日、教室に入って来たおじいちゃん先生は、開口一番、
これぞ噂の・・・ 「小学生の冬」 というワードを耳にして、あなたは何を連想しましたか? わたしは、「小学生の冬=縄跳び」が一番に頭に浮かびます。 そう、これぞ噂の縄中毒です。 当時小学六年生だったわたしは、見事に縄中毒者でした。 冬になると、体育の授業で縄跳びが始まります。 それと同時に、わたしは狂ったように縄跳びをします。 休み時間、放課後、帰宅後自宅の前で。 クラスの男子と、縄跳びの技や回数を競い合う為、自主練習が欠かせなかったんですね。 他人との勝負ということもありま
LINEスタンプをほぼ使わないわたしが、なぜ!? ヨガインストラクターをしている高校の同級生(Marikoちゃん)から、画家として踏み出したわたしに一通のLINEが。 「コラボして一緒にヨガのスタンプを作らない?」 楽しそう!うまく描けるかわからないけど、とにかく楽しそう! 楽しそう!というだけで話は進み、よくよく話を詰めていくと、ヨガの生徒さんへの公式LINEで使用できる、敬語のかわいいスタンプを長年探していたとのこと。 ないならば作ってしまえ!ということで、イラスト担当
初めまして。 この度「画家、はじめました」on.myco.lor(オンマイカラー)のmyco(マイコ)です。 両手を使って、水彩絵具とペンで感じたまま、抽象画を描きあげます。 https://www.instagram.com/on.myco.lor/ 「画家、はじめました」と言ってはみたものの、筆を持ち始めたのは約一年前。 三十代後半。二児の母。パートタイマー。 これまでの人生で特にアートに触れてきたわけでもない。 そんな平凡なわたしに二年前に訪れたショッキングな出