建築ビジュアルCG AI活用法④ AIレタッチ ~季節を変える~
こんにちは。STUDIO55技術統括の入江です。
今回は、建築ビジュアルCG制作におけるAI活用法として、『季節を変える』 AIレタッチを紹介します。
雪のシーンをCG制作する場合、(使用するDCCにもよりますが) 例えば3dsMaxでは、パーティクルで雪降らし。tyFlowやその他のプラグインを使って積雪表現を行うなどがあります。
最近では、ゲームエンジン系のインタラクティブソフトで季節替えの機能まで付いていることが当たり前になってきたところもあります。
状況によってワークフローが選択できるようになってきましたが、更にジェネレーティブAIを活用することで、このような作業は大幅に効率化される可能性があります。
3Dモデルそのものを扱う手間が省ければ、全体的な効率化が期待できます。
ちなみに、Adobe Photoshopのニューラルフィルターに 「風景ミキサー(ベータ)」がありますが、まだ使い勝手が微妙なため、今回の季節替えはStable Diffusion WebUI AUTOMATIC1111で試しています。
SD-A1111で季節を変える
この画は、以前に私がサンプルとして作成したCG画像です。
ビジュアル制作の仕事の息抜きに、こんな感じの家でくつろぎたいなぁ~と、練習がてらに作ったものです。息抜きで制作をすると、周りからは変わり者扱いされています(笑)。
この画を雪景色に変えてみたいと思います。
SD-A1111の、imag2imag と ControlNetを使います。
調整作業はプロンプトだけでは難しいため、Loopbackでアレンジパターンを出していきます。パターンを強調することで、中には川に降りる階段などもアレンジされることがあります。
最終画像がこちら。
絵画的な雰囲気はそのままに、良い感じに “冬” にしてくれました。
では更に、PhotoshopのGenerative Fillでアウトペインティングします。
雪景色の中にポツンとある石作りの家として、より印象的になりました。
自分で作っていない(!?) のに、存在しなかった景色が生成できるなんて、どこか得した気分です。作った本人が感動します。(笑)
また、“絵画的な雰囲気” ではなく、絵画そのものに “油絵調” にアレンジしてみたのがこちら。
額にも入れておきます。
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続いて、こちらの画像も雪景色にしてみます。
この画像は、以前に車のカタログ用サンプルとして作成したイメージカットです。※以前に某自動車メーカーのカタログ用の背景イメージデザインをCG制作していたことがあります。
背景の雪山や野生のトナカイ、雪だるまなども生成してみました。
雪山が、なかなか良い感じです。
Seedキープで下の画像で着地しました。
北欧ウィンターな感じで、ナイステイストです。
その他の季節替えテスト画像
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このように、生成AIを活用することで、モデル制作にかかる手間を大幅に削減できることが確認できました。
新たなデザインの可能性を広げる一助となるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください!