誰でもなり得るうつ病の催眠術
不真面目ではないのでうつ病に無縁とまではいかないが、
わたしはそこまでなりやすい体質ではなかった。
学部生や修士の時、
数十と実施した心理検査でも
一度もうつ病に親和性がある結果は見られなかった。
今思えばこれは怖いことだ。
誰でもなる可能性がある、
そういうことだと身をもって実感することになった。
きっかけは職場でのハラスメント
繰り返し浴びせられるわたしへの否定の言動は
まさに催眠術だった。
最初は「わたしは悪くない」とわかっていたものが、
気づけば「わたしがおかしい?」になって、
「わたしが悪い」になるのだ。
しかしここでわたしがこの催眠状態から脱したのは
自らが受けていたカウンセリングによるものだった。
これまで起きた事実をふたりで冷静に検討し、
ひとつひとつないがしろにしてしまった自分の自信をひろいあげ、
「わたしが悪くない」と本来思えるものを、
ちゃんと「わたしが悪くない」と思えるようになっていたのだ。