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小学生でも分かるビジネス書要約〜THE MODEL編〜

こんにちは。おなつです。

最近CSからWebディレクターにジョブチェンジをしたこともあり、以前にも増して事業やプロダクトについての向き合い方を勉強をしている最中です。

そして今回はこちらの本を読んでみました。
THE MODEL(著:福田 康隆)

セールスフォース出身の筆者が、The Model という営業プロセスの紹介を中心にカスタマーサクセスをいかにして果たすかを解説しています。後半には組織論やマネジメント論にも言及し、中々肉厚な一冊です。

せっかく読んだので要約でも作ってみようかなと思ったものの、ネットを調べるとすでに多くの方が分かりやすく要約をしてくれています。そこで自分なりのまとめ方がないか、改めて読み返していましたが…

やっぱり、横文字多いっすね。

この外資系イズムに慣れない人にとっては、本書を理解するハードルは高いのではないでしょうか。「アウトバウンドのインサイドセールス」とかいう、アウトだかインだか分からない言葉も出てきます。

ということで今回は、小学生でも分かるような、ビジネス横文字を一切排した図をおこしながら本書を要約してみたいと思います。

ぜひお子様への紹介にもご利用ください。

はじめに

著者について

福田 康隆 氏。
日本オラクルに入社後、米オラクルへの出向を経て、2004年米セールスフォース・ドットコムに転職。2014年、マルケト入社と同時に代表取締役社長に就任。現在はジャパン・クラウドのパートナーおよびジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社の代表取締役社長。

セールスフォースとAdobe製品には私もお世話になりました。

THE MODELとは

本書のタイトルであるThe modelとは、「顧客の獲得やサポートといった営業活動の一連の流れを細分化し、ビジネスにおいてより高い成果を生み出すための営業プロセス」です。

本書は第1部〜第5部、15章から構成されています。
それでは各部ごとに要約していきましょう。


要約

第1部:米国式の分業型営業プロセス

著者がいたアメリカと当時の日本では営業の方法に大きく違いがありました。日本では顧客のもとへ足を運ぶ対面営業が当たり前の時代です。

日本は営業1人に対して1社の全てを対応していた

対してアメリカでは営業から商談、契約までが電話で完結していました。これは地理学上アメリカでは移動距離が長く、日数も往復運賃も多くのコストがかかるという背景があったためです。

著者はアメリカでマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの「分業体制」による営業を学びます。これは従来営業がカバーしていたプロセスを分業したものです。

新旧の営業プロセス

これを福田氏は日本市場へ持ち込みます。
第1部をまとめるとこうなります。

第1部まとめ

第2部:日本への米国営業プロセスの導入とMAについて

著者は日本に帰国し、分業型の営業プロセスを実践することになりました。
当時の日本でも、以下の理由により足で稼ぐ営業スタイルに限界が訪れていたため、これは無事に受け入れられました。

  • インターネットの普及により顧客の購買検討プロセスが複雑化しており、1人の営業担当者では対応しきれなくなった

  • 情報収集から競合との比較検討までを顧客が独自にできるようになった

  • 企業の決済プロセスがインターネット上で完結するようになった

そのため、データを元に顧客の行動を理解する必要が出てきました。
オフラインの確認(商談/訪問履歴・契約内容)だけでなく、オンライン上(Web・メール・モバイル)での可視化も求められてきます。

デジタル上で可視化される情報

これらのデータ収集と処理をおこなうのがマーケティングオートメーション(MA)であり、MAの活用により以下が実現可能になりました。

・顧客情報の収集・蓄積
・見込み顧客の育成
・マーケティング施策の分析

また、分業プロセスは専門性の強化や課題の可視化が期待できる反面、サイロ化(業務部門同士の連携が取れてない状況)が起こりえます。
売上や商談数が下がった際に、商談数を増やそうと見込みの薄い顧客の対応をしたり、本来集中すべき顧客への対応が疎かになったりすることで、全体的な生産性が下がることがあります。

著者は「人間はグループ分けすると敵対する」という心理をもとに「各部門が協力せざるを得ない状況」を与えることが必要と説いています。
それは一方向に流れていく自分たちの仕事の範疇だけでなく、「逆の流れ」を作ることで共業を実現するというものでした。

各部門が協力せざるを得ない状況

第2部をまとめるとこうなります。

第2部まとめ

第3部:The modelの仕組み

The modelでは、営業のプロセスに必要な組織を以下の4部門に分けます
1.マーケティング
2.インサイドセールス
3.フィールドセールス(外勤営業)
4.カスタマーサクセス

第3部では各部門の説明となります。

4つの営業プロセス(salesforceのサイトより)

1.マーケティング
The Modelの方向性を決める重要な部門です。顧客の集客や獲得をおこないます。オフラインのセミナーをはじめ、Web広告の出稿やウェブサイトからの問い合わせなど様々な方法があります。
情報を獲得できた見込み客数、見込み客数のうちの獲得率を数値化します。
どれだけ多くの見込み客を確保できるかで、営業成績が決まります。

2.インサイドセールス
マーケティングが見つけ出した潜在顧客へ定期的なアプローチ・商談を進める部門です。対面せず主に電話・メール・DMなどでアポイントを取ります。
顧客と継続的なコミュニケーションをとることが必要です。

3.フィールドセールス(外勤営業)
インサイドセールスで案件化できた顧客に対し、具体的な提案をおこなう部門です。フィールドセールスは対面をメインとしており、企業への改善提案やクロージングもおこないます。
比較的受注に繋げやすいですが、適切な提案や見積りを行い、顧客の意思決定を促すなど質の高い商談をおこなうことが求められます。

4.カスタマーサクセス
その名の通り「顧客の成功」。受注した顧客に対し、購入後のフォローをおこないます。
顧客の離脱を未然に防いだり、クロスセル(別の商品の提案・購入)・アップセル(購入した商品と同種で「より上位のもの」を提案・購入)の機会が増えるため、売上拡大につながります。

そして、顧客のステージごとに担当が変わるため、どの部門が確認しても分かるように記録を残し、数値化できるものは数値で可視化することが重要です。担当する部門間が連携することで、顧客満足の向上を図れたり、人の入れ替わりが起きても対応しやすくなります。

また、購入に至らなかった顧客をそのまま手放すことなく可視化し、長期的なフォローを可能にし、再アプローチをかけることができます。

第3部をまとめるとこうなります。

第3部まとめ

第4部:3つの戦略

ビジネスを成長させるために必要な3つの戦略を、著者がマルケト日本法人を立ち上げた際の例を元に説明しています。

1.市場戦略
会社の規模やステージを踏まえて、どの市場で戦うか選ぶ必要があります。
ここでは「孫子の兵法」やオセロの必勝法である「天王山を獲る」の例を出しています。

※孫子の兵法とは
中国の古典『孫子』に書かれた戦術の方法。
戦で弱者の立場から生き延びる方法を説いている。
現在ではビジネスを始め、あらゆる勝負事に活用できる本である。

※天王山を獲るとは
オセロではお互いにとって好手となるマスのことで、基本先に取ってしまった方が有利になる手のこと。取るか取られるかで戦況が大きく変わる。
天王山とは「勝負や運命の分かれ目」のこと。

2.リソースマネジメント
確保した人員の教育期間(ランプタイム)・異動・退職などを踏まえた目標設定と報酬設計をおこなう必要があります。
目標は組織全体の達成率が平均80%くらいが理想です。無謀な数字でなく、かつ達成をチャレンジしようと意欲を持てる数字です。

また、生産性を最大化するレバーを探す必要があるとしています。セールスのキャパシティは営業人数だけで計ることはできません。

生産性は以下の式で表すことができます。

分母:投入するリソースとして営業人数×商談期間
分子:見込客数×受注率×案件単価

生産性の図式

3.パフォーマンスマネジメント
マネージャーがデータを重要視するとともに、数字の裏で何が起きているか、判断指標を一つに絞らずに複数の指標を組み合わせることで想像力を働かせることが必要です。

そして数字には「主観が入り得ない数字」と「主観が入る数字」の2種類が存在します。

主観が入り得ない数字:サイト訪問数、広告費、営業人数、受注件数、売上
主観が入る数字:営業にパスされたアポイント数、商談件数、パイプライン

主観が入るからこそ、数字から「現場で何が起きているか」を想像する力が求められます。

また、売上を上げるプロセスがループ状に全てつながっているとすれば、ボトルネックの場所は常に変動したとしても一つしか存在しません。
そのため、「部門間で問題を解決する」ことは必要ありません。

ボトルネックを見つけ出すためにパフォーマンス指標を管理しましょう。
第4部をまとめるとこうなります。

第4部まとめ

第5部:人材・組織・リーダーシップ

メンバーが増えてくると起こる価値観・考え方の多様化に対して、人材・組織を以下のように構えておく必要があります。
・ミッション・ビジョン・バリューの設定と、MVVと企業の振る舞いに一貫性があること
・組織づくりの最善の方法10選に則ること
 ・社員が大事に思っていることを知る
 ・組織の多様性を理解する
 ・良いプレイヤーを集める(いい人がいい人を呼ぶ)
 ・自分でやった方が早いと思う人を採用しない
 ・数年後の組織を想像しながらチームを作る
 ・社員同士の結節点としてのマネジメント
 ・組織の上位にマイナス因子を持ち込まない
 ・ベテランと若手を組み合わせる
 ・仕事のリズムを作る
 ・マネージャーになる資質(成績の良さだけではなく、チームのメンバーを成長させる力があるか)

また、リーダーの資質を持つものは以下を大切にする必要があります。
・増幅型(メンバーの能力を最大限引き出す)
・現場で起きてることに常に好奇心を持つ
・メンバーが向上心を持てるようなストレッチ目標を設定する
・ちょっとピリッとさせる(利益と尊敬と、少しの恐怖)

第5部をまとめるとこうなります。

第5部まとめ

本書を読み終えて

本書は特に営業を主軸として書かれた内容ですが、この「The Model」 は全ての部門・ポジションの人に共通するものに感じました。

たとえば分業プロセスについて「逆の流れ」を作る必要があるということ。これは実際の自分の業務にも当てはまります。ただ施策を考えて数字を追うだけでなく。関わる部門に施策の内容・結果を共有したり、施策の影響範囲に対して共通の認識を持つことが重要です。

各ポジションで共通認識を持つことが齟齬の無い円滑なコミュニケーションを生み、結果として顧客の満足度向上へとつながります。

また、ビジネス横文字をできるだけ排除したまとめの図はいかがだったでしょうか。ちょっとした好奇心ではじめてみた試みですが、意外と言語化力が試されて良いアウトプットになったと思います笑

最後に

さて、ペパボでは現在採用強化中です!
一緒にプロダクトやビジネスについて語り合える仲間を募集しています。
東京・福岡でなくてもリモートワークのため、全国採用です。
(ちなみに、ホスティングのパートナーは私を含めた3名以外全員が九州在住!ちょっとさみしい;ω;)

キャリア採用は以下よりご覧ください。

採用やペパボのことで相談などあればTwitterにてご連絡お待ちしています!

以上ホスのおなつでした。


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