学術担当の乳酸菌のひみつコーナー 第三回:乳酸菌が脂肪に働く理由
こんにちは、おなかラクト学術担当です!
学術担当のコーナーでは「乳酸菌って体にいいって聞くけど、なににいいの?どんな種類があるの?」
そんな疑問に、乳酸菌の研究者でもあり、乳酸菌に向き合ってきたおなかラクトの学術担当が持てる知識を総動員してお答えできる情報を発信していきたいと思います。
この情報発信が皆様の健康や美容のために少しでもお役立ちできれば幸いです。
乳酸菌の働き方の解説
第一回では乳酸菌が多彩な機能を持つこと、第二回では、そんな乳酸菌を選ぶコツをご紹介しました。
多彩な機能をぜひ皆様の生活に取り入れていただきたいと願っています。
そこで、第三回以降はもっと興味を持っていただくために、気になるあの機能と乳酸菌がなぜ繋がるの?という疑問に答えるため、「乳酸菌が持つ機能の理由」について解説していきたいと思います。
乳酸菌が内蔵脂肪を減らす?どうしてでしょう?
乳酸菌の中でも、ガセリ菌SP 株(Lactobacillus gasseriSBT2055)は「内臓脂肪を減らす機能」があることが報告されています。
でも、よく考えるとなぜ乳酸菌を食べると内臓脂肪が減るのか不思議ですよね。
今日はそんな疑問に対する答えを解説してみたいと思います。
実は乳酸菌が脂肪の吸収を抑制するからと考えられています。
2009年にHamadらが報告した論文(Br. J. Nutr., 101, 716-724, 2009.)によると、ガセリ菌SP株を食事と一緒に食べた実験動物では、ガセリ菌SP株を食べなかった実験動物と比べて、脂肪の吸収が抑制された(糞中の脂肪酸濃度が上昇した)と報告されています。
なぜこのような事が起こるのかも調べられていて、ガセリ菌SP株が脂質と一緒に摂取された場合、菌と一緒に脂質の粒が集まり大きくなる特徴が観察されています(掲載論文:Ogawa ら. Lipids in Health and Disease, 14:20, 2015.)。脂質の粒が大きくなることで消化酵素との反応が少なくなり、結果として吸収されずに便と一緒に流れてしまうということです。
乳酸菌の機能といっても、いろいろな働き方があるのですね。
内臓脂肪を減らす乳酸菌の食べ方とは?
第二回でも解説してきたように、乳酸菌は株名までしっかり見て選ぶことが大切です。
また、ガセリ菌SP株が内蔵脂肪を減らす働きは、食事の脂肪を吸収されづらくすることによって機能していると考えられています。
そのため、食事の前後又は食事と一緒にとっていただくことが効果的かもしれません。
今後も乳酸菌を皆様の健康や美容に役立てていただけるよう、「腸活」「菌活」の観点から情報発信をしていきたいと思っています。
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