ガツガツじゃなくて、ただ自分に素直になってみたい人のためのワーク
誰かを否定するわけでなく、誰かに合わせているわけでもない。
ただ自分のしたいことに素直で、穏やか。
理解されようという感じもない。
誰かを僻んだり、妬んだり、羨んだりしない。
自分を見せびらかさないし、あえて隠しもしない。
すごい人かはわからないけど、
あんなふうに生きられたらきっと幸せなんだろうな。
そんなタイプの主人公が最近流行っているんだそうです。フリーレンとか、『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬あかりとか。
もし、そんな主人公に惹かれるなら、ちょっとずつ自分の心に従ってみようかなと思えているサインかもしれません。
今日は、そんな気持ちが芽生えている方に"ただ心がそうしたがっているからする行動”を取り戻すワークをお伝えします。
<画用紙からはみ出す絵を描いてみる>
子どもたちに「自由に絵を描いて」と伝えても、画用紙の中央に小さく、お手本をチラチラ見て参考にした絵を描くばかり。
「こんな感じで困っているんです」という小学校の先生の人生相談に漫画家の方が答える話がありました。
その方の回答が「まずは先生が下手くそな絵を描け」。
先生がまずはみ出したり、下手くそな絵を描いて、「最高でしょ!」って言う環境を作ることが絶対。
「こうしなきゃいけない」って生徒に思わせたら教育の失敗で、徹頭徹尾「絵を描くってめちゃめちゃ楽しいじゃん!」と思えるようにすることが絵画教育だよ、とのことでした。
これは子どもに限らず、むしろ大人にこそ伝えたいことです。
いきなり仕事や家族の中でやりたいようにやることは難しいと思うので、1人で、誰にも見られないところで思い切り絵を描いてみてください。
どんな描き方でも、何を画材としても、何かよくわからない絵でもよくて、ただ手が動くのに任せる、で大丈夫です。
そんな時間を週に1回15分でいいので、作るようにしてみると、自分の心が求めるものがわかってくると思います。
<目的地なく、ひとり散歩>
これも感覚的には同じです。
大人になるにつれ、誰かの評価に関係のあることばかりやるようになりますよね。
そうすると、やりたいからやっているのか、やるしかないorやった方がいいからやっているのか、よくわからなくなっているかもしれません。
そこで、ひとりで目的地を決めない散歩です。
五感が受け取っている感覚に気づいて、なんとなく進みたい方に進む。これだけです。
重症気味の方だと、1回やってみたけど何も効果がなかったと言ってやめたくなるかもしれません。
ですが、そもそもそういう行動の取り方が過剰になっているのをおさえるのが目的です。
落ち着いて、散歩をやめたくなる自分の中に湧いている感情や思考に耳を傾けてみてください。
おそらく「何か価値を生み出していないとダメだ」という焦り、「私には上手くできない。私は変われない」という悲しみなどあると思います。
それを自分の大事な人が言っている時のように優しく受け止めて、少し落ち着いたら、もう一回五感に意識を戻してみてください。
・何種類の音が聞こえる?
・何色見える?
・手、腕、首、顔、空気を吸った鼻、それぞれどんな感じ?
・その中でどれになんとなく近づいてみたい?
<好き勝手なつぶやきを丸めて捨てる>
最後に、とにかく頭の中の言葉を全部書き出してみるワークです。
紙とペンを用意して、頭の中に次々浮かぶ言葉を全部書いてください。
読めない字でも、大きさが不揃いでも、文法がぐちゃぐちゃでも大丈夫です。誰にも見せませんし、書き終わったら見返さずにくしゃくしゃに丸めて捨てます。
「何も思いつかない」と思ったらそう書いてください。愚痴でもいいし、泣き言でもいい。いやらしいことでもいい。
とにかく、頭で考えて手を止めずに、手に書かせるくらいのイメージです。
紙が埋まるまでやってみてください。
僕(クダカ)は、これをほぼ毎日していて、おかげでだいぶ自由に考えられるようになったし、気持ちにも素直になれたと思います。
<自分を取り戻したら何がいいの?>
今日紹介したワークは、1回でどうこうなるものでもないので、試しに1~3ヶ月くらいかけて10回ほどやってみてください。
ワークの目的は、第1にはデトックスです。
おさえていた自分を出すことで、癒されます。
そして、プラスアルファの目的が、誰かのためでなく、何か結果を得るためでもない、ただただやりたいことに気づけるようになることです。
今回紹介したワークを繰り返すと、だんだん自分の内側から「これがやってみたい」「あそこに行ってみたい」という気持ちが湧いてきます。
そうなったら、その気持ちに従ってみる時間をちょっとずつでもしっかり取る。そしたら、気づくだけでなく育んでいくことができるはずです。
でも、それの何がいいのか?
他者や未来にふりまわされず、自分を確実に満たしてくれる行動がわかるようになります。
それはつまり、誰かの評価やこれから出る結果が自分の楽しみや幸せを奪うことができなくなるということです。
決して、1人だけ浮いて、孤独になるってことではありません。
この状態こそ、冒頭に紹介したフリーレンや成瀬あかりのような境地と言えると思います。