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コミュ障コンサルのコミュ力に頼らないマネジメント術
1.コミュ力がないとマネジメントって無理なんですか?
部下や後輩を持つ立場の方で以下のような経験を持つ方はいないだろうか?
「部下に依頼した仕事の内容が正しく伝わっておらず、締め切り直前で共有されて徹夜で修正することになった」
「自分でやった方が早いし確実と考え、多くの仕事を自分で抱え込んでしまう」
実際にアンケート(*1)を見ると、上司の約8割が多少なりとも部下に不満を抱いているという。
その内容を見てみると、
・積極性に関する不満(やる気がない、言われたことしか出来ない、等)
・業務遂行に直接関わるコミュニケーションに関する不満(指示を上手く汲み取れない、信頼して仕事を任せられない、等)
といった内容が目立つ。
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(*1:「部下とのコミュニケーションに関する調査の結果」株式会社アシロ、2024年6月6日実施)
このような悩みがある場合、みなさんならどのように対処するだろうか?
同アンケートで「部下への不満がある」とした人に対し、「不満がある場合、どう対応するか?」と尋ねた結果、多くの人が「話す機会をもうける」「やんわりと指摘する」といったような対象の部下とのコミュニケーションにより解決しようとしている様子が伺える。
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実際に、巷のマネジメント本を覗いてみても、人間的魅力溢れるカリスマビジネスパーソンによる「部下とのコミュニケーションの量・質を上げ、信頼関係を築いた上で、厳しいことも含めてコミュニケーションをとっていく」みたいな論調のものを見る。
きっとそれも1つの正解なのだろうけど、特に人とのコミュニケーションがあまり得意ではないコミュ障気味の筆者のような人間にとっては、あまりに現実味のない、遠い世界の話のように思えてくる。
筆者のようなコミュ障が、マネジメント力をめきめきと向上させ、管理職としてのレベルを上げていくことは不可能なのだろうか?
2.コミュ力に頼らなくても思考力と仕組化でマネジメント力は上げられる(はず)
現在筆者は某コンサルティングファームでシニアマネジャーという職位についている。
シニアマネジャーの前にマネジャーという職位があって、ここからが管理職になる。
マネジャーに昇格してから1年くらいは、マネジメントに頭を悩ませる日々が続いた。
おそらく管理職なりたてあるあるだと思うが、1プレイヤーとして価値を出すのではなく、他のメンバーと連携して全体として価値を出さなければならず、その連携が上手く進まなかった。
そのような中、筆者はメンバーとしっかり向き合うといったコミュ力頼りの対応ではなく、自分の思考力をひたすら上げると共に、マネジメントの仕組み(型)を自分なりに作り磨くことに注力した。
なぜなら、自分の性格とコンサルという業界の特性を考慮した時に、メンバーひとりひとりとしっかり向き合うようなやり方はコスパがあまりにも良くないと考えたからだ。
まず、筆者は先述の通りコミュ障気味で人と向き合いコミュニケーションをとることがかなりのストレスとなる。
加えて、コンサルという特性上、1~3カ月ごとに一緒に働くチームメンバーが変わる。(筆者の場合、毎回初めまして、或いは1回しか仕事をしたことがない程度のメンバーとチームを組んでプロジェクトに望んでいる)
つまり、メンバーひとりひとりに時間をかけて向き合って信頼関係を築いたところで、次の案件ではそれはほとんど活かされないのである。
従い、メンバーひとりひとりと向き合うというよりは、どのようなチームメンバーでも成果を出せるようなマネジメントの仕組み作り、及び自身の思考力をひたすら上げることに励んだ。
結果として、マネジャー昇進から2年でシニアマネジャーに昇進することが出来たので、コミュ力に頼らずとも一定のレベルにマネジメント力を向上することは出来るはずだと信じている。
コンサル業界の方は勿論、その他の業界の方にとっても、コミュ力といったソフトなスキルに頼らないマネジメント術として参考になる部分があればと思い、以降自分なりに要点だと思うポイントを整理した。
※本稿でメインとして取り上げるのは、ミドルマネジメント(コンサル業界では主にプロジェクトマネジメントのレイヤー)である。経営レベルのトップマネジメントではない
3.コミュ力に頼らないマネジメントの4つの要点
プロジェクトマネジメントにおいて成果を上げるための主要ポイントは以下の4つに集約出来る。
(1) 論点/仮説設計図:プロジェクトの成功に向けた論点/仮説設計図の解像度を上げる
(2) 役割設計:メンバーの力量に合わせ業務範囲を定義する
(3) コミュニケーション設計:マネジャーとメンバーのコミュニケーションプランについても共通認識を持って進める
(4) 動機設定:1~2カ月単位で達成可能な目標設定をする
以降、それぞれについて具体的に概要とポイントを整理した。
(1) 論点/仮説設計図
メンバーにお願いした業務のアウトプットが、頑張ってくれているんだけれど、核心をついていない/なんか面白くないといったことを経験したことがある方がいるのではないだろうか。
筆者自身もマネジャーなりたての頃は、「あれ、なんか思ってたのと違う・・・」みたいなことをよく思った記憶がある。
ただし、これは部下の能力が足りないのではなく、マネジャーの描く論点/仮説設計図の解像度の低さこそが原因なのである。
以下の例を通じて、具体的に説明する。
【前提】
・クライアントが某食品企業への投資を検討しており、その投資先候補の今後の成長性を見極めたいと思っている
【×悪い例】
<依頼内容>
・某食品業界の成長性について分析した上で、投資候補先の更なる成長余地について検討してほしい
(論点分解や仮説が固まっておらず、ただまる投げしているだけ)
<メンバーのアウトプット>
・某食品業界の市場規模推移を整理したグラフが共有されるも、そこから言えそうなことは日本の人口動態に応じて漸減傾向になる見込みであるということだけで、その情報だけでは投資候補先の成長戦略まで思考が伸びない
・主要プレイヤーの特徴やシェア推移が整理された表が共有されるも、過去のブランド力の積み上げによりプレイヤーはほぼ固定化しており、大きなシェア変動は起こりにくい業界であることが示唆されるも、その情報だけでは投資候補先の成長戦略まで思考が伸びない
【〇良い例】
<依頼内容>
・某食品市場の成長性や投資候補先の成長余地について、以下のような仮説の検証をお願いしたい
~初期仮説~
・量ベースの某食品市場は日本の人口動態に応じて漸減傾向になる上、近年の物価高騰もマイナス影響になる可能性があるので、基本的に全体の市場成長は見込めない厳しい状況
→想定ワーク:某食品市場規模の実績・予測を出来れば量・価格の両観点からデータを揃え、増減要因を考察
・一方で、物価高騰の影響からより安価なプライベートブランド品の需要が高まっているため、仮に成長戦略を捻りだすとするならばプライベートブランド市場が候補となるだろう
→想定ワーク:セグメント別の市場規模のデータを揃え、その増減要因を考察し、特に市場成長やニーズの変化があるセグメントがあればピックアップ(プライベートブランド or ナショナルブランドの軸で分かれているデータがあればベスト)
・プライベートブランド市場で大きなシェアを占めるのは大手小売チェーンとなるが、専門性不足のため彼らは企画製造機能をパートナーに委託するケースが多い
→想定ワーク:プライベートブランド市場でのプレイヤーシェアを確認
→想定ワーク:主要プレイヤーのプライベートブランド商品の企画製造体制を確認
・投資候補先企業は、プライベートブランド市場での実績は多くはないけれど、ナショナルブランド領域における安全安心かつ安定的な製造実績は盤石であり、企画力が強化出来れば高成長なプライベートブランド市場でのシェア拡大余地がありうる可能性
→想定ワーク:某食品業界のプライベートブランド品の企画製造に対して、ブランドオーナーが企画製造パートナーに求める要件(どのような場合は内製するのかも含む)を確認。その上で投資候補先の現在のケイパビリティの有用性も検討
・例えば、某食品領域の中でも製品種Xに関しては、プライベートブランド化のニーズが見込める上、まだ投資候補先と同程度の製造力を持つプレイヤーは国内にほとんど存在しない。この領域で企画力に実績のあるA社のような企業と協業することで、製品種X領域を皮切りにプライベートブランド市場への本格参入というストーリーが考えられるのではないか
→想定ワーク:某食品領域の中でも、プライベートブランド化のニーズが高そうなセグメントで、かつプレイヤーが限られる等、投資候補先が競争力を持ちやすいセグメントを特定
→想定ワーク:当該領域において、商品企画力の実績があるプレイヤーを例示
<メンバーのアウトプット>
悪い例の様に、一般的な項目を分析しただけでは、投資候補先の成長余地はないという結論になりそうなものの、成長余地があるとするとこんなストーリーなんじゃないかという仮説を検証する形でワークを進めると本当に成長戦略が描けるのかが検討出来る。
上記のような解像度の論点・仮説がマネジャーの頭に設計図として組み立てられていないと、なかなか価値のあるアウトプットを効率的に生み出すことは出来ないと考えている。
誤解を恐れずに言うと、マネジャーの心づもりとしては、優秀なメンバーがいたとしても、自分の仮説の解像度以上にアウトプットが良くなることはない(自分の仮説の解像度がアウトプット品質の上限値となる)と思っておくくらいが良い。
勿論、現実としてはチームメンバーのワークや議論から更に良くなることは多いのだけれど(それこそがチームワークの醍醐味なのだけれど)、マネジャーはそれくらいの責任感で仮説を磨く必要があると筆者は考えているいうことをお伝えしたい。
従い、プロジェクト発足後、1~2日で基礎情報を収集した後に大枠の論点/仮説設計図を作る。その後もワーク結果を受けて、随時設計図をupdateしながらプロジェクトを進めることになる(案件の内容にもよるが、少なくとも週2回くらいはまとまった時間をとって論点/仮説設計図をupdateしているイメージ)
特に、各種分析結果を統合してクライアントにとって意味のあるインサイトを出す「結合」作業こそが、最も困難だがコンサルの価値の出しどころになるので、十分な時間を確保することが重要になる。
(2) 役割設計
前述のような論点仮説設計の末端までいつもマネジャーのみで作り切る訳ではない。
論点設定、仮説構築の能力のあるメンバーがいる場合は、そのメンバーにサブ論点の設定・仮説構築をお願いして、彼/彼女の頭を借りながら検討を進めていく方が効率的である。
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例えば、入社3年目で、メンバーとして仕上がったレベルのメンバーがいるとする。彼/彼女には、中論点とその初期仮説だけ共有して、それ以降の小論点の分解と仮説の構築、及びその検証のためのタスク設計からお願いする。(勿論、小論点の分解や仮説、タスク設計については事前にマネジャーとも認識合わせをした上で、タスクを遂行してもらう。その際にメンバーに思考を任せっぱなしにならず、メンバーのたたき台をもとに自分なりの視点でも仮説を考えることが重要)
逆に、入社2年目でまだやっとタスク遂行が自走出来るくらいで、示唆出し等は見込めないレベルのメンバーがいると場合は、小論点まで分解し初期仮説も構築し、その検証のための大まかなタスクも洗い出した上で、それぞれのタスクの遂行をメインでお願いする。
間違っても、このレベルのメンバーに小論点への示唆だしを任せきってはいけない。彼/彼女の成長のためにチャレンジしてもらうのは良いが、マネジャーはあくまでその品質には期待せず、自身でしっかり考えなくてはならない。
この時、マネジャーはメンバーでは埋められない部分(3年目のメンバーの例で言えば、中論点の検討結果をつなぎ合わせて、大論点に答える形の示唆を出す部分。2年目のメンバーの例で言えば、タスク遂行結果から小論点に答える形の示唆を出す部分から上位全部)を埋めることが主な役割となる。
(この部分をメンバーの役割とせずに、マネジャーの役割と認識することが地味に精神的ストレスを緩和することにつながる)
繰り返しになるが、各種分析を統合してクライアントにとって意味のあるインサイトを出す「結合」作業こそが、最も困難だがコンサルの価値の出しどころになるので、マネジャーが十分な時間を確保出来るようなスケジュールを組むことが重要になる。
(筆者がマネジャーなりたての頃は、この結合の必要性を認識出来ておらず、メンバーから共有される分析結果をただパッチワークしただけで、結局何が言いたいの?ということをまとめるのに締め切りギリギリで苦労した経験がある)
(3) コミュニケーション設計
適切に役割分担をしたからといって、物事が上手く進む訳ではない。
論点の角度や仮説の中身は、実際の情報の取得可能性や分析結果といったそれぞれのワークの結果に応じて日々変化するものである。
また、メンバーがワークに没頭するあまり、手元の情報にひっぱられて、そもそもの目的から逸脱してしまうこともまぁまぁある。
にも関わらず、メンバーの各々のコミュニケーションスタイルに任せると、締め切り直前になるまで状況を共有しないみたいな事態に陥りかねない。
従って、ワーク遂行中のコミュニケーションを設計し(多くの場合はメンバーに設計してもらい)、それをマネジャーとも共通認識をとった上でワークを進めてもらうことが重要である。
具体的には以下のようなイメージで、①締め切りとその時のアウトプットイメージ、②そこまでのKey milestones(コミュニケーションポイント)をメンバーに設計してもらい、ワーク開始直後に初期計画について合意をとった上で、適宜更新しながらワークを進めてもらうことにしている。
<コミュニケーション設計例>
1日目
・ミーティング①:仕事を依頼(対応する論点と現状仮説を共有・議論、アウトプットイメージ、期限を共有、大まかなアプローチの認識合わせ)
・ミーティング②:メンバーが考えたコミュニケーション設計案の認識合わせ
※①締め切りとその時のアウトプットイメージ、②そこまでのKey milestones(コミュニケーションポイント)が必ず含まれていること
2日目
・ワーク:初期分析の実施、示唆/分析過不足の検討
・ミーティング③:マネジャーに初期分析の結果報告、追加分析の有無の相談
【Key milestone(⅓)】
3日目
・ワーク:追加分析の実施、示唆の検討/分析過不足の検討
・ワーク:スライドへの落とし込みイメージの検討(メッセージとスライド中身の構造)
4日目
・ミーティング④:追加分析の示唆報告/議論、スライドイメージの認識合わせ【Key milestone(⅔)】
※マネジャーの心の中:ミーティング④で十分なアウトプットが期待出来なかったら、これ以降はマネジャー側で作業を引き取る心づもりをする
・ワーク:スライド作成
5日目
・ミーティング⑤:スライドのレビュー【Key milestone(3/3)】
・ワーク:PPT修正
・最終版PPT共有【締め切り】
6日目
・マネージャー側で最終化
7日目以降
・クライアント共有
(4) 動機設計
(1)~(3)の要素を抑えられていれば、プロジェクトが大きく燃えるようなことは起きにくいと考えているが、アウトプットの品質を更に上げ、かつメンバーとのコミュニケーションをより円滑に低ストレスを実施するのに有用なのが(4)動機設計である。
メンバーがやる気にみなぎっていた方が、彼/彼女らのアウトプットの品質も上がるし、マネジャーとメンバー間で動機の内容が共有出来ていると、よくある上司の不満「メンバーのやる気が感じられない」「期待値に満たない部分がある場合のメンバーへの指摘の仕方を考えるのに骨が折れる」みたいなことも改善される。
具体的には以下の様に、必ずプロジェクトでの目標設定・達成度確認を行うようにしている。
<プロジェクト開始時>
メンバーと15~30分の1on1を行い、以下のような項目に関して情報交換を行い、プロジェクト内(1~2カ月単位)で達成可能な目標設定を行う。
1.メンバーの期待値
・メンバーがこの会社でやりたい仕事はどういうものか
(例:銀行出身で財務分析は経験があるが、コンサル会社に転職したのは、戦略も合わせてクライアントにより幅広く価値提供出来る人材になりたいと思ったから。従い、戦略分析能力を強化したいと思っている)
・これまで経験してきたこと、そこから見えてきた課題
(例:ただ、これまで経験したプロジェクトででは財務分析パートを任されることが多く、定性分析を通じた戦略的な示唆出しといった業務はあまり経験出来ていない)
・これから積みたい経験、強化したいスキル
(例:従い、定性分析から戦略的な示唆だしといった財務分析以外の領域での経験値を積んでいきたい)
2.本プロジェクトで積める経験と目標設定
・マネジャーが本プロジェクトでメンバーに任せたいと思っている業務
(例:新規市場への参入余地検討プロジェクトであるため、市場の定性分析のモジュールもあるし、参入を仮定した場合の財務インパクトの簡易試算まで実施する予定である。もともとは財務インパクト試算の部分をメインでお願いしようと思っていたが、ここは他のメンバーと分担することにし、定性分析の部分も担当してもらえるように分担することにする)
・本プロジェクトで達成可能な目標設定
(例:定性的な分析・示唆だしに関して、小論点の分解、仮説構築、タスク設計、示唆だしまで、まず自分の考えを提示する形で能動的に進められるようになる。※完全に自走的に進めるレベルを目指すというより、まずは自分の考えを提示した上で、マネジャーとの議論を通じてブラッシュアップしながら進められる状態をイメージ)
特に若手との目標設定1on1では、コンサル業界に求められる成長スピードに関して、少し脅し気味に伝えて、緊張感を持ってもらうようにしている。
コンサル業界では約3年で次の職位へ昇進するのが、暗黙的に通常の成長スピードと思われている(少なくとも筆者は思っている)が、そのためには2年くらいで次の職位レベルの基礎力を身に着け、残り1年はそれらを色々な案件で証明していく必要があると思っている。
そのため、実質的に次の職位レベルの力を養う期間は2年で、1年で4案件くらい経験すると仮定すると8案件で次の職位のレベルの力を養う必要がある。そうなった時に、現状と次の職位で求められるスキルレベルのGAPを埋めるには、1つの案件でいくつか確実にスキルアップ出来なければそのスピード感は実現出来ないことになる。
このような現実を敢えて言語化して伝えることで、良い緊張感を持ってプロジェクトに望んでもらえるのではないかと思っている。
4.更なるマネジメント力の向上に向けて
現在筆者はシニアマネジャーという職位にあり、プロジェクト単位でのマネジメントを任されていたマネージャー時代から少し進化して、プロジェクト創出・価値最大化や組織マネジメントの視点も持ってマネジメント能力を上げていかなくてはならないと感じている。
今後においても、引き続きなるべくコミュ力に頼ることなく、なんとか仕組化や自身の思考力を上げることで対応していきたいと思っている。
(筆者にとって人とコミュニケーションすることは本当にストレスなのである)
以降、筆者が考える今後のマネジメント力向上計画について備忘録的に整理した。
(1) プロジェクト創出・価値最大化
(1)-(a) 高付加価値な”問い”設定力の向上
クライアントがすでに解くことに必要性を感じている大論点を前提にプロジェクトを任されるマネージャー時代とは異なり、プロジェクトを創出するためにはクライアントが解くべきと感じる魅力的な問いを設定しなければならない。
また、受注済みのプロジェクトにおいても、のべっと論点を解くのではなく、よりクライアントの満足度を引き上げるような論点の角度や濃淡をチームに提案出来るようにならなければならない。
そのような高付加価値な”問い”設定力を高めるためには、以下のようなインプットの充実と思考法の向上が必要になってくると考えている。
・業界動向や戦略思考のインプットを増やし深める
・クライアントにとっての価値を生み出す思考力を高める
(クライアントにとって大事なことで、まだ気づいていないようなことをどう捻りだすか)
(1)-(b) クライアントとの関係構築
高付加価値な”問い”を設定するためにも、クライアントに関する情報は非常に重要である。
情報入手にはそのための信頼関係を構築する必要がある。が、正直なところコミュ障の筆者にとっては、クライアントとの信頼関係を築くということはあまり積極的に取り組みたい領域ではない。
従って、まずは社内でクライアントとのコミュニケーション頻度が高いKey personとの関係構築を目先の目標として取り組んでみようと思う。
(2) 組織マネジメント
(2)-(a) 組織の方向性の定義
今すぐという訳ではないと思うが、パートナーレベルを目指すのであれば、コンサル会社としての自社の方向性も考えていかなくてはいけないのだろう。
これまではクライアントのことばかりを考えていたが、コンサル業界の動向だったり、その中での自社の強みや弱みを考慮した上で、今後向かうべき方向性についてもViewを持たなければならない気がしている。
(2)-(b) 中長期的視点での組織/人材育成
これまでは担当プロジェクトの価値を最大化することをゴールとして、メンバーに接していたが、これからは組織の定義する方向性に向かうことをゴールとして、より中長期的な視点で組織/人材育成にあたる必要がある。
例えば、プロジェクト内での価値貢献は難しいかもしれないが、発言の少ない若手に対して、敢えて発言の機会を多く与えることで当事者意識を高く持ってもらうようにする等の配慮が出来るようになる必要があるだろう。
上記の通り、まだまだ更なるマネジメント力の向上に向けては、その方法について暗中模索の状況ではあるが、ある程度自分なりの型が見えてきたところで、また別の記事で整理出来ればと思っている。