情。
行こうとすると、
立ち憚るつかい主が現れる。
貴方にそんな勇気はあるのか。
いつものように囁いてくる。
はいはいとまたこれね、と
から返事。
進みたいという強さもなければ、
情に甘えたいとも思わない。
飽き飽きた。
自然と無になると、
在るがままでいたらいい。
それが答えなのだと、
深いところから知らされる。
彼女はどんどん力はを抜いて溶けていく。
天を見上げる溶けた氷のように。
ああ、そらは広い。
ああ、空はあおい。
これでいいんだ、良かったんだ。
この瞬間が全てである。
今を全部受け取れたら
根源に相対性など無いことを知るだろう。
oli