天才は精神的に不安定である│書籍「天才と発達障害」アウトプット
こんにちは。おかゆです。
多角的に自己理解・他者理解・相互理解を深めている今日この頃です🍵
9月になりました。
朝晩が涼しくなってきましたが、日中の日差しの強さはまだまだ続く。そして室内の冷房の寒さとの戦いも未だ続きます…
読者様も体調にお気を付けくださいませ!
さて、今回は読書アウトプットとして。
書籍:天才と発達障害
著者:岩波明
一言で表すと『天才というものを新たな角度から見れる本』でした。
ADHD、ASD、うつ、統合失調症 などそれぞれの症状と一致する偉人や物語の登場人物を紹介しており、学術的な内容には深く触れていません。
・時代に爪痕を残してきた人の中にはこういう一面があったんだ!
・実は共通点もあったのか
・自分もこういうところあるかも
・自分が物語を作る時の人物設定に活きるかも
という感覚で読まれるのが良い距離感かな?と個人的に思いました。
それでは、レッツ自己理解×読書!
1│独創性を生む思考法
拡散的思考と収束的思考
拡散的思考が創造性における重要な要素と考えられています。
拡散的思考には、思考の流暢性・柔軟性・独自性など、創造性につながる要因が関連しています。
拡散的思考の対局が、収束的思考。
一つの正解を求める収束的思考と、自由な発想によって無限にアイデアをふくらませていく拡散的思考。
これ、先日読んだ書籍「AI時代に成功する人の脳の活かし方」に記載した、人間とAIの思考法と一致してビビっときました。
記事から一部抜粋
つまりは、棋士は瞬時に拡散的思考で可能性が浮かび、その後に収束的思考で推論していく。
AIは、最初から収束的思考的を複数並行させて一つに絞りこむような感じだと思いました。
全体のまとめはこちらに。
マインド・ワンダリングと創造性の関係
マインド・ワンダリングとは、心理学における概念です。
たとえば会社のミーティング中に夕飯のことを考えていたり、読書をしながら全く別のことを思索したり…
人間は目が覚めている時間のうち約30~50%を「心ここにあらず」の状態で過ごしているそうです。
マインド・ワンダリングは、意識的なもの・無意識的なもので分かれます。
過去の多くの研究では、「心ここにあらず」がネガティブな面から着目されていました。外界への注意の低下で、運転中に考え事をしていたら事故になってしまう、など。
しかし、近頃ではポジティブな面にも注目が集まっています。
それが、創造性とマインド・ワンダリングの関係性です。
創造性とマインド・ワンダリングを縦軸、横軸としたときに、逆U字型の関係性がみられました。
つまり、ほどよくマインド・ワンダリングしている時に創造性が最大値になるわけです。
前述した収束的思考で一つの正解を求めるような思考よりも、ほどよい拡散的思考で自由な発想を展開する方が、創造的な世界を生きることができる、といえると思いました。
かくいう私は拡散的思考が多く、よく考え事をしながら歩いています。
不注意で車や自転車に跳ねられるんじゃないかな~と、たまに本気で思います。(フラグを回収しないように気をつけます)
読者様も、ふわっとした考え事をする機会があまりないなぁと感じられたら、余白を作ってみると良いかもしれません。
2│天才たちの孤独
本書では、様々な偉人とその症状が紹介されます。
*本人が診断を受けた、と公言したわけではなく、歴史や伝記などからみて現代ではこの症状といえるのではないか、という考察もあり
一部抜粋して掲載します。
■ADHD傾向の偉人
・野口英世(医学者)・・・借金魔であった。豪遊がすごい。研究の議論で話が止まらない。過剰なまでの集中力。
・モーツアルト(音楽家)・・・いつも落ち着きがない。物言いが一方的。型破りなエネルギッシュさ。頻繁な借金。ギャンブル好き。
・水木しげる(漫画家)・・・小さい頃はガキ大将的存在。絵画の才能。仕事を転々とする。配達中に気になったものをじっと観察してしまい、何時間も遅れる。
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書道家の武田双雲さんもADHDを自認されています。
双雲さんは、ハガキの仕分けの仕事で「文字が気になってしょうがなく、作業に時間がかかりすぎて怒られた」
ポスティングでは「表札の文字が気になってずっと見てしまい、住人が家から出てきて逃げた」と発言されているので、水木しげる氏と近い、興味のあるものに対する過集中という共通点を感じました。
私は双雲さんの温かさや発想の自由さが凄く好きで、書籍や発信を楽しませてもらっています。これは、才能だ。
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■ASD傾向の偉人
・ダーヴィン(科学者)・・・収集癖。突出した興味。社会に馴染みにくい。ルーティーンの徹底。リズムが狂うことによる体調不良
・アインシュタイン(物理学者)・・・幼い頃は感情が爆発しやすかった。言葉の発達が遅め。歴史と地理を嫌い数学が優秀。大学講義で教鞭をとる中で話が飛ぶ。家族に愛情を傾けず暴力をふるった一面も
・ヴィトゲンシュタイン(哲学家)・・・失読症。言語の発達の遅れ。10歳で木材とワイヤーを用いて独力でミシンの実用模型を作り上げる。人との付き合いがほとんどできない。他人の感情に無頓着
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アインシュタインときいたとき、これを読むあなたがマルチポテンシャライトさんだったら「アインシュタイン・アプローチ」を思い出したのではないでしょうか?
書籍「マルチポテンシャライト」において、マルチポテンシャライトの4つのワークモデルの中で、アインシュタイン・アプローチ が紹介されています。
*マルチポテンシャライトは、好きなことを次々と仕事にしていく好奇心旺盛で挑戦的な人
アインシュタインは、チューリッヒ連邦工科大学を卒業後、スイス特許局の専門調査官となり、研究に没頭していました。
本業がありながらも、合間に研究に没頭する生活を送っていたんですね。
時間を確保しつつも、類まれな没頭力・思考力があったからこそ彼はこの世の中に偉大な発見を残せたのかもしれません。
家族との関係性などを思うと心が痛みますが、発達障害に関わらず誰しもいろいろな一面を持っている、ということも実感できました。
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■うつ病傾向の偉人
・夏目漱石(作家)・・・幻聴。被害妄想。不安定な時は周りに当たり散らす。暴力をふるう時も
・芥川龍之介(作家)・・・不眠。身体の不調。神経衰弱。幻覚。妄想
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夏目漱石に関しては、彼の著作の主人公にも漱石と同様の幻覚の症状の描写がありました。著者のその時の精神状態というものが、作品にも反映されることが見えました。
文豪というのは、悩み抜くからこそ書けるのか、書くから悩むのか…深いものを感じました。
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■統合失調症の例は、辛くなってきたので割愛します…
読者様も読んでて辛かったらごめんなさい。
3│知能と創造性は別モノ
科学的な手法を用いて天才と創造性の検討を開始した米国の心理学者ルイス・ターマン という方がいらっしゃいます。
今日の「知能テスト」の原型を作った方です。
彼の研究において、70年以上をかけて高い知能を持つ子どもたち1500例以上を対象として、生活状況の変化、職業の達成度などを検討しました。
研究対象の大部分は職業面での成功はほどほどで、目覚ましい創造性を示した例はごくわずかに過ぎませんでした。
*長期追跡可能だった757例の中で、創造的な分野で成功した人物は、作家として成功した2人、映画監督としてアカデミー賞を受賞した1名のみ。
本書においては
と記載がありますが、創造性のある仕事とは?の定義の記載がなかったので、そうとも言い切れないとも思っています。
ただアカデミー賞や作家として成功する(成功の基準も不明だけど)のは確かに並外れた創造性がありそうですよね。あとは、色々な出会いや環境の力もあったと思います。
という点において、"才能"というスキルのみの話ではなく、周りの環境や経済力も含めると、知能が高いからといって結果が出るというわけでもない、というところは頷けると思いました。
また、創造性を持っていたとしても、何かしらのプロダクトとしてアウトプットし「目に見えるもの」「他者に理解できるもの」でなければ伝わらない、というのも納得でした。
4│天才は精神的に不安定である
天才と精神疾患の関連について本書には下記のような記載がありました。
これを読んで感じたことを語弊を恐れずにいいますね。
「HSPさんって、天才の素質があるんだ」と思いました。
外部刺激への感受性が高く、また少数派であることから安心の基盤を満たしてあげるのが難しい。
日本社会は特に同調圧力が高いので「人と違う」ことに対する劣等感や無理に合わせるストレスによって、精神的に不安定になりやすい、というのは実際あるのではないかと思います。
そうした大変さのある一面もあるけれど、確実に、多くの人にはない察知力・洞察力・共感力がある、天才性を持っているのです。
「人と違う」ことは怖い。けれど。
だからこそ、できることがある。と改めて思いました。
また、私は「天才性」というのはHSP関係なく、誰しも持っていると思います。
HSPさんは洞察・共感・察知に長けており、この部分が突出している方が多いのかな、と。
天才と精神疾患の関係性でこの話をするのは、もしかしたら不快にさせてしまったかもしれないのですが、繋がったので記載してみました。
かくいう私も、なかなかメンタルジェットコースターです。
午前中に「人生最高!」と思って、午後に「どん底だ~~」となることもあります。
毎日がアトラクションですね。。笑
本当の闇に落ちないのは、そういうバランスで生まれたこともあるし、人のおかげかなと思っています。
5│誰が才能を殺すのか
天才を殺すのは凡人
第6章で「誰が天才を殺すのか?」に触れています。
北野唯我氏の著書「天才を殺す凡人」の一文も引用されており、私も本書を読んだことがあるので改めて刺さるものがありました。
天才を殺すのは、凡人なのです。
*本書も非常に面白いのでリンク貼っておきますね。
結果を出していない。実績がない。
だから、天才の創造性が理解されない。
そして異物として扱われてしまうことが往々にしてあります。
「天才」の創造物が一般社会から受け入れられず、長い年月が経過してから日の目を浴びることもあります。
本書における例としては、ひまわりで有名なゴッホ。評価が上昇したのは彼の死後10年以上経ってからです。
芸術は作品数が増えなくなってから価値が上がる、というのはよくあることのようですが、なんだか切ないですよね。
それも含めてアートなのかなぁ。
日本社会は、同一性への思考が強く、出る杭うつ、の傾向が強いですよね。
巷でよく言われているし、実際にそう感じることがあります。
こういった日本の不寛容さは、大きな要因として考えられるのが"多様性のなさ"。
日本の長い歴史の中で、他民族の大量流入や長期の占領といった事例がなく、比較的一元的な価値観が形成されてきた、というのもありそうです。
文化の融合は上手いけれど、思想は受け入れられてないのかもしれない。
日本人、世界もなのかな?
暇なの??ってくらい、SNSで炎上して、会ったこともない他人を叩きますよね。
人生の貴重な時間をなんでそんな知らない人に使うんだろう…って気持ちになります。友人同士で話すとか、知ってる人への不満はわかるけど。
そのエネルギーを政治に向けてくれ。(突然)
出る杭うつ世の中、とはいってきましたが、もちろん、伸び伸びと過ごせる環境もあるので、そこにいられたら最高。
多くの人がそんな「自分が輝ける場所」を探してるんじゃないかなと思います。
もっとそういった多様性を受け入れる場所が増えたらいい。
他国の天才を育てる取り組み
なんでもかんでも他国と比較するなよ!という意見もありそうですが、本書に記載があったので一部紹介を。
国家プロジェクトとして能力開発を重点的に行っているのが、イスラエルです。
イスラエルの人口の多くを占めるユダヤ人には、世界的な発明家や研究者、起業家が非常に多い。さらにノーベル賞やフィールズ賞の受賞者にもユダヤ人比率は多いです。
アインシュタイン、フロイト、マルクスも、ユダヤ人。すごい、ユダヤ人。
イスラエルには物理学やプログラミング言語を教える幼稚園があり「科学技術幼稚園」と呼ばれています。
日本にはこういった幼稚園はない気がする…
うーん、これはこれで面白いけど、小さいうちってもっと自由に野山駆け回ってる方が良いんじゃないか?という破綻させることを思ってしまう一読者でした。
実際に才能を見出すことは、簡単なことではありません。多くの天才たちはある分野では傑出した能力を発現しますが、その他の分野では平均以下でアンバランスなことも多い。常識に欠けることもある。なかなか周りからの理解を得にくい。
日本における現状としてはこれに近く、周囲が才能を伸ばすどころか、ほとんどの場合は、その才能を引っ込めて大人しくさせるような教育がされている気がします。
ADHDの子に、薬を飲んで落ち着いてね、という。
本人が苦しんでいたり、症状にもよると思いますが、それって治療なの?もしくは調教なの?と。
これは、夢みる小学校にも繋がりますね。
👇の書籍の中で紹介されていたので、載せておきますね。
じゃあ、日本はどうする?
じゃあ日本はどうするの?ということについては、本書で以下のような記載がありました。
また、個別指導の確立、少人数制での教育もあげられていました。
私も少人数のクラスがよかったな!
内向型には大人数は辛いです。
最後に
と、希望を持てる締めくくりの言葉がありました。
本書において明確な解決方法を伝えることが主旨ではないから、この簡潔なまとめなんだろうな、とも。
まとめ
日本をどうする?については、個人的には、根本的な教育方法の改革が必要だと思っています。
少人数学級、個別指導、左脳的な論理的思考と共に右脳的な直感的思考も育む。
いろいろ、じゃあ私立なの?教員はどうするの?お金かかるよね?とか課題はあると想いますが···
まずは、夢を膨らませよう!!!
膨らませて膨らませて、じゃあその後どうやって実行する?何が今すぐできる?長期的にみて優先度高い?
その、感情でひらめいて、論理で実行、なのです。
現代人よ、右脳を鍛えよう!
天才たちよ、輝ける場所にあれ!
という感じで、今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
天才の素質を持つ人は神経質であることが多い…
自分を労わり、周りの才能を慈しもう!!
またお会いしましょう🐧💨
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