歌集『アルゴン』(斎藤寛氏)を読む。
歌集『アルゴン』(斎藤寛氏)を拝読した。
本の紹介
中年男性の立場からの視点が多い歌集。
ひとつまみの皮肉と哀愁がある。
時折作中に登場する「沼津の姉」の個性的な発言も魅力。
五首選
「領土」という仰々しい言い方が、おかしみを生んでいるように思った。
「ドトール」のカタカナ表記が異国の名前に見えてくるという効果もある。
「蹲る」は「うずくまる」と読む。
躓く(つまずく)と漢字が似ていて注意。
確かにやるべき事が無いよりも適度に用事がある方が生活に張り合いがあるかもしれない。
「短歌の森」という喩が魅力的。
種田山頭火の俳句の
分け入つても分けいつても青い山
を意識しているかもしれない。
煮魚が崩れていくさまを詠んでいるのだが、意味深である。
人によって色々な場面を連想して読むのではないだろうか。
境界線があやふやなもの同士の取り合わせ。
「みずうみ」と「霧」の境目、
「かしこさ」と「ずるがしこさ」の境目。
色々な境目は作為的なのかもしれない。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。
次回もお楽しみに!