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結局、「長寿食」って一体何なの?って問題を考える
「長寿食」といえば、「ケトジェニックダイエット!」「糖質制限!」「カロリー制限!」「ビーガン食!」「地中海食!」「プチ断食!」といったいろんな食事法が紹介されます。しかし基本的に推進派はメリットばかりを、反対派はデメリットばかりを強調するせいで「結局どのスタイルがいいんだろう?」と判断に悩むことは多いわけです。
そんななか、最近出てた南カリフォルニア大学などのレビュー(R)では、数百の研究をまとめて、食品組成やカロリー摂取量、断食時間の長さ/頻度といった食事の様々な側面から「長寿食」の特徴をまとめてくれていて非常に有用でした。
研究チーム曰く、
長寿食とは、体重を減らすことだけを目的とした食事法ではなく、老化を遅らせることに焦点を当てたライフスタイルであり、標準的な医療を補完し、予防策として実践することで、疾患を避け、高齢になっても健康を持続させる助けとなるでしょう。
とのこと。ギリシャのヒポクラテスが「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」という言葉を残したように、食事ってのは健康を増進し、(健康)寿命を延ばすための最も強力かつ実行可能性も高い安全な介入方法である、と。
本論文の中ではヒト疫学研究の寿命データのみならず、インスリン、CRP、IGF-1、コレステロール等の疾患リスクマーカーへの影響も説明されていて、「とにかく長寿食の実践法を知りたい!」という方から「長寿食はいかなるメカニズムで長寿を実現するのか?」ってところを知りたい方まで参考になるんじゃないかと思う次第です。ではさっそく、長寿につながる食事パターンのポイントを見てましょうー。
1. 栄養が寿命に影響を与える遺伝的経路
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