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甲州手彫印章組合「rinsho」— 家族の記憶を持ち運ぶ、新たなかたち

PROJECT NOTE
家族のハンコを受け継ぐアップサイクル商品「rinsho」(山梨県)

オクノテは、家族のハンコをアップサイクルするプロダクト 「rinsho」 の開発において、プロダクトデザインおよびロゴデザインを担当 しました。

本プロジェクトでは、亡くなった家族の大切なハンコを、ネックレスやミニハンコ、ブローチへと生まれ変わらせることで、「想いを受け継ぐ」というコンセプトを形に しました。



ハンコが持つ「個」の象徴性

©︎甲州手彫印章組合

ハンコは、日本において 「個人の証」 としての役割を持つ特別なアイテムです。書類に押されたハンコを見れば、その人の存在がそこにあったことを感じられる—— そんな 「触れる記憶」 としての意味を持ちます。

しかし、昨今のデジタル化により ハンコを使う機会は減少 し、長年使われたハンコも、役割を終えた後は「どう扱うべきか」と考える人が増えています。

「rinsho」は、そのようなハンコを 「形見」として持ち運ぶ新しいスタイルを提案 するプロダクトです。


家族の想いを形にするプロダクト

「rinsho」では、一本のハンコを ネックレス、ミニハンコ、ブローチ へと加工し、家族で分け合って使えるデザイン を採用しました。
ハンコが持つ特有の素材の美しさを生かしつつ、一見するとハンコだと分からないような洗練されたデザインに仕上げています。

水晶カボッション(ピン・ネックレス)

©︎甲州手彫印章組合

ハンコの断面にも彫刻を施し、水晶カボッションをかぶせました。レンズ効果もあり、水晶の反射によって模様が映えて見えます。長さ60㎜のハンコで、最大10個制作が可能です。

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水晶サンドのネックレス

©︎甲州手彫印章組合

縦にカットした印材に箔を施し、水晶で挟んだネックレスです。印材の色味に加えて、チェーンや箔の色の組み合わせで仕上がりの表情はさまざまです。長さ60㎜のハンコで2〜4個制作が可能です。
※18金の場合は時期によって都度値段が変わります。
※箔は両面それぞれ選択可能
※ネックレスのチェーンの長さは選択・調節が可能です。詳しくは商品詳細をご覧ください。

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ほおずき

©︎甲州手彫印章組合

ご先祖様の霊が帰ってくる我が家を知らせる目印に見立てられるほおずき。水晶アクセサリーとして人気の商品を印材を使ってアレンジしました。
長さ60㎜のハンコで4個制作が可能です。
※ネックレスのチェーンはオプション料金となります。詳しくは商品詳細をご覧ください。

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ミニハンコ

©︎甲州手彫印章組合

一つのハンコを縦にカットして生まれるミニハンコ。サイズは一辺5~7㎜で名刺や一筆箋、ハガキにちょうど良いサイズです。長さ60㎜のハンコで2〜4個制作が可能です。

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それぞれのアイテムは、ハンコが持つ歴史を受け継ぎながら、新しい用途を持ったプロダクトとして生まれ変わりました


「rinsho」と地域文化のつながり

本プロジェクトの背景には、山梨県の伝統技術「甲州手彫印章」 の存在があります。甲州手彫印章は、職人が一つひとつ手作業で彫り上げる印章 で、その技術は400年以上の歴史を持ちます。

この技術を活かし、「rinsho」のプロダクトは単なるリメイクではなく、職人の手で丁寧に再加工されることで、家族の記憶をより特別な形で残すもの となりました。伝統的な技術を現代のプロダクトへと活かし、印章文化の新たな可能性を拓く試みでもあります。


ハンコの新しい役割とは?

「rinsho」の開発を通じて、ハンコには 「証明のための道具」以上の価値がある ことを改めて実感しました。

  1. 「証」ではなく「記憶」としてのハンコ
    ハンコは、その人が生きた証でもあり、その人の存在を思い出すきっかけにもなる。
    「rinsho」は、押すためのハンコから、持ち運ぶためのハンコへ という新たな視点を生み出しました。

  2. 使われなくなったものに、新しい命を吹き込む
    家族の形見として保管されることの多いハンコですが、それを日常に馴染む形にすることで、もっと身近に、もっと自然に受け継ぐことができる

  3. 伝統技術を未来につなげる手段
    甲州手彫印章の職人技術は、近年の印章需要の低下により存続の危機にあります。
    しかし、「rinsho」のようなプロダクトを通じて、技術を別の形で活かすことができる
    伝統工芸を未来へつなぐためにも、こうした新しい視点が必要だと感じました。


未来へとつなぐプロジェクト

©︎甲州手彫印章組合

オクノテは、「rinsho」のデザインを通じて、個人の想いや地域の文化を未来へ受け継ぐための役割 を担いました。
このプロダクトが、多くの人にとって大切な記憶を残す手段となり、家族のつながりをより深めるきっかけになれば と思います。

「rinsho」が提案する 「新しい記憶の持ち運び方」 が、未来の形見のあり方の一つとして広がることを願っています。

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