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読書ログ〜日本人はどう死ぬべきか 第二章 年を取った男はさすらうべきだ〜

本書について

養老先生と隈先生が死生観について対談された内容を書籍化されたものです。もともと2014年に刊行されたものですが、今年1月に実施された新型コロナウイルス蔓延も踏まえた対談を加えて、2022年5月に再刊されました。

第二章の対談内容(個人的な理解)

章題にある通り、お年寄りは若者の行動や経済活動を妨げることなく、固執せずさすらうように生きていくべきであるというのが、本章でお二人が伝えたい主題。特に日本は年寄りが幅を利かせる傾向が強い。例えば地方で新しい取り組みをしようとすると、長老みたいな輩が「貴様はこの地に骨を埋める気があるのか」と迫ってきたり、大企業で新しいことをやろうとすると、古株ができない理由を列挙して挑戦を妨げたり。そんな日本社会にとっての「死ぬこと」とは、定年退職を迎えることとほぼ同義で、死に方も生き方と同様イオンモール的である。つまり、第二次世界大戦後、多くの日本人はサラリーマンとして仕事に従事、時に私生活も顧みず没頭し、60歳で定年、その時点から何かを他の生きがいを探しても時に既に遅しで、張り合いを失い死に体となる。また、日本人は無宗教が大半なので世間が神の代替となっています。つまり、周りの人と同じようなスタイルが相対的な正解であり、そうなるとイオンモール的に”いつも側にあって、周りのみんなが使うもの”が正解になっていく。その結果、全国同じような形のメモリアルホールで同じようなパッケージで葬儀を執り行うようになった。
また、博識のお二人の対談なので、話題は脱線を繰り返し、それぞれのトピックが大変興味深いものになっています。(笑)

第二章を読んで私が感じたこと

まず感じたことは、私自身が少しずつ確実に典型的なこれまでの日本人になっていっているということです。社会に出て約10年。だんだん若手から中堅に差し掛かっていく中で、変化を面倒に感じたり、できなり理由を探して、ただその日をやり過ごそうとする行動も多くなってきました。一方で、そういう自分の姿が、本来自分の目指していた形とは違い、苦しい気持ちもあります。このまま、いわゆる老害にはなりたくない。そのためには、第二章の中でも記載されていましたが、仕事との距離感を考え直すことが重要だと思います。仕事といい感じの距離感を保つこと。仕事が全てになると、仕事の関係者に嫌われてはダメだ、とか、仕事がうまくいかなければ人生終わったみたいな0-100思考に陥ります(実際自分はめちゃくちゃネガティブ思考で、そういう負の思考サイクルになりがちですw)
一方で、仕事がうまくいかなければ食い扶持に困るわけですし、何が仕事との良い距離感なのか難しいところです。そこで、やっぱり大切だなと思うのは、経済的な自立だと感じます。収入源が一つだと属している会社への依存度が上がるし、上述のような負のサイクルに陥る可能性も上がる気がします。(もちろん仕事を適当にやっていいと考えている訳ではありません)
この時代、経済的な自立には自営業や起業、副業などいろんな方法があるし、それに踏み出せなければ、自分の人生を全うして死んでいくことができない気がしてます。第二章の中で、養老先生も語っておられましたが、自分が死ぬことを意識して、どう生きていくかを考えるのは、30代ー40代に考えておくに越したことはないと自覚しています。今ここから、死ぬまでにやっておきたいことを意識して、食い扶持を稼ぐことと向き合うべきかを考えたいと強く思った次第です。

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