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お手伝いで子どもは劇的に変わる

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お手伝いで大きく変わることができたタケシ君の指導&成長の記録です
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2024年10月の記事一覧

12)掃除で授業での孤独感が解消

◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 3 誰かの為になる行為。それは、子どもにとっての「お手伝い」ということになるのでしょう。 自分のしたいことでなくて、人の為になることをする。そうすることで、子どもの心は救われていくように思います。 給食を全て配膳した子は、実際にはほとんどの授業に参加できずに、毎日机にうつ伏せになって何も授業を受けない状態でした。特に算数は、低学年で習う掛け算も全部覚えていない状態だったので、授業についていけなかったのです。 机にうつ伏してい

11)クラスの為のお手伝いのとてつもない威力を知った

◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 2 普段、宿題もロクにやらない子だったのですが、宿題を終え給食室に給食が運び込まれたのを確認すると、驚くようなスピードで全てを盛り付け、クラス全員の机に配りました。 4時間目が終わり、クラスの子が帰ってくる前に終わらせたかったのでしょう。 ほぼ給食を配り終えた時、クラスの子ども達が教室に帰ってきました。 「わ~~すごい! ありがとう!」口々に子ども達は歓声をあげます。 ところが、普段から無表情で感情を表に出さない子でしたの

10)専科の先生の授業に行けなくなってしまった子

◆体を動かすお手伝いで子どもは劇的に変わる 1 身体を動かして気分を変えることが大事だとタケシ君に話をしましたが、話をしてすぐに変わることなど、なかなかできる事ではありません。 でも、何か嫌なことがあったときに止まってしまうことが彼の心のケアのために一番良くないので、とにかく体を動かすこと。そのために、一番良いのが「クラスの為になるお手つだい」だと思っていました。 たいていのお手伝いは体を動かすことを伴いますし、人の為になるという満足と、相手からの感謝も得られます。

9)体を動かしてストレスを減らし、脳をリセットさせる

◆体を動かせば気分は晴れる 8 こじれてしまっている不登校の場合、朝散歩も大変かもしれませんが、初めは難しくても、心のケアのために短い距離から始めていけばよいと思います。 最初は家の周りだけでも良いので、15分間日光に当たるだけでも効果はあるそうです。 学校の門をくぐれなくても良いのです。門をタッチする、一歩だけ踏み入れる、そんなゲーム感覚で活動量を増やしていく。 学校では、時間の長い休み時間には外に出て遊ぶことが大事だと子ども達に話をしています。体を動かすことで授業

8)登校渋りを解決した同僚

◆体を動かせば気分は晴れる 7 同僚で、登校を渋っている子と毎朝一緒に歩いて登校した人がいます。その子は、同僚のおかげで毎日登校することができ、翌年は渋ることもなかったのです。 昨年も登校を渋る子がクラスの中にいたようですが、いつの間にか、その子も登校できるようになっていました。同僚が一緒に登校するところを見ませんでしたが、親御さんが一緒に遠い道のりを歩いていらっしゃるのを度々見ました。 体を動かすことが子どものメンタルに良い影響を与えるのであれば、日々の歩いての登校は

7)問題は、嫌なことがあると止まってしまうこと

◆体を動かせば気分は晴れる 6 人は体を動かして行動したら、暗い気分から脱出できる。 これは、科学的にも実証されていて、厚生労働省は、身体活動が気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの不調を改善するとしていますし、軽い運動でもストレスを解消させるためのホルモンが分泌され、心が安定し、ポジティブになりやすいという研究もあるようです。 自分自身も、ネガティブな思考を減らすために自転車や登山に挑戦し、その効果が実感としてありますし、運動で友人関係の悩みや恐怖心を克服

6)臆病な子が活発な子に大変身

◆体を動かせば気分は晴れる 5 クラスに話したことの続き 「だいぶ前に担任した子だけど、彼女はとても怖がりで、運動能力は低くはないのにジャングルジムの1段を上ることさえできませんでした。 この子の悩みは、同じクラスのある女の子の存在でした。 相手の子は、彼女をいじめていたわけではないと思います。ただ、言葉がキツイところがあったので、怖がりの彼女には、普通の子ならスルー出来る言葉も全て攻撃されているかのように思い、傷つき悩んでいました。 「いじめられているんじゃないと

5)暗い感情の渦から脱出するのは自分自身の行動次第

◆体を動かせば気分は晴れる 4 クラスに話したことの続き 「小さな小さな筒で、嫌な事を一生懸命見ていたって幸せはやってきません。 それは、嫌な事を何度も何度もよく見て、忘れないようにしよう、記憶にとどめておこうってすることだから自分の中に不幸を集めているようなものです。 そんな筒は捨ててしまって、嫌な事から出来る限り目をそらす。 そうしたら楽しいことや美しいことは見えるようになる。 それが幸せの道だって、アランっていう人は言っています。「笑うから幸せ」というのは、

4)嫌な事1点だけを一生懸命見たら不幸のどん底

◆体を動かせば気分は晴れる 3 クラスに話したことの続き 「みんも、美しいもの、幸せなことをたくさん見つけられるようになりたいよね。」 こんなことを言うと、子ども達は一斉にうなずきます。 「以前の私は、全然こういうことが分からなかったけれど自然の美しさ、人の優しさなんてものが分かるようになってきて、あぁ幸せだなーなんて思うようになってきました。 幸せっていうものは、どこからかやってくるものじゃない。TDLとかユニバとかのように、人から与えられるものでもない。 結局

3)嫌な事ばかりに焦点を合わせていると不幸感が高まる

◆体を動かせば気分は晴れる 2 大事なのは、嫌な感情を長く持たないこと。 これが凄く重要で、長く心の中にあればあるほど嫌な思いは、自分の記憶の中で強化されてしまいます。 クラスの子ども達を見ていると、子ども達はどうしても嫌なことに焦点を合わせてしまいがちです。 それは大人も同じだと思いますが、世の中は楽しい事や嬉しいことも溢れているのに、嫌な事ばかり焦点を合わせていると、美しいものや幸せに目が向かなくなって不幸感ばかりが高まってしまうのです。 クラスの子ども達に話し

2)問題は友達との関係が上手くいかない事

◆体を動かせば気分は晴れる 1 タケシ君の問題は、友達との関係が上手くいかない事です。 自分中心が強く、友達との意見の衝突が多くありました。 普段は大きな声で自分を主張するので、相手が引っ込むのですが、そうでなく、自分の主張が通らなかったり、相手に嫌な事をされた場合は、途端に動けなくなってしまい、能面のような顔になってしまうのです。 ある時は、体育の授業中に嫌なことがあったのか、能面のように無表情な顔になり、動かなくなってしまいました。 こちらが何を言おうと耳に入り

1)お手伝いで子どもは劇的に変わる

私の学級運営の柱に「お手伝い」があります。 どんなに行動に問題がある子でも、心の在り方がこじれてしまった子でも、友達関係がうまくいかない子でも、「お手伝い」を通して大きく成長していくし、友達関係もとても良くなっていきます。しかも、成績も向上していくのです。 これが本当に不思議なのですが、子どもの心身の成長にとって「お手伝い」は不可欠なのだと思います。 タケシ君は、孤独な子でした。発言力はあり、普段から大きな声で自分の意見を言う子でしたが、友達とのトラブルもとても多い子で