こんにちは。おきにのうつわと申します。おきにのうつわは夫婦ユニット。京都のうつわや工芸品のPRや、時々他府県の工芸品のお手伝いをしています。 夫Kojiは京都でおじいさんの代から続く京焼・清水焼を専門店や百貨店に卸す、卸売業をしています。大学卒業後は一旦、出版・古美術関連の会社に入社。その後、京都府南丹市にある京都伝統工芸専門校(現:京都伝統工芸大学校)に入学して陶器制作について学び、家業に入りました。 妻Yasuyoは服飾デザインを学んだ後、ウェディング業界に入り、結婚
月刊おきにのうつわ。今年1月にスタートさせて、12回目となりました。夏休みの日記も三日坊主で、夏休みの終わりの頃に泣きながら、さかのぼって書いていた私が、こんな長い文章を12ヶ月も毎月毎月よく書けたなと思います(笑) これまでたくさんの方が工芸品や職人さんをクローズアップした記事を書かれていますが、同じような紹介では私たちらしくないと思い、工芸品を交えた生活の提案やこれまでのお仕事の実例から具体的な使い方を紹介してきました。(←つもりだけですが) ・・・・・ 今月のテー
今月は京都で作られている和紙について紹介したいと思います。 作られているのは京都府北部にある、綾部市黒谷地域で作られている「黒谷和紙」。京都府知事指定伝統工芸品の一つです。 まずはじめに、とてもマニアックな話ですが、京都における伝統産業の分類を紹介します。 京都の伝統産業とひとことで言っても、実は認定しているところが国、京都府、京都市と3カ所あり、それぞれの機関が伝統産業として指定している種類は異なります。 ↓【国】が指定している京都の伝統産業品は〈17品目〉 ↓【
ろうそくはかつて提灯や行灯、灯篭などに灯されて生活に欠かせないものでした。しかし、明治以降の電力化によりその役目は終え、次第に照明としての役目は少なくなっていきました。 現在の暮らしで見かけるろうそくと聞くと、まっ先に誕生日が思い浮かぶのではないでしょうか? ケーキに刺して灯された細いろうそく。ハッピーバースデーの曲が歌い終わるまで、ケーキにロウが垂れないかヒヤヒヤしながら、やや早回しに歌い終わって吹き消した思い出があります(笑) その他に、お仏壇に灯したり、お寺に出かけ
「日本酒の味は酵母が決め手と言っても過言ではない」 私たち夫婦はお酒を呑むのが大好き! 若い頃は一通りのお酒を試してきました。ビール、焼酎、ワイン、ウイスキー、日本酒、泡盛、ジン、ラム・・・。一通りお酒の失敗も経験して(笑)、近年は日本酒を飲むことが多くなりました。 (結婚式でも、もちろん京都のお酒で鏡開き!豊祝/豊澤本店) と言うのは近年、京都の若手陶芸家などで結成されたグループがイベントなどに出店される際に、商品ディスプレイや販売のサポートをさせていただいた「バレ
お盆の季節になりました。 我が家では、まず東山の六道珍皇寺さんにお精霊さん(おしょらいさん)をお迎えに鐘を衝きに行きます。その流れで五条坂の陶器まつりに行くのが通例。(今年2021年度は中止) お仏壇にはいつもより豪華な蓮の花や高野槙が入った仏花、スイカや盆菓子をお供えし、ご住職さんにお経を上げてもらいます。盆休み中にお墓参りをして、8月16日の五山の送り火でお精霊さんをお送りするのがパターン。 おうちによっては迎え火を焚いたり、お迎え団子をお供えされたり、様々なやり方があ
京都の7月と言えば祇園祭。今年もその時期が来ました。 昨年はコロナ禍で山鉾巡行が中止になり神事だけが行われました。今年も巡行は取りやめですが、今日は7/11、各山鉾町の判断により山鉾建てがスタートしているところもありますね。 お祭りに欠かせないのが提灯。今回は京提灯のお話です。 電気が普及する以前、提灯は照明器具として暮らしの必需品でした。夜の外出時に照らしたり、神社の御神燈、店の軒に吊るして宣伝や慶事などの儀式の際、またお盆には先祖の霊を迎えることなどに使われてきました。
いよいよ暑い時期に入ってきましたね。私のこれからの必需品は扇子。この時代、建物内はどこに行ってもエアコンで涼しいですが、道中の暑さはもう生命の危機を感じるほど。 あおぐのはもちろん、日差しを遮ったり、またこのご時世、骨と言われる竹の部分でエレベーターのボタンをピッと押すのにも重宝します。 さて、今月は京扇子・京うちわのお話。 その名が表すように京都で作られた扇子・うちわを指すのですが、京扇子・京うちわと名のれるのは、京都およびその近郊で作られた材料を使って作られ、京都扇子団
暮らしの中で、金属は今や当たり前に存在しています。 改めて家の中を見渡しても、窓のサッシ、やかん、クリップ、携帯電話の中身、ベルトのバックル、アクセサリー、はたまた骨折経験のある方は体内にも金属が入ってるかも。 そんな、金属の加工のなかでも、長い時間を掛けて築かれて来た、伝統的な技法を受けて作られている京都の金属工芸に今月は注目してご紹介したいと思います。 先日、京都金属工芸協同組合の創立50周年を記念した展示会へ行ってきました。金属を材料にして、神社仏閣で使うものや茶道
こま…子供の頃はよく回して遊びました。 長く回すのを競い合ったり、相手のこまを土俵から跳ね飛ばすゲームなど休み時間に遊ぶほど身近なおもちゃでした。(当時、こまは学校へ持参OKだったと記憶) 手で回すほどの大きなこまを、刀や扇子の上で回す曲芸もよくテレビなどで見られましたね。 そんな子供時代に慣れ親しんだ こまは、形は違えども世界各国にあり、世界共通の玩具でもあります。 ↑こちら、世界のこまがたくさん紹介されています こまは木や金属で出来ているイメージですが、今回紹介する
今月の伝活は竹。 竹と一言で言ってもその種類は豊富。竹の子が食べられる竹、建材や花瓶、籠など細工に使われる竹、緑の竹、黒い竹、太い細い…その種類はさまざま。 竹の子として食べられるのは、孟宗竹・真竹・淡竹・姫竹・四方竹などです。竹の子のお刺身に、竹の子ごはんや竹の子の天ぷらも魅力的…。余談ですが、よく食べられる孟宗竹の竹の子にはオスとメスがある(正確には雌雄でなく個体差)をご存じでしょうか?竹の子の先が緑のもの(オス)と、黄色のもの(メス)があり、一般的には黄色のメスの方が
先月から書きはじめたnote。私たち夫婦〈おきにのうつわ〉が京都の伝統産業を毎日の暮らしの中で実際に使って愛でて「伝活」している様子を紹介していきたいと思います。 今月は「京くみひも」。 くみひもとはくみひも は仏教と共に日本に伝わり、武具や茶道具などに使われて来ました。くみひも=帯締めのイメージが強いのではないでしょうか。 帯締めはその名の通り、帯を締めて固定させる役目。それと共に帯の中心を彩るアクセントとなり、結び方や配色でコーディネートを楽しめるアイテムでもありま