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月刊おきにのうつわ|第八回伝活    〈京念珠〉

お盆の季節になりました。

我が家では、まず東山の六道珍皇寺さんにお精霊さん(おしょらいさん)をお迎えに鐘を衝きに行きます。その流れで五条坂の陶器まつりに行くのが通例。(今年2021年度は中止)
お仏壇にはいつもより豪華な蓮の花や高野槙が入った仏花、スイカや盆菓子をお供えし、ご住職さんにお経を上げてもらいます。盆休み中にお墓参りをして、8月16日の五山の送り火でお精霊さんをお送りするのがパターン。
おうちによっては迎え火を焚いたり、お迎え団子をお供えされたり、様々なやり方がありますね。お盆前になると、うちではこうする、ああするとお盆の過ごし方を紹介しあいっこすることが多くなります(笑)(お正月前も)


このお盆期間に特によく使うのがお珠数。
お寺やお墓参りの際には必要なものですが、お念珠の起源について、京都珠数製造卸協同組合のサイトに紹介されています。

念珠の起源は諸説はあり、確かではありません。
3500年以上前にできたバラモン教の「ジャパ・マーラー」(念誦の輪)という意味の道具が起源と言われ、それが「念珠」すなわち珠数の原型になったという説が有力です。この念珠をお釈迦さまが仏教に取り入れたともいわれ、後にシルクロードをたどり中国へと伝えられました。
その後、数の概念や、一つ一つの珠に意味づけがされ、仏教の法具として欠くことができないものとして、仏教の広がりとともに各地に伝わりました。

※「じゅず」を変換すると〈数珠〉と出ますが、京都の「じゅず」は〈珠数〉と統一されているそうで、文中〈珠数〉と表記します。

かつて都だった京都は、現在もお寺の本山がたくさんある仏教都市です。珠数玉もそのほとんどが京都で製造されています。
「京念珠」とは資格試験を合格した方が作る念珠だけが名のれると言うことで、ブランド化し品質を保たれています。


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(京念珠製造師さんにオーダーして作っていただいた姪のお珠数/竹中源)

姪も大きくなってきたので、そろそろ大人のお念珠をということで、お東さん近くの竹中源さんので姪の好きなブルー系のお念珠を作っていただきました。以前、経年劣化で房が変色したり、糸が切れそうになったときも、こちらで修繕していただきました。

私は学校の卒業時にいただいた念珠を長年使ってきましたが、現在は結婚のお祝いにくださった念珠を使っています。
水晶と翡翠が組み合わせられ、白い房のすがすがしい配色です。

14京念珠

最近はお守りの感覚で念珠ブレスレットを付けられている方もいらっしゃいますね。海外の方にも人気だとか。


また、お珠数を作らせていただけるお店があり、以前に友人たちと体験をしてきました。
ご店主さんに教えていただき、初心者でも出来て、どの宗派でも使える「一連念珠(片手念珠)」を制作させていただきました。

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(体験完成品:一連念珠。左は男性用、右は女性用/於:中野伊助)

珠と房の色を選ばせてもらい(あれやこれやと…この時間が楽しい!)糸に玉を通しやすいように和バサミで糸を細く削るところから始めます。台に糸の片側を結び、珠を通していきます。

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(和バサミで糸の先端を削って細くする作業)

珠を通し終えると、房を付けるために糸を四つ編みするのですが、これが難しい!!ご店主さんに手伝ってもらいながら完成。

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(悪戦苦闘の四つ編み。珠と房の間を装飾する部分だけに手が抜けない…)

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また、各宗派のお珠数を見せていただき、それぞれの特徴を大変興味深く聞かせてもらいました。制作体験を通してお珠数の構造もよくわかり、本当に良い経験となりました。


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