私は何者か、172
かかわりというものが、とても、面倒なものであると、いつからそんなことを意識し始めたのだろう。
心が知らぬ間にすり減っていくのだ。
容赦なく、そして、じわじわと、すべてが灰色になる。
では、おまえは、どれほど素晴らしいものかと?
いや、素晴らしいかどうかではなく、いかに人と関わらないかということ、関わらなくても毅然と生きていけるかということが、争点。
光の中にどれほどの影があって、その影の淵を、覗くことなく、淵に寄りかかることなく生きること。
卑怯だと?
そうかもしれぬ。
生きていく術として、選んだ道。
なのに、いま、やさしい言葉や、やさしい、目に見えないおもいを求めている。
生きるということは、大変なことなのだろう。
だから、生きる価値もあろう。
わたしは笑う。
笑うことで、救われる。
誰かが、つられて笑う。
わたしは抱く。
抱くことで、包み込まれる。
抱き合う。
サヨナラしたものたちよ。
許してくれるか。
私は何者か。
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