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私は何者か、153
音楽は好きだ。聴くのもいいし、奏でられればなおいい。
でも、何かに集中するときは音楽のあるなしなど関係なくなる。
音楽を聴いて何かをやるなんてのは、理想すぎる。
どちらかを選び、そして、どちらかから選ばれるのだ。
聴くとき、それはタイミング。
グールドのバッハを聴くことが圧倒的に多い。
自分の鼓動に合っているのかも知れない。
そして、例えば、それ以外に、聞こえる。
雨垂れ。
葉擦れ。
意図しない音も音階を持つ。
鼓動。
虫の声。
意図する音の摩訶不思議。
どこからか聴こえる音に耳を傾ける。
意図しない事を意図する。
音のない音。
そういえば、離れられない、わたしの耳鳴り。
私は何者か。