人生って、逃げても案外なんとかなる。
「大丈夫ですか!?」
「意識が戻ったぞ!」
さっきまで駅のホームで立っていたはず、だった。
背中が地面に触れている。必死な表情の救急隊員に顔を覗き込まれ、周りがやたら騒がしい。そのまま担架に乗せられて、救急車まで運ばれている間の周りの声で、やっと状況を理解した。
意識を飛ばして、頭からぶっ倒れていたのだと。
そんな状況に陥ったのは、私のある【失敗】が原因であった。
話は2008年まで遡る。
就職して3年目。とある試験装置を1人で担当することになった。
部署のメンバー