子育て中の怒りにNVCを適用してみたら、怒りがわかなくなった
最近、自分の強みを生かして仕事をする上で、コミュニケーションスキルをより磨いていく必要があると考え、いろいろ勉強しています。
そのなかでいま学んでいるのが、NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)。
これが子育てでのアンガーマネジメントにも役立っているので、そのことを少し書きます。
子どもに怒るのをやめたい、子育て中のどなたかの参考になれば幸いです。
1.NVCとは
1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士が体系化し、提唱したコミュニケーション方法です。
人と人との本質的なつながりをつくるためのコミュニケーション方法と私はとらえています。
わたしはこの本を読んで、自分の抱えている課題の糸口が見えたような気がして、すぐに実践してみたくなりました。
私がこの本から特に学んだのは次の二つです。
以前、「7つの習慣」で、感情は自分が反応した結果であり、自分の反応は変えられる、というような記述を読んで、頭では理解できるけど、具体的にどういうことなのかがよくわからないな、と思っていました。
NVCも同様の主張ですが、このローゼンバーグ博士の本には具体例がいろいろ書かれていたので、「7つの習慣」に書かれていた、「自分の反応を変えるとはどういうことなのか」が腹落ちしました。
2.子育てでの実践
私は最近、3歳の子どもとの接し方に課題を感じていました。
子どもに対して怒りを覚えることが多くなっていたのです。
そこで、この問題に、これを適用してみることにしました。
(1)怒りを覚える子どもの行動
私が怒りを覚えるのは次のような行動です。
①わざと泣き
子どもは、最近自分の希望が通らないと、よくわざとらしく大泣きをします。
本気で泣いている時とは明らかに泣き方が違います。
②もじもじ
何かしてしてほしいことやしたいことがある時、もじもじしたり、聞こえないような小さい声で言ったりします。
(2)なぜ私はこんなにもいらだつのか?
子どもがわざとらしく泣くから。うじうじした態度をとるから?
NVCではこれは解ではありません。
問題は、なぜ「私が」これに対して怒りを覚えるのか。
私の内面で起こることについてです。
そこで、私はNVCの考え方をつかって、次のように考えてみました。
①なぜわざと泣きにいらだつのか
私は、泣いても何も解決しないことや、どうやって自分の気持ちを落ち着かせるかを、子どもに学んでほしい。
しかし、目の前の子どもは、悲しい気持ちと向き合うことを放棄し、自分の悲しさを周りにわからせたいとアピールしているように、私には見える。
私は、悲しい気持ちを誇張しても、解決にはつながらないことに、子どもに気づいてもらいたい。
しかし、泣いているとき、子どもは話を聞ける状態にない。
どうやったら子どもにそれに気づいてもらえるかがわからず、私は困っている。<感情①>
さらに、泣き声に限らず、大きな声はいつも私をパニック状態にする。<感情②>
だから、私は、このような不快な状態から一刻も早く逃げ出したい。
しかし、私はこの子の親であり、子どもの前から無責任に逃げ出すことができず、パニック状態はひどくなる一方。
②なぜ子どものもじもじにいらだつのか
わたしは、他人に対して、私に何かしてほしいことがあるのならそれを明確にして伝えてほしい、と考えている。
しかし、子どもは私に何かを察してほしそうにしているように見える。
私は、その様子から、子どもが自分の要求を自覚していると考えている。
それにもかかわらず、子どもはあえてはっきりと要求してこない。
しかし、これは、私が求めているコミュニケーションの形とは違うので、じれったい。<感情③>
(3)私は具体的に何を求めているのか?
⇒だから、私は子どもにどう対応したらいいか、具体的な方法を知りたい。<要求①>
⇒だから、誰か子どもを落ち着かせてほしい。そして私は静かな場所で一人で落ち着きたい。<要求②>
⇒だから、私は子どもに要求をはっきりと表現するように教える具体的な方法を知りたい。<要求③>
本来であれば、相手に対して直接具体的な要求事項を伝えることがゴールなのですが、3歳の子どもに対しては、大人に対する伝え方では伝わらないので、「それをどうやって伝えるかという具体的方法を知りたい」というゴールにしました。
こうやって分析してみると、自分の怒りをコントロールできるような気がしますし、また同じようなことが起こったときに対処できるよう、具体的な解決方法を考えることもできます。
(4)自分の要求に気づいて考えたこと
「わざと泣き」に対しては、子どもが落ち着いているときに、どうやったら泣くのをやめられるかと直接子どもに聞いてみました。
すると、お母さんにぎゅっとしてもらったらやめられる、と言いました。
これも一つの解決方法です。
ただ、私の場合はこれでは解決せず、
「しかし、それは私の存在を借りており、自分で自分の気持ちを落ち着けることにはなっていないと私は考える。」
という文が頭の中で続きます。
ただ、もう、解くべき問題はみえたので、育児本などで「わざと泣いている子どもにどう対応すればよいか」のヒントになるものをさがせばよいのです。
ちなみに、私はこれらのヒントを、こちらの「アドラー流子育てベーシックブック」の中に見つけ、「わざと泣いているときは目を合わしたり話しかけたりせず、ただ背中をさする」という方法を今試しているところです。
そしてなんと、わざと泣いているときはこうする、と決めただけで、怒りがわかなくなったのです!
本当に怒りって自分でコントロールできるんだ!
ちなみに、「アドラー流子育てベーシックブック」は、「子育ての目的は、子どもを自立した人に育てること」という視点で書かれた本です。
こちらのVoicyで、この本を翻訳された塚越悦子さんの対談を聞いて、自分が目指す子育ての形(子どもの自立を支える)に近い!と感じ、手に取りました。
この本は、わたしに、自分の子どもの接し方が独りよがりになってないかを確認するきっかけをくれます。
時々読み返したい本です。
3.おわりに
NVC熟練者からすると、このnoteに書いたような私の思考プロセスは、うまくないかもしれません。
でも、実践してみることで、効果や実践するうえでの課題も見え、ますますいろいろなところで実践してみたいと思うようになりました。
そして、怒りを覚える場面がへったことは、本当にうれしいです。
コミュニケーションやアンガーマネジメントについて考えられている方は是非お読みください。