E84: 手を、繋いだ
年始
私たち親子は、決して雪深くはないけれど、
かなり寒い街へ出かけた。
年々歩くのが負担になっている私と
歳を重ねて、足取りが弱々しくなっている母
所々、完全に凍った道を2人で歩くうち
どちらからともなく、
本当に、ごく自然に、手を繋いだ。
ああ、久しぶりだな…
はっきり記憶がある時から数えて
実に45年ぶりくらいだと思う。
昨年だったか、一昨年だったか
どなたかのnote記事に
「私、今なら母と手を繋げる気がします」
とコメントした。
近々、こんな日が来ることを
なんとなくわかっていたような気がする。
思春期の頃は
できるだけ母を避けた。
反対側を歩いたり、数メートル後ろを歩いたり…
別に母が嫌いではなかったが、
必要以上にベタベタされるのは嫌だったし、
「マザコン」というレッテルを周りから貼り付けられる事は、当時の私には耐えられなかった。
そういえば、「マザコン」なんて言葉
あまり言われなくなったな…。
母が老いること
自分もまた老いること
あの頃は
1ミリも考えていなかった…。
でも、今は思う。
私も50代。
母ももう、後期高齢者。
ちょっとでも、良きタイミングがあれば
いくらでも手を繋ぎたい。
こうして、優しく、柔らかい思い出が
積み重なっていくのならば
いくらでも手を繋ぎたい。
外はとんでもなく寒かったけど
少し嬉しそうな母を見ていると
決して悪くない1日だった。
その日は、
母の母=祖母=お揚げのばぁばの
(生きていれば) 100歳の誕生日……なんてことなら……ドラマチックなのだが、実際にはそんなにうまくいくはずもなく
正確には、
生誕100年記念日の次の日だったけれど…
まぁ、いいや…
楽しい散歩だったから。
私なりに、いろんなことを考えていた1週間でした。
遅くなりましたが、私のnote始めです。
今年も、大切に言葉を綴ります。
皆様、本年もよろしくお願いします。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?