後期高齢者の母が「携帯を変えたい」と言ったら、娘にふりかかるあんなことやこんなこと。
年末、母が携帯を変えることになった。
少し前から「携帯の充電がすぐなくなる」と1日2回聞かされ続け、耐えられなくなった私が「そろそろ変えますか…」と重い腰を上げた。
我が家は家族全員、携帯のキャリアが違う。
父はドコモ。
母はソフトバンク。
私はワイモバイル。
昔は全員ドコモだったのだけど、なかなかiPhoneが販売されなかったので(あの頃ほんと、頑なに出さなかったよね〜)私が最初にソフトバンクに抜けた。
そのあと、なぜかは記憶にないのだけど、母が私の家族割についてきた。
それ以来、母の携帯電話料金は私が支払っている。なんでやねん。
私は今ワイモバイルユーザーなので、家族割も使えるし(だって支払うの私だし)、電話番号変わらないし「ワイモバイルに変えるね」ってことで、乗換の手続きをすることにした。
二人でワイモバイルのお店に行けばよかったんだけど、前回の母の機種変時、スマホに入ってた写真が全部消えてしまうという事件があり「お店には行きたくない」と言うし、私自身Webで乗り換えしたし「Webで、ちょちょいとできるでしょ」と、スマホで手続きをすることにした。
ら。
これがまぁ、死ぬほど面倒臭かった。
母はもともと「シンプルスマホ」という高齢者用のスマートフォンを使っていたので、ワイモバイルの「かんたんスマホ」に乗り換えることにした。
ホームページを見ると、なんと1円!ラッキー!
助かるわ〜と思いながら、母ご希望のローズピンクを選択し「ソフトバンクからの乗り換え」を選択すると・・・
え?
21,960円?
なんで?
ページの隅から隅まで見ると、ありましたよ小さな文字。
「ソフトバンクからの乗り換えは対象外」!
もっと大きな字で書いといてー!
ぬか喜びさせんといてー!
ここで引き下がることもできず、手続きを進める。
母の名前や住所、そして契約者である私の名前、クレジットカードの番号を入力し、本人確認用の免許証の写真もアップロードした。
よし順調…と思いきや、次に現れたのは「支払名義人同意書」をアップロードせよという文字。
何それ。そんなんどこにあるの。
調べると、サイトからダウンロードして印刷して署名してそれをPDFで送れという。
え…めっちゃ面倒やん…
うち今、プリンタ故障中やねん…(謎の関西弁)
さらに進むと「家族割引サービス同意書」もアップロードしろという。
え、全然「Webでちょちょいと乗り換え」できないじゃん。
こうなったらと、ダウンロードしたPDFに、スマホのタッチペンで名前を書いてみた。すごい力技。しかもめっちゃ字汚い。絶対ダメでしょこれ。
と思いつつ、えいやと送信。
すると、1時間もしないうちに「書類に不備があります」とメールが来た。
力技の敗北。(そりゃそうだ)
仕方がないので、数日後、コンビニで印刷して必要事項を記入してもう一度送った。
「手続き完了したよ!おつかれ!スマホ送るから待っててね!(意訳)」というメールが来た。
やれやれである。
────────────────
数日後、21,960円のかんたんスマホが届いた。
ここからまた修羅場である。
なぜなら、このスマホを使えるようにしなければいけない。
基本的に、我が母はおんぶに抱っこ、自分でなんとかする気はさらさらない。
私がやるしかない。もう嫌だ。
同封されていた説明書を読みながら、SIMカードを挿して電話番号を移行したり、家のWifiに接続したり、住所録やら写真やらLINEやらのデータを移したり…
1時間半ぐらいかかっただろうか。
どうにか使えるようになった。
やれやれである(2回目)。
画面を見てもらうと分かる通り、これは1月1日のできごと。
新年早々、頑張ったわたし。
これで「充電がすぐなくなるんだけど」攻撃からは解放される。
平和な新年よ、おめでとう。
────────────────
あれから9日が経った。
平和な新年を迎えられると思っていたが、新しい攻撃がはじまった。
それは「ちょっと携帯の使い方が分からないんだけど」攻撃である。
「なんか変な画面が表示される」
「電話に出れない」
「LINEのスタンプがどこか行った」
「メールが送れない」
「電話帳の並び順が変わった」
「着信音が聞こえない」
えっとー、ひとついいかな。
私、携帯会社の人じゃないんだよね。
相手は80代の後期高齢者。
分からないのは仕方ない。きつく言っちゃいかん。
そう思うけど、私も聖人君子ではないので「ちょっとは説明書読んで、自分で理解してくれないかなあー!」と言ってしまう時もある。
そして言ったあと「あーあ、言っちゃったなあ」と、若干自己嫌悪に陥る。
でも、母は負けずに聞いてくる。
母は強し。
今日も朝から「メールアドレスが変わったって、山田さんに連絡したいんだけど、山田さんのアドレスってどこにあるの」と聞かれた。
さらに父から「スタバのアプリを入れたいんだけど、どうしたらいいんだ」と聞かれた。
「知らんがな」と言いたいけどそうも言えなくて、どちらも教えて使えるようにした。
おかげで今日はずっと人のスマホを見ている。
やれやれである(3回目)
────────────────
なんだか、高齢者と暮らすって、本当に大変だなって思う今日この頃。
特に最近は、いろんなものがデジタル化してきている。
母が通う病院も「今度から、予約はWebで」と言われたらしい。
(「Webとか分からんからやって」ともちろん頼まれた)
便利だけど、ついていけない高齢者は誰かに教えてもらうしかない。
我が家の場合は、私が一緒に住んでるから、どうしても私にふりかかってくる。
でも、正直、あれもこれもで大変だし、結構しんどい。
みんな、親の携帯乗り換えとか、どうしてるんだろう。
一緒に住んでなければ、放置できるのかなあ。