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共鳴*灯落して月の兎を跳ねさしむ

 灯落して月の兎を跳ねさしむ 岡田 耕
 月に映る影が兎の形に見えることから、古来月には兎が棲むとの説話が伝えられてきた。これは、日本に限らず特にアジアの国々に多く伝承されていると言う。
 掲句は、月を見ている自分の身の回りの灯を消して、見ている者の存在感をなくし、月の兎を自由に跳ね回らせてあげようというもの。家人が寝静まった頃に動き出す、くるみ割り人形の世界か。
 洋の東西を問わず子供は同じような空想の世界に遊ぶのであろう。子供の純真な空想の世界といえば、昨年の宮中歌会始での眞子さまの歌、「望月に月の兎が棲まふかと思ふ心を持ちつぎゆかな」こんな純粋な心の持ち主を誹謗中傷するとは、なんと日本人の心の狭小なことか。
 たまたま、この原稿を書いている今日ご結婚が正式に決まったとの発表あり。
 これ以降は静かに、温かく推移を見守って行くこととしたい。
(馬齢)

あひる句会報 令和三年九月号

☆過去の記事から

(岡田 耕)

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