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「七歳までは神のうち」と胎内記憶(後)

もう一つ、証言の例を挙げます。

娘が三歳のころ、不妊治療のすえに第二子を宿しましたが、流産しました。体調の回復に努め、次の妊娠に向け準備中、娘と一緒に入浴をしたあとのことです。娘がなんとも不思議な表情を浮かべてじっとしていました。
「どうしたの?」と尋ねると、「ちょっと待ってて。お母さんのおなかに、赤ちゃんを呼んでるから。」と言って、私の下腹部をじっと見ていました。
私は、その次の排卵で妊娠しました。妊娠反応が出たその日、またもや娘が不思議な様子になり、「お母さんの中に、男の子がいる。」と言ったのです。その男の子が現在二歳十一か月の長男です。

池川明『ママを守るために生まれてきたよ!』学研パブリッシング 2010年


この証言では、子どもが、宿る前の世界にいる「神」とコミュニケーションが取れているのです。
この証言は、日本以外でも、二千年以上前に同じようなことが言われています。
『新約聖書』に書かれているエピソードの一つ「受胎告知」の場面です。

受胎告知とは、一般に、処女マリアに天使のガブリエルが降り、マリアが精霊によってキリストを妊娠したことを告げ、またマリアがそれを受け入れることを告げる出来事のことです。

人が母のおなかに宿る前には別の世界があって、そこからやってくるという認識は、日本だけではなく世界でもあるのではないかという気がします。
 これだけの事例で断言できるものでもありませんが、もしそうなのであれば、「七歳までは神のうち」というフレーズも、人間の長年にわたる胎内記憶の証言の積み重ねがそうさせているのではないかと思うのです。

(岡田 耕)

*参考文献*(引用を除く)
七つ前は神の内 - Wikipedia
受胎告知 - Wikipedia
柴田純「〝七つ前は神のうち〟は本当か:日本幼児史考」国立歴史民俗博物館研究報告 vol.141, pp.109-139, 2008-03-31
柴田純『日本幼児史ー子どもへのまなざし』吉川弘文館 2013年
池川明『ママを守るために生まれてきたよ』学研パブリッシング 2010年

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