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初めはいつもマンガから

今回はD・カーネギーの「人を動かす」「路は開ける」を紐解きます。アドラー心理学に続き、初めはマンガからのコンタクト。これはどっぷりハマりそうな予感です。

もくじ
1 人を動かす基本とは
2 人の自主性の伸ばし方
3 これで道は開ける?

1 人を動かす基本とは

まんがでわかる◯◯・・・
いろんな本が出ています。全て注目しているわけではありません。
なんとなく気持ちが惹かれて、なんとなく手にとってみる。
アドラーの時も全く同じ。
今回はD・カーネギー。ずっと前から気にはなっていて、自分には縁遠い、ハードルの高い本だと勝手に思っていました。
これは、管理者の皆さんには必読書になる一冊になること間違いなしです。

心理学やアドラー心理学でも、人を動かすことは困難であり、自分を変えていこうとする考え方はむしろ常識的な考え方に定着してきました。

藤屋伸二 監修 まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」 宝島社新書 2019

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この本によれば、人を上手に操縦するための3つの基本原則が示されています。

①相手を攻撃して従わせようとしてはならない
②重要な存在でいたい・気持ちを満たしてあげる
③強い欲求を起こさせ、それを満たす方法を教える

先に、管理者の必読書と示しましたが、これを逆手にとれば、部下が上司に利用できる良い戦略、または通常の臨床で、担当が患者様に自主トレをやって頂くための戦略に利用できるかもしれません。

まず①ですが、周囲にこのような人は少なからず居るはずです。私もかつてはそうだったと認めます。自分が歳をとった分、年齢の若いいろんな人を観察していると、こういった傾向に一度は陥るのかと不思議にも納得してしまいます。
医療界では、「患者様」という守らなくてはいけない絶対的存在があるため、他者矯正をしやすい現状があります。先輩から後輩へ、役職者から部下へ、指導者から学生へ、医師から医療従事者へ・・・
批判や非難、嫌味や怒り感情を使って指導しても、感じはあまり良いとは言えないですよね。特に感情的になってはいけないし、嫌味ネチネチの指導も結構しんどいです。

②は、指導者側も組織においては、重要な存在でいたいはずです。これと同じように、学生も新人も、人はみなその場の空間において「必要な存在である」という状態でない場合、心が病んでくるはずです。戦略的にお世辞で褒めるのではなく、真心込めて誠実に自分の想いを伝えたいものです。

③は、現状としては少し難しい印象もあります。相手の利益を考え、能動的に利益を手に入れさせるように支援する。頭で理解はできても、最終的にその利益を「いつ欲しいのか」は、結局の所その人自身の問題となりので、今すぐ取り組ませたい指導者と、自分のペースで動きたい学習者の相互には、タイムラグがあるので、慎重な働きかけが必要になると考えられます。


2 人の自主性の伸ばし方

学生の時は一度は叱られる事でしょうか?
「自主的に・・・」「あなたは自主的に動けないの・・・」

言われてる方からしたら、ある程度の指示は欲しいし、勝手に動いたら返って叱られるかもしれないし。そう思うはずです。

指導者は、「なんでも気軽に相談して」ってよく言いますが、相談できずにモジモジしている学習者を見てどう思っているのでしょうかね。きっと、指導者自身の圧が強くて、それで話しかけにくいとは思っていないでしょう。「積極性がない。自主性がない。挨拶がない。」などと学習者のことを非難しがちです。

この本には、人を変えるための9つの原則を示しています。

①苦言の前に心から褒める
②直接的な批判をしない
③自分の失敗を話す
④命令をせず質問をする
⑤相手の面目を潰さない
⑥どんな小さなことでも褒める
⑦良い評価を先に与える
⑧長所を褒めて激励する
⑨喜んでやってもらえる工夫をする

いかがでしょうか。
ひとたび指導する側になると、ズバッと言ってしまい過ぎる人がいます。
この時本当に注意したいのは、指導なのか、指導しながら嫌味を言っていないか、相手の面目を潰していないかなどです。

その場では笑い飛ばしているように見えて、周囲も笑っているように見えて、気づいている人は気づいています。

なんか嫌だな・・・この空気・・・

上記の②と⑤は本当に注意が必要と思います。


3 これで道は開ける?

さて、究極のところ、この本の教えに従っていけば、「道は開けるのか?」というのが最大のテーマです。

きっとそれは不可能でしょう・・・

えっ!そんなこと言って大丈夫なの?と心配する人もいるかもしれません。

この本では、このようなことも示されています。

「悩みを克服するには思考の仕方が大切だというカーネギーの考えを紹介した。・・・。カーネギーの両親は客観的に見ても運に恵まれていなかった。・・・。両親は神の愛と保護を願い毎日お祈りをした。神の教えさえ守っていれば、すべてがよくなると信じ切っていたのだ。」

このような背景の中で育ったカーネギーは、本書でも特に宗教を勧めているわけではありません。しかし、考え方としては、精神的な拠り所の大切さは説いていると言えます。

理学療法士教育の世界では、昨今当たり前のようにエビデンスが重視されています。
教育管理分野においても然りです。多くの研究成果もあります。

時代が目まぐるしく変化している現代社会に於いて、忘れてはいけない何かがあると思っています。

臨床・教育・研究で悩み苦しみもがき続けている皆さんを救うものは何でしょうか。

精神的な拠り所をエビデンスにしても僕は良いと思っています。
むしろこの部分のエビデンスを整理し、自分自身の、そして多くの皆さんの「悩みの道を開ける」ようにしたいと考えています。

今日も僕は神に祈りを捧げます。


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