酔いどれNIGHT
”お酒”をテーマに詠んだどうしようもない酒カス短歌集。
「お酒好き?」に対する模範解答の「嗜む程度です」の"です"はDEATH
「とりあえず乾杯!」したら友達だ 人工味の気まずい炭酸
日本酒は好きな男に教わった 真澄くんならボトルでいるよ
終電を逃してもいい相手には酒が効かない だがそこがいい
華金の浮足立った有楽町 夜を溶かしてカシスオレンジ
アルコール分解速度は五分五分ね 気の利くセリフで勝たせてあげる
水みたいな顔して澄ます焼酎をイッキしてから開けた世界
おとなってずるいとおもう なにもかもおさけのせいにできるんだから
口実がほしいだけよね酒なんて ぼやけるネオンが遊園地みたい
ひと夏の恋に破れた人魚姫はビールの泡となって消えたの
失った記憶の数の多ければ人は誰かにやさしくなれる
正解はわからなかった 残されたソルティドッグの塩と同じだ
酔っちゃった私を俯瞰して見てる私のせいで醒める幻
お前さえいてくれるならもう何も望まないから鯵のなめろう
酒浴びて泣き崩れても冷蔵庫前の床だけ私にやさしい
自家製の天の川を吐き出して呪いをかける AM2:30
その店の真価のようでサングリア 赤く染まったくちびるを嚙む
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