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くっつき虫の色々 【奥入瀬 24/9/16】

9月も後半に差し掛かり、秋の奥入瀬渓流では
トチノキやオニグルミなどのナッツ類
ヤマブドウやサルナシなどの果実類
たくさんの実りが最盛期を迎えています。

これらは全て高い位置に生る実りですが、
足元の低い位置の実りも今が最盛期なのです。

今回の主役は遊歩道脇の実りたち。
この時期の足元の実りといえばくっつき虫。

衣類にくっつく特性を持った植物の種を
総称してくっつき虫と呼びますが、
そのくっつき方には実は色んな方法があります。

鉤爪タイプ

まずはオーソドックスな鉤爪タイプの種子。
これはウマノミツバの種。

小さなトゲが無数に生えていますが、
その先端が鉤爪状に曲がっていて
これが繊維によく絡みつくのです。

くっつき虫の代表格といえば、
私の中ではオオオナモミなんですが
皆さんはどうでしょう?

小学校の校庭で友達と投げ合って遊んだ思い出を
今でも鮮明に覚えています。

マジックテープタイプ

続いては扁平な形のコチラ。
ヤブハギの種。

マジックテープタイプと書きましたが、
仕組みとしては鉤爪タイプと同じ。

微細な毛がビッシリ

肉眼ではあまりわかりませんが、
拡大してみると毛がビッシリ生えていて
この一本一本が鉤爪状になってるわけです。

一昨年、ヤブハギが生えてることに気付かず
茂みに入ってえらいことになりました。

良き思い出

バカが入ってきたぜぇ〜!!と
ヤブハギたちは喜んでただろうな笑

ちなみにマジックテープのアイデアは
このくっつき虫たちの仕組みから生まれたもの。
ごぼうの種がキッカケだったそうな。


最後にもう一種類。
私の一番のお気に入り。

粘液タイプ

上記2種とは明らかに異質なコチラ。
これはノブキの種。

サボテンを思わせるユニークなデザイン。

肉眼で見ると緑にしか見えませんが
こうして拡大すると紫色の突起の先端に
黄色いポッチがついていることがわかります。
この色の組み合わせがいいんだよなぁ。

この黄色いポッチに粘性があり、
指で触った程度ではわかりませんが
衣類にはよくくっつくんです。

ビジュアルがちょっと虫っぽいので
気付いた瞬間、悲鳴をあげちゃう人も…笑

本来は毛皮を持つ動物がターゲットですが、
遊歩道を歩く人間が一番よく種を運びます。

私たちは今ぐらいの時期からニット素材の
衣類を身に付け始めますよね。

涼しいかと思ってニット着てきたけど
思いの外暑いから脱いで腰に巻いとこ。
なんてやっちゃったら一巻の終わりです笑

この時期の人間はけばけばした服を着たがると
くっつき虫は知ってるんじゃなかろうか…?

ノブキをたくさんくっつけた人と
すれ違う度にそう思うのです…。



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