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胞子を浴びる夜 【奥入瀬 24/10/15】

昨日の記事の最後の写真
森の色彩を愛でる写真のように思わせて
実はツキヨタケを写してありました。

ツキヨタケどーこだ?

正解は右下のあたり。

若いブナの立ち枯れに
びっしりと発生していました。

場所は遊歩道のすぐ側なんですが、
気付いたのは一段上の少し離れた車道から。

とてつもない存在感

車道の上から気付けるぐらいですから
近付くともっとスゴい…!

異様な存在感と同時に放たれる
ツキヨタケ独特のキノコ臭。
美味しそうな香りではないかなぁ…

辺りが暗くなるのを待って
いざ、発光撮影。

ボワァ〜ン

怪しく浮かび上がるツキヨタケ。

肉眼ではここまで見えないけれど、
ツキヨタケの発光で目の前の樹だけが
浮き上がって見えていました。

傘の裏表、両方が写るように撮ってみましたが、
裏側が強く発光していることがよくわかります。

この記事を書いている時に気付いたんですが、
樹の左側、真ん中ぐらいの高さに
緑色の点が二つ並びで写り込んでいます。

動物か!?と一瞬思いましたが、
多分ホタルの幼虫だろうな。


発光の強い裏側がよく写るように
下から煽りで撮影してみます。

ピカーッ!

一番上の個体が特に強く発光していて、
ほんとにピカーッ!って感じ。
これもやっぱり肉眼ではピカッとなんて
まったくしてないです。
でも発光の強弱はちゃんと分かります。


さて、発光してるのもいいんだけど、
別の撮りたかった画があります。

それは目線と同じか低い位置じゃないと
撮れない画で、今回のツキヨタケは
位置もばっちり、状態もいい!

カメラを適切な位置にセッティングして、
リモートで撮影できるようにします。

カメラに向かって逆光になるように
ツキヨタケに絶妙な角度で光を当てると…

ボファァァ〜

なんと、胞子が見えるのです…!!
紛れもなく目の前のツキヨタケが
大量の胞子を放出している…!

その大量の胞子を頭のてっぺんから爪先まで
全身で浴び続けながら撮影する私…

浴びたくて浴びてるわけではなく、
この距離での撮影はどうしたって浴びるんです笑


初めて気付いたのは一昨年だったかな。
暗闇での撮影なのでヘッドライト必須なんですが
どうもライトの光の中がモヤモヤして見える…

別に霧なんて出てないけどなぁ?なんて
不思議に思って目の前のツキヨタケを見たら
ちょうど顔面に胞子がブワッと…

オマエかー!!
え!?毒キノコの胞子って浴びて大丈夫!?
いや、浴びるどころか絶対100%吸ってるよな!?
1時間以上浴びながら吸ってたってコト!?

パニックになりつつも、
え?でもライトで見えるってことは
写真にも写せるよな…!?
と一瞬で恐怖が興味に切り替わったのでした笑

ちょっと前のツキヨタケの記事で
鋭意撮影中ですと言ってたのはこの写真で、
胞子の表情?をうまく表現したかったんですが、
この一枚以外は全然ダメダメでした。
めっちゃ難しい…!

別のキノコでもできるはずなので、
チャレンジが成就したら
また紹介したいと思います(^^)


ちなみに夜だから胞子を飛ばすのではなく、
条件が整えば日中も胞子を飛ばしています。

森の中を散策するのが大好きなそこのアナタ!
私ほど近距離で大量にでなくとも、
森を歩けばキノコなり苔なりシダなり
なんらかの生き物の胞子は浴びているはず。

みんな知らず知らずのうちに
胞子浴しているのです…。


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