樹をつつく鳥 【奥入瀬 24/2/22】
その名もキツツキ。
…の仲間です。
冒頭の写真の野鳥は、正式な和名を「オオアカゲラ」といいます。
赤いベレー帽が素敵。(雄の特徴。雌は黒い頭)
他にも、コゲラ、アカゲラ、アオゲラなどのキツツキの仲間達が奥入瀬渓流の森に暮らしていますが、共通して名前にゲラが付きます。
キツツキ類の古名である「テラツツキ」の省略形が転訛したものが習慣化したのではないか?と言われています。
テラツツキという名から連想できる通り、寺などの木造建築の壁をよくつつきます。
つつかれている音を建物の中で聞くと、かなり大きな音でビックリするんだとか。
いいなぁ、体験してみたい。
大事な住居をつつかれて穴を開けられてしまう当事者側だったら、そんなこと言ってられませんが笑
壁をつつくのは単なる嫌がらせではなくて、ご飯になる虫を探しているのだと思われます。
森の中では、キツツキが虫を探していたであろう痕跡がよく見つかるんです。
樹の足元に盛大に散らかる大量の木屑。
これは間違いなくキツツキ達の仕業です。
幹の中に潜む虫を探しています。
気になるのは、ここにいる!という確信を持ってつついているのか、それとも野生の勘なのか。
落ち葉をひっくり返す程度の労力なら大したことはありませんが、朽木とはいえ樹の幹に穴を開けるのには相当な労力を要するはず。
一生懸命につついたのに結局いなかったという徒労が頻発するようでは、ただ生きていくだけでも一苦労です。
確信とまではいかなくとも、7〜8割ぐらいの自信を持ってつついているのでは?と私は勝手に思っています。
調べてみた所、鳥類の多くは嗅覚が鈍いと考えられているそうですが、キツツキの仲間は他の鳥類に比べると匂いを捉える器官が大きいんだとか。
見えない所にいる虫を探し当てる為には、やはり嗅覚は必要不可欠ということでしょう。
キノコが発生している古い朽木に複数の巨大な穴があいています。
単独犯かしら?それとも複数犯?
この穴に対してどのぐらい食べることができたのかも気になる所。
冬の静かな森では、コツコツコツ…ガッガッ…と樹をつつく音がよく聞こえてきます。
さらに、もう少しして本格的な春がやってくると、虫を探す不規則なつつく音とは明らかに音が違う、コロロロロロロ〜ッと、森によく響き渡る音が聞こえるようになります。
恋の季節限定のドラミングという求愛行動です。
春になったら、渓流のせせらぎをBGMに、ドラミングの音や囀りのメロディなど、耳で楽しむ奥入瀬渓流をお届けしたいなぁと思っています。
上手くいくかはわかりませんが…
乞うご期待(^^)