しまなみ海道 因島の話
しまなみ海道を尾道側から数えると最初の島が向島。
で、その次の島が因島になる。
1950年代には40,000人以上の人が生活していたが、造船業の衰退などを理由に現在は23,000を割る状況だ。
隣の向島と比較しても直近10年で10%近く人口減少している。
ただ、本当に良い島であり魅力盛りだくさんなのもまた事実だ。もちろん向島もその他の島も魅力があるのだが、今回は因島の話をしてみたい。
お好み焼き
広島と言えばお好み焼きである。敢えて関西風だとか広島風だとかの論争はしない。不毛だから。
ちなみに広島のお好み焼きが広まったのは戦後である。
被爆したり戦地で働き手を失った未亡人が、子育てをしながら日々の生活費を賄う方法としてお好み焼きを始めたのが発祥だ。
だからお好み焼きのお店の店名は「⚪︎⚪︎ちゃん」という女性名を冠したものが多いのだ。
事の起こりから、広島風お好み焼きは旧広島市が発祥と考えて良いだろう。
それが伝播して広島県各地に広まったはずだ。
関西のものは作り方から全て違うので、どちらが元祖かという論争は無意味だ。美味ければなんでもいい。
閑話休題。
因島のお好み焼きの麺はうどんがデフォルトだ。
広島育ちの私にはそれは新鮮だった。もちろん広島でもうどんは入れるが、あくまでデフォルトはそばだ。
そして因島のお好み焼きはうまい。はっきり言って、しまなみ海道に来て因島のお好み焼きを食べないのは、あまりに勿体無い話だ。
因島にはお好み焼き屋さんが結構ある。正直、何処もハズレない。
ただ個人的に、故郷広島のお好み焼き屋さんの雰囲気が感じられる「お好み焼き 越智」さんが好きだ。
越智という名前は愛媛県今治市の豪族であった越智氏の流れを組むのだが、越智氏の子孫が広島のお好み焼きを提供しておられるという「広島と愛媛のシナジー」という観点からも、実にしまなみ海道っぽさを感じた。
土生商店街
土生商店街は私の大好きな場所だ。昭和の色を濃く残す空気感が堪らない。
越智さんのすぐそばには児玉製パンさんや一色商店さんもある。正直、かなり空腹で行かないと腹パンになる。
光洋軒
土生商店街から程近い因島総合病院に隣接する立体駐車場の一階には、知る人ぞ知るお店がある。
この建物に本当にお店があるのか?と不安になりながら入ると、光洋軒さんはある。
店内は広くないし、雑然としてるが気さくなお母さんがラーメンを作ってくれる。これがまた美味い。
雰囲気ポイントとか抜きで、単にラーメンとして美味い。
私は中四国のラーメン店を相当食べてきたが、明らかに平均値よりかなり上の味だ。是非立ち寄って欲しい。
テレビ塔
土生からグググと登っていくと地元の人しか行かなそうな塔がある。自転車で行くと、後半簡単にウイリーしてしまう斜度の坂だ。
そのテレビ塔からの景色は亀老山の景色に勝るとも劣らない。見るべきだ。
大山神社
そして、しまなみといえば自転車なのだが日本にも珍しい自転車特化型の神社「大山神社」があるのも因島だ。
日本広しと言えど大山神社ほど自転車特化した神社はないと言い切れる。
お守りの種類も多く、訪れるだけでワクワク出来る。
はっさく大福
他にも、はっさく大福を供してくださるお店も多く、個人的には「はっさく工房 まつうら」さんが好き。
美味しい!のは当然なのだが、お店の方の雰囲気がまたいいんだ。
「また来ます!」と自然に口から出てしまう。
因島は歴史があり、島のあちこちに古き良き歴史を感じるとともに今も暮らす人たちの生活と交わりながら楽しむ事が出来る。
また、ゆめしま海道へのアクセスポイントでもある。
フェリーを使って色んな島に移動出来るのも特徴だろう。
そしてしまなみ海道でぶっちぎりにキツい水軍ロードという外周もある。少なくとも初心者は避けた方がいいレベルに辛いので要注意だ。
遠方からしまなみを訪れる人たちには、多くの時間が与えられないのでメインルートを往復する事で精一杯だろう。
だが、もし時間的なゆとりがあるのならば因島をしっかり満喫するのはとても良い思い出になると思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?