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【基礎編】神経伝達物質のおはなし。(精神疾患)#10

こんにちは、yukiです。排卵期に入り今月は2日ほど眠たい病に襲われましたが梅雨の影響は皆無。低気圧どんとこーい、と調子に乗っています。晴れた今日は運動日和。この後、日課の2kmウォーキングと筋トレに出かけます。1年前、毎日運動なんて考えられませんでした。今苦しんでいらっしゃる方も、その苦しみには必ず終わりがやってきます。一人で抱えず、ぼちぼち、ともに回復していければと思いながら、本日のお題「神経伝達物質のおはなし」スタートです。

心をつくる伝達物質

生理前ってどうしてイライラするのでしょうか。(栄養療法で解決できます)女性のイライラにとばっちりを食らったことのあるパートナーもいらっしゃると思います。このイライラ、実は脳内の神経伝達物質「セロトニン」の減少が関わっていると言われています。セロトニンは精神の安定に関わる神経伝達物質で、別名幸せホルモンと言われています。このようにわたしたちの心の状態は脳内をめぐる伝達物質の種類と量によって決まります。

これまでに100種類を超える伝達物質が見つかっており、有名どころでいうとドーパミンやノルアドレナリンなど。伝達物質には神経を興奮させるアクセル、抑制するブレーキの2種類に別れます。

●主な脳内神経伝達物質
グルタミン酸=もっとも典型的な興奮性伝達物質。記憶のしくみに関与。
ギャバ=もっとも多量にある抑制性伝達物質。
ドーパミン=脳内に広く分布し、創造性や意欲、統合失調症に関与。
ノルアドレナリン=幸福感、不安、うつなど情動に関与。
セロトニン=覚醒・睡眠など生体リズムや情動に関与。抑制性。
メラトニン=セロトニンから作られる睡眠に関わるホルモン。
アセチルコリン=記憶に関与しアルツハイマーの治療薬として注目。
ヒスタミン=生体内で炎症、アレルギー反応、胃酸分泌、神経伝達に関与。

心の病

脳内の神経細胞がノルアドレナリンやドーパミンといった興奮性の伝達物質を大量に受け取ると、アクセル過剰になり、興奮しすぎてそわそわ落ち着きがなくなります。逆にギャバのような抑制性の伝達物質を大量に受け取ると、ブレーキがかかりすぎて気分が重く、やる気がなくなってしまいます。
「平常心」とは脳内の神経細胞の興奮度合いがちょうどいいことをいいます。つまり、興奮性の伝達物質と抑制性の伝達物質のバランスが取れている状態。

ストレスなどでこのバランスを崩してしまうことが、心の病に繋がると言われています。例えばドーパミンが過剰に放出されると、統合失調症に特有の幻想・幻覚などの症状があらわれます。かといって、不足しすぎると脳のコントロールがうまくいかず、パーキンソン病にみられる手足の震えなどの症状が出ます。

◆伝達物質のアンバランスによって発生する心の病

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うつ病とモノアミン仮説

セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンなどを総称してモノアミンといいます。これらモノアミンのうち、ノルアドレナリンとセロトニンがうつ病と関わっているとされるのがモノアミン仮説。精神疾患はあくまで原因がわかっておらず、モノアミン仮説を否定する論文も多数あります。ですが、PMSのイライラがセロトニンの減少と関わりがあることから全く関係がないとは思えない、というのが個人的な見解。ちなみに、セロトニンは太陽を浴びて、運動することでも増やすことができます。それではこの2つのモノアミンがどのようにつくられるのか、代謝経路をみたいと思います。

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どちらも体内では合成できない、必須アミノ酸からつくられます。代謝経路にはビタミンB群や鉄、銅など微量ミネラルも必要なことがわかります。タンパク質やビタミン、ミネラルが心の健康にも繋がっていそうですね。そこで栄養療法による治療を提唱し、たくさんの方が回復されているのがこちら、藤川徳美先生の著書「うつ消しごはん」です。

栄養療法体験談。

仕事のストレスと卵巣嚢腫の手術により、自律神経失調症が原因の慢性胃腸炎、PMSが深刻化。食事が取れず、天候に体調が左右され、まともに生活できなくなったとき、自律神経専門整体院の先生に、こちらの栄養療法を紹介いただきました。うつレベルのPMDD(月経前不快気分障害)も持ち合わせていたのですが、ビタミンB群、キレート鉄を服用して2ヶ月ほどでイライラが減少、その後ホエイプロテインを追加し、PMDDが綺麗さっぱり解消されたのでした。それだけでなく、プロテインでタンパク質から出来ている消化酵素がしっかり働くようになり慢性胃炎も改善され、今ではステーキ250gもぺろりと食べれるほど元気になりました。思い返せば、不調時の食事はほぼ糖質。こうして栄養について勉強すると、モノアミンに必要な栄養素が不足していたこと、また栄養療法で補えたことで回復したことも理解できました。もちろんストレスの原因を取り除くことも大切。詳しくはこちらの記事もご参考にしていただければ幸いです。

うつ病と遺伝子仮説

ちなみにうつ病にはモノアミン仮説の他に、遺伝子仮説もあります。遺伝子が全く同じの一卵性双生児と遺伝子が異なる二卵性双生児を対象に、一方にうつ病が発生したときにもう一方にうつ病が発生する確率を調べる研究の結果について。二卵性双生児の一致率20%に対し、一卵性双生児の一致率は50%という結果が出たのです。このことからうつ病の発生に遺伝子が関わっているという仮説が生まれました。また、X染色体とうつ病に関わる遺伝子が関係していることから、男性よりも女性の方がうつ病になりやすいことも確認されています。

補足:ヒトには2種類の性染色体(X、Y)があり、男性はXY、女性はXXの組み合わせを持っています。

You are what you eat.

「汝とは、汝の食べた物そのものである。」これは西洋に伝わることわざ。わたしたちの身体はどんな細部であっても、それを構成するものは元をたどれば食物に由来する元素、とおっしゃるのは生物学者の福岡伸一さん。であれば、エネルギー源となる糖質ばかり摂るのではなく、体の構成要素となる栄養素の摂取がとても重要です。これを機に、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルがどんな働きを持っているのか、振り返ってみるのも良いかもしれません。

病気、といえば何かと薬に頼りがち。もちろん薬が欠かせない病気もありますが、薬は症状を押さえ込むものでなるべく避けたいもの。であれば、予防医学の観点に立ち、普段の食生活から健康を維持することが大切だと思います。とはいえ元気な人が健康を気にかけることはまずないので、うつ以外にも何かしら不調に悩む方々に、この栄養療法にチャレンジいただければと思います。何も解決しなかった西洋系の病院巡りの果て、この栄養療法に出会えたご縁に感謝。コメントもお気軽にどうぞ^^

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<参考文献>
●生田哲(2011)『脳と心を支配する物質』
●福岡伸一(2017)『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』

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yuki
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