渋沢栄一の大阪
西の○○、東の渋沢
新しく改刷される1万円札の顔は、渋沢栄一に決まった。日本における資本主義の父でもあり、最近では社会事業家としての側面も注目を集めている。
実業界で華々しい活躍をした渋沢は、その活動の中心地を東京に置いた。そのため、東西両都の実業家を並べて称する際、必ず「西の○○、東の渋沢」と形容される。
西の○○の○○は、時代ごとに入る名前が変わる。明治前半は、ここに五代友厚の名前が入る。「西の五代、東の渋沢」といった具合だ。NHK連続テレビ小説「あさが来た」は明治期の大阪を舞台にしていたので、ディーンフジオカが扮する五代友厚にも注目が集まった。
しかし、五代は若くして死去。そのため、次の「西の○○」には、大阪で紡績業・金融業・鉄道業を手掛けた松本重太郎の名前が入る。「西の松本、東の渋沢」といった具合だ。恐慌によって、松本は事業の大半を畳む。そして、保有していた資産も手放した。また、松本も五代と同様に短命だったことから、「西の○○」の○○には、五代や松本以外の名前が入る場合もある。
「東の渋沢」は渋沢が歴史的な巨人でもあり、91歳という長命だったこともあって不動だった。
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