まだまだ素直で可愛いやつじゃ
咳をしている娘にマヌカハニーを舐めさせてみた。刺激的に甘かったのか、感動的に美味しいのか?ずっと飲み込まない。
そのままふわふわシーツに替えたばかりのベッドでピョンピョン跳ねる。
洗面所から見ていて危機感を覚え、「ゴクンしてー!」と言いかけた瞬間に口から出た。
やっぱりぃー。
隣にいた夫は「ワザと出したでしょ!」と怒った。いつもあまり怒らない夫が怒ると娘は怖いらしい。シュンとして洗面所にきて、私の足のあたりにまとわりつく(普段そんなことしない)。
こういうとき、どうしていいか分からない。
替えたばかりのふわふわシーツにベタベタを吐き出されたら、私だって怒る。でもこういうとき両親とも怒ると子どもは逃げ場がないっていうし、明らかにしょんぼりしてるし。目をウルウルさせて、自分が悪いと思ってるのかエーンと泣くことはせず、何も言わない。
「どうした、わざとじゃなかったの」
と聞くと、うんと頷く。
「唾多すぎて飲み込めなくなっちやった?」
うん。
「じゃあお父さんにそう言って、出しちゃったのはごめんする?」
…イジイジ。
めっちゃイジイジしてるんだけど!
私の部屋着のチャックを上げ下げし、袖のモコモコを触る。いつもはコレ!と持ってくる絵本を自分でペラペラ見たりしている。
なんて分かりやすい。
もう、可愛い。というか、いとおしい。
生まれたころは自分の動きすら制御できてなくて、2歳過ぎるまでほぼ喋りもしなくて、何を思っているか分からなかった。
そんな娘にイヤ!とか悲しい!とかじゃなく、こんなに複雑な感情があることがいとおしい。
でもまだまだ素直というか単純というか、「今落ち込んでんのね」みたいのがダダ漏れなのがいとおしい。
保育園で1番大好きなカオリちゃん(仮名)との関係も変わってきた。「きょうカオリちゃんにブロックこわされちゃった」とか「カオリちゃんギュってしてくれないからさびしいの」とか逐一教えてくれる。
こうしてひとつずつ、少しずつ、人間関係を学んでいくのね。そしていつか「自分はどうしたい」より「人からどう思われたい」が優ってしまったり、「なんか知らんけど親は疎ましい」とかそんな時期がやってくるのね。
果てしなく遠い将来な気もするし、あっという間な気もする。
夫と娘は寝る前に仲直りしたようだ。昨日も安心した顔でぐっすり眠ってた。
この半年、いやいや生まれて3年半、急成長の連続でびっくりすることばかりだけど、寝てる顔だけは変わらないなあ。