書籍【Work in Tech!ワーク・イン・テック!】読了
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◎タイトル:Work in Tech!ワーク・イン・テック!ユニコーン企業への招待
◎著者:森山大朗
◎出版社:扶桑社
各企業を転職で渡り歩く中で、どういうキャリアを築くことが効率的か、という著者の実体験が記されている。
あまりこういうことを真剣に綴った書籍はなかったのではないか。
この考え方は非常に面白いし、著者の実体験だけに十分説得力がある。
この通りのキャリアを真似するだけでも、生き抜く方法が身に付くかもしれない。
著者も語っているが、特別な才能を持っている人なんてほとんどいない。
様々な知識などは努力して獲得していく訳であるが、その努力の方法においては、効率的・非効率が確かにあるだろう。
そこを本書では「このやり方が効率的ではないだろうか」を示してくれている。
ある意味で「人生をどうやって戦略的に生き抜くか」という考え方を示しているのだ。
今後の未来を考えると、社会は劇的な変化に見舞われるだろう。
そんな変化にどう対応するかまでは、今の段階では正確なことは分からない。
しかしながら、ほんの10年20年スパンで考えると、この考え方はそんなに間違いではないだろう。
結局サラリーマン人生を考えると、10年20年が勝負みたいなもので、そこを超えたら自分自身の経験を活かして、様々な人生の選択を判断していけると思うのだ。
だからこそ、今この生き方をお薦めするのは、ある意味での社会人10年20年での最適解と言えるような気がする。
ものすごく単純な話なのであるが「急成長企業に身を置け」と著者は説く。
ただこれだけで、勝手に自分自身が成長していけるという。
これは本当にその通りだと思う。
意外とこのことに気が付かない人が多い。
不安定な時代だからこそ、安定的な大企業が人気だという。
よくよく考えれば、大企業こそ急激な変化に対応できなくて、苦しんでいるように見える。
安定企業だからと言って、生涯安泰ということは決して無いのである。
さらに言うと、安定志向の大企業に務めることは、自身の成長を考えると大きなマイナスになりかねないということなのだ。
安定しているだけに、誰でも出来そうな定型の仕事を定型通り行うことを求められる。
これでどれだけ成長ができるというのか。
著者は、急成長企業こそ、常に人材不足。役割を超えた仕事を求められるため、手を上げさえすれば若手でもドンドンチャンスが巡ってくるという。
これは私自身の経験と比較しても、理にかなっていると思う。
(私も急成長企業に身を置いたことで、自身の成長に大きくつながった実績がある)
単純な話、自分の能力を個人の努力だけで高めるよりも、急成長企業に身を置いた方が、周囲の環境が能力を高めてくれやすい。
急成長企業は常に人材不足であり、常に高い能力の人員を探している。
しかしながら、そんなピッタリな人員を外部から獲得することは簡単ではない。
結果的に既存社員の能力が多少低くても、その役割が抜擢されるというカラクリとなる。
年功序列が色濃く残る安定企業は、基本的にこれらのように若手が抜擢される機会はほとんどない。
そういう点からも、多少チャレンジの意味で、急成長企業に飛び込んでみることは良い事だと思う。
著者本人が語っているが、高学歴ということでも、英語を喋れたわけでもない。
プログラミングも社会人になってから獲得したスキルだ。
本書のように、英語・プログラミングは絶対に持っていた方がスキルだ。
しかしこれも安定企業に勤めて、時間外に個人の努力で勉強するよりは、急成長企業の中で揉まれて、「やらざるを得ない」という状況の方が習得は早いかもしれない。
泳ぎ方の理論を覚えるよりも、水に飛び込んでもがいた方が早く泳げるということか。
本書では著者の考え方を、様々な図解で示してくれている。
これらはすごく好感が持てる。
急成長企業こそルールや方法が確立されていないから、仕事を理論立てて説明したり、それらを図解で分かりやすく表現するスキルも必要となる。
案外「図や文章で誰にでも分かりやすく表現する」というのは、ものすごく難しいスキルなのだ。
もし自身のキャリアに悩んでいる若者がいたらお薦めしたい一冊である。
(2023/6/19)