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書籍【叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」】読了

https://booklog.jp/users/ogawakoichi/archives/1/B08NDM57JQ

◎タイトル:叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」
◎著者:ひろゆき(西村博之)
◎出版社:三笠書房


インターネットの進化で情報は溢れている。誰でもアクセスできる情報だからこそ、その取捨選択に違いが出る。
今は検索による履歴や、レコメンドによって、自分に都合のよい情報しか出てこないことを認識すべきだ。
まさにエコーチェンバー状態であるが、自分が本当に正しい情報にアクセス出来ているのか。
その情報は偏っていないのか。
それを検証しようにも、それこそネットで検索して検証していたら意味がない。
便利な時代だからこそ「正しい情報とは何なのか」を調べる方法が難しいと感じてしまう。
単純に「リテラシーを高めるべきだ」と言うのは簡単であるが、それではどうすればリテラシーが高まるのか。
それこそ、きちんと勉強して知識を得て目利きが出来るようになるのは最低限としても、ある情報については、証拠となるデータが存在するのか、裏取りまで行ってみることだ。
そういう姿勢の積み重ねが大事なのだろうと思う。
各テーマで著者が持論を述べているが、その通りだと感じてしまうところが多い。
つまり主張に説得力があるのだが、データで示す以外でも、自身の経験も含めて裏付けがあるからだ。
「仕事においては、能力よりも何をどこで始めたかが大事」だと言う。
結局は、競合が少なくて、先行者利益にありつけそうな仕事に身を置けば、それなりに稼げるはずだという話である。
確かに頭が良いからとか、仕事ができる(きっと「人より作業が早く正確に出来る」という意味)とかは確かに重要でないのかもしれない。
この思考回路は、今までの学校教育で固まってしまったような気がする。
ついつい我々は80点よりも85点の方が優秀だと思ってしまう。
(これは確かに正しいのだが)
すでに80点なのに、85点を取るための努力は、感覚的にだが、30点から80点にする努力よりも大変なはずだ。
だったらその教科に固執せずとも、悪い点の他の教科があるならば、それを80点にする努力をした方が効率的かもしれない。
それとも、もしかすると超好きな教科であれば、80点を100点にする努力は苦にならないかもしれない。
こういう部分に早めに気が付いて、受験戦争を効率よく戦略的に戦った人もいたと思うが、いざ社会人になるとその「効率よく戦う方法」は否定されがちだ。
なぜか「ズルをしている」と思われてしまうのか、効率よくやろうとするだけで怒られたりする。
そもそも「効率よくやる」が「生産性を高める」ことなのだから、仕事において否定される理由は全くないはずだ。
それなのに、昭和世代の意味不明な方々は理不尽を振り回すし、昔の価値観を平気で押し付けて来る。
無駄な作業だと思ってもそれに従わないと怒られる訳だから、性格のよい真面目な優等生ほど非効率な仕事の方法を覚えてしまうという悪循環に陥る。
そもそも「効率的なやり方」を学べる環境にないので、年齢を重ねてベテラン社員になった頃には、すっかりダメな社員になっている。
本書内ではMeta(旧Facebook)CEOであるザッカーバーグ氏の言葉も引用されていた。
「Done is better than perfect.」(完璧を目指すよりまず終わらせろ)
これは本当に耳の痛い言葉だ。
私自身も今の会社に入社したのは30年以上前であるが、結果よりもポーズや努力の姿勢を求められた。
変な話、誰がやっても結果はそこそこ出る仕組みだったから(景気が良かったということか)、そこではない部分を求められたのだ。
今思い出しても全く理解できないし、その時代からキチンと足元を見て、結果にこだわって仕事をしていたら、もっと会社は変わっていたのではないだろうか。
とにかく「思考停止の前例主義」は即刻廃止したいが、今動いているものを止める、もしくは軌道修正するのは本当に大変なことだ。
これほど慣性の法則が強く働くものなのかと感じてしまうが、自分も身に染みついた理不尽なことに、気が付かず続けている可能性だってある。
もしそうだったとしたら、本当に恐ろしい。
「正しい情報」に基づいた真実とは何なのか。
やはりインターネットで検索しても良い答えは出てこないのかもしれない。
(もしかすると、自分にとって都合のよい答えはレコメンドされて出てくるかもしれない)
そういう意味では、価値観の異なる人、違う角度から物事を見れる人、知識の豊富な人と議論することはものすごく大切なことだと思うのだ。
そこを嫌がらずに、議論を交わしてみることだ。
何も論破する必要はない。論破されたからと言って悔しがる必要もない。
そもそもの目的が、自分自身の新しい視点を手に入れることであれば、それを達成することの方が重要だ。
自分自身の凝り固まった固定観念を変えなければ生き残れない。
本当にそう思っている。
(2023/12/16土)


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