びっくり!マルクス思想とマルクス主義は違う?あぶない思想と思われる誤解
マルクスと聞くと危険なイメージを持ってしまいがちです。
ソ連やスターリン主義、 #冷戦 構造の中での共産主義の暗いイメージが強くありますが、これはマルクス主義のことを指しています。
#マルクス主義 、これはマルクスの思想とは別のものだと最近知りました。
マルクスは #共産主義 の思想の基盤はつくりましたが、 #社会主義 のような、生産手段の国有化については、一度も主張したことはないのです。
では、マルクスの思想とは何なのか。
マルクスが目指した理想的な社会とは?
気になったので調べてみました。
マルクス思想とマルクス主義は別なもの
マルクスは #資本論 の著書として有名です。
この本の内容は難しい表現が多くなかなかわかりにくいです。マルクスの資本論についての解説動画があります。
この動画をみてびっくりしたことがあります。
#マルクス主義 という言葉はよく聞きます。
これはマルクスの思想とは別のものとのことです。
マルクス主義は、マルクスは著書の #資本論 #共産党宣言 だけでなくマルクスに影響を受けた人の解釈も含まれています。
マルクス主義にもいろいろ流派があって、レーニンの解釈を織り交ぜたマルクス=レーニン主義が主流派と思っていいとのことです。
たしかに #マルクス =レーニン主義 は高校で覚えました。調べると、これも #レーニン の没後に生まれた言葉だとのことです。
マルクスと聞いてなんか #危険なイメージを持ってしまいがちですが、それはマルクスの思想というより、マルクス主義のことを指しているということです。
マルクスは社会主義を唱えていない
マルクスは #共産主義 の思想の基盤はつくりましたが、 #社会主義 のような、生産手段の国有化については一度も主張したことはありません。
マルクスは著書 #共産党宣言 のなかで「我々の歴史は階級闘争の歴史だ」といい、資本主義社会のつぎに共産主義社会が到来することを宣言します。
生産手段を国家が管理したり、みんなで共有すれば階級差はなくなります。
では、どうやって産業革命後の資本主義で共産主義社会を実現させるかというと「労働者みんなで一致団結しよう」という方針です。
マルクスは共産主義にしたいけど一気に実現させるのは無理があるから「段階を踏んで共産主義を実現しよう」みたいなことはいいましたが、国有化しよう!社会主義だ!ということはいってはいないのです。
マルクスの文献は、マルクスの死後もたくさんの人が読み、いくつもの解釈がうまれるなかで「共産主義の前に社会主義国家を設立せねばならない」という解釈がうまれました。
こうして国家が #生産手段 を所有する #社会主義 という理念が認知されるようになったというわけです。
20世紀のマルクスの読まれ方というのは、ソ連のスターリン主義にどっぷり浸かってゆがめられたものであり、本来マルクスが考えていた思想から乖離しています。
社会主義国家のつくりかた
2つあるといわれています。
一つは暴力革命というやり方です。労働者が一致団結して暴力によって社会秩序を転覆させようという乱暴なやり方。 #ソ連 建国をもたらした #ロシア革命 がこれにあたります。
日本共産党はなりたちとして社会主義国を目指すところからはじまっており、レーニンがつくったコミテルンの日本支部となっていた時期もあったため乱暴な考えをついでいるとしてみられています。
もう一つは労働者政党が頑張って権力を獲得し、社会主義政策を打ち出すというやり方です。
ただ #計画経済 のようにみんなが同じ給料ならサボります。
サボらないように労働者に過酷なノルマを課した #スターリン 体制もつづきませんでした。
労働生産性の低下と企業経営の効率性低下が酷くて社会主義国家は失敗しました。
共産主義は実現不可能なのか
マルクスは「労働者は資本家によって搾取されている。革命を起こそう」といいました。
この資本家って誰のことでしょう。
現代は資本家なき資本主義といわれています。
この動画主は、資本家vs労働者の構図が成りたたないといいます。
労働者を騙して搾取することだけ考えている資本家が本当に存在するのかも疑問だし、マルクスの時代の労働者といまの労働者は違い労働者も豊かだといいます。
#フランシス・フクヤマ 著「 #歴史の終焉 」という本でソ連の解体と冷戦の崩壊によって共産主義は敗北し、#資本主義 と #民主主義 が完全に勝利したと宣言しています。
動画主は、資本主義の中身が大きくかわったことと社会主義国家の失敗から共産主義の実現は不可能と結論づけています。
果たしてそうでしょうか。
マルクスは労働者が生み出した剰余価値は資本家のみに蓄積していき、労働者に還元されることがないとしています。
剰余価値を高めるために、大規模化し生産性を高め、自由競争をした先に待ち受けるのは独占だとしました。
いまは0.1%の富裕層の独占状態になっています。
独占が進むと、労働者は悪い労働条件でも他に働き口がないので飲まなくてはいけません。
低所得労働者は貧しいままで、富裕層はますます資本を蓄えます。
そして、資本主義はその富裕層を支える鬼の仕組みになっています。
30万部突破で話題の『人新世の「資本論」』
#斉藤幸平 さんの著書「 #人新世の資本論 」はマルクスの「 #資本論 」にもとづいたタイトルです。ここまでマルクスについてしらべたのは斉藤さんの著書がきっかけです。
#気候変動 問題は #経済成長 を目指す #資本主義 をつづけているかぎり解決できない。だから #脱成長 を目指した #新しい社会システム にしなければならないと説いています。
その解決の糸口が晩期 #マルクス の思想にあるといいます。
斉藤幸平先生はこのままの #SDGs や #クリーンニューディール でいくと、 #クリーンビジネス をやろうとした企業やそれを先取りした国家だけが利益を先取りして、最終的に気候変動はとまらず、安全な施設や安全なエリアに富裕層の人たちだけが逃げ切って終わるだけの #ディストピア が待っていると著書で説いています。
#ハーバード大学 の政治学者 #エリカ・チェノウェス さんは市民のうちの3.5%による非暴力的方法で社会を動かすことができた例があるといっています。
0.1%の富裕層の好き勝手ができることを見直すことのできる新しい社会システムに変えられるように、我々は無力であるということを自覚したうえで、もう一度、勉強して声をあげてみませんか。
//////
2021/6/9追記
//////
2021/6/11追記