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【目印を見つけるノート】587. 地域のことばが好きなんじゃ

いやあ、いいですね。朝ドラ。
岡山が舞台で甲本雅裕さんがお父さん役。
「何の話をしよんなら」がもう、いい響きです。
あと、世良公則さんがカフェの店主役。これもたまりません。
岡山と広島(福山)のご出身ですから、はまり役ですね。今回のドラマは主人公から三代の女性記で舞台もじきに移るようですが、岡山編は特にじっくり拝見しようと思います。
関係ないのですが、さっき撮った写真も混ぜていきます。

私は小説の勉強も兼ねて、地域のことばをよく聞くようにしていますが、もともと好きなのでしょう。旅行や仕事で日本の都道府県を九割がた訪問したことも大きいと思います。未踏なのは秋田・鳥取・徳島・宮崎です。はい、ゆっくり伺いたいと思います。

私の父は札幌で母は大分の出身です。私は東京以外に住んだことがありませんが、気づかないうちに双方の言葉を使っているようです。例えば、「ありがとう」のイントネーションは完全に北海道らしい。指摘されるまで気がつきませんでした。イントネーションは他も北海道寄りかもしれません。あとは「なげる」ですね。「これ、なげといて」は「これ捨てておいて」ということです。普通に使っていました。

以前、タクシーに乗ったとき、運転手さんにどこの出身か尋ねられました。
「東京です」
「いや、出身よ」とさらに尋ねられました。
運転手さんは青森のご出身で、私の話し方を懐かしいと感じられたのだそうです。北海道には青森から移住された方もいたでしょうからイントネーションは通ずるものがあるのかもしれません。自分のルーツを思い、不思議な感動を覚えました。
父のご先祖は山形の足軽の尾形さんだそうでそこから北海道に行きました。それだけの情報で庄内藩にいたのだろうと推測できました。ルーツを探すのは楽しいです。それだけで小説が書けるかもしれません。

もとい、上記の例は、
書くことばではなく、聞いて覚えたものです。ことばはまず聴覚から入ってくるものだということです。朝ドラの地域ことばも聴覚で入ってくるからウキウキするように思います。

例になりますが、
「なんでわしばっか見とるんじゃいやぁ」
「……好きじゃから……見てしまうんよ」
(語法の間違いはご容赦ください)
これを文字で見ても十分ドキドキできますが、音で聞いたら卒倒してしまうかもしれません。ヒューヒュー😙
もちろん、
「どうして、僕のことばかり見るんだよ」
「好きだから、見ちゃうの」
でもトキメクことはできますが、ちょっとよそ行き、ありふれた感じかな。視覚だけではちょっともの足りなく思えます。
YouTubeで合成音声の動画が流行っています。標準語なら面白おかしく聞ける(最近、その口真似をするのが趣味です)のですが、地域のことばをやったら少し白けるかもしれません。
「なまらはんかくさいこといってるんでねぇ」
(合成音声の真似をしてみる)
今に完璧な地域言葉を再生できるようになるかもしれませんので、多くは語らないでおきましょう。

言葉も人を表す大切な要素です。そして自分のアイデンティティを守る盾でもあります。ドーデーの小説『最後の授業』を引くのも何ですが、「明日から母国語を話したらいけない」となったらどうでしょうか。地域のことばと母国語では大いに異なる点もありますが、聞いて覚えたことばは揺りかごのようなお母さんの温もりのような、その人と切っても切り離せないものだと思うのです。

もちろん、郷に入れば郷に従えということわざもありますので、スウィッチしたりチェンジするのもありだと思いますが、みんながみんなのことばを大切にしたら、それはとても豊かで幸せなことだと思うのです。

今日の曲は上記に書いたことの対極を行くなあと。色彩視覚的に刺激的な動画です(初見の方に念のため)。
cosMO@暴走P『初音ミクの消失』

20代前半の方は懐かしいのではないでしょうか。7~8年前、この曲の早口部分も含めLouさんのおともだちはカラオケでフル歌っていたのです。それを見て驚愕していました。この曲をソシュールが聞いたらどう思うかなと考えたりもしました。
パロールの解体?
あ、よくわからないのに書いています。
実験的でとても興味深く聞いた記憶があります。

私は浅学ですが、このようなとっかかりはボルダリングのホールドとスタンス(埋まっている石)のようにたくさん配置しておきたいと思っています。いつでも登れるように。

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

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