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【目印を見つけるノート】1328. メルセデス・セブリアンさんのイベントに行ってきました

書き終わりました。
33話で本文150,494文字(改行空白除いて)。脱稿というのですね。あとは登場人物の項目と参考資料を添えれば完全終了。それは12月中にしますので、もう少しお待ちくださいませ。

広島県福山市の町を作るお話です。
どうぞ、お知り合いに福山の方がいらっしゃったら紹介してつかあさい。
『福山ご城下開端の記』

そんな今日、福山城の紹介記事が😍
タイミング❤️引用します。

書き終わってまずしたこと、福山八幡宮のお守りに手を合わせました。
ありがとうございます🙏

他にもよもやま書きたいのですが、後日にします。
気づけば射手座のタームに入っていました。私は12月3日生まれの射手座で永井荷風、種田山頭火、ジョゼフ・コンラッドと同じです。だからどうというのではまったくありませんが、どの方もある意味「越境する方」ですので、方向的に光栄です❤️
玉ノ井でも青い山でもイギリスでも😊
(写真家でも二人同じBirthdayの方が📸)

さて、きのうの続きです。

『ヨーロッパ文芸フェスティバル』のプログラムのひとつ、スペインの作家・詩人・翻訳家のMercedes Cebrián (メルセデス・セブリアン)さんの対談を観覧してきました。対談のお相手はInstituto Cervantes東京のVíctor Andresco Peralta館長です。

※メモ取り下手ですので、誤りや順番、趣旨違いがあるかもしれませんが、どうかご容赦ください。

あらかじめ、スペイン文学のおさらいを。
セブリアンさんも新世代の作家の1人として登場していますが、小説、エッセイ、紀行、詩、翻訳など多彩なお仕事に取り組まれています。

そして、セブリアンさんのamazonの著者ページ

ちょっともどかしいのです。
日本で翻訳が出ていないので、ご著書を読むことができない。スペイン語に通じていないばかりか、英語で本を自然に読むのも難しい、という「自分のスタンス」がもどかしいのです。これは根本的な問題ですので、また別に書きましょう。

対談のテーマは『生きるとは書くこと』です。本当は質問と回答なのですが、ほぼ時系列で私が感じたテーマごとにまとめます。🎧は私の感想です。

◆好奇心

好奇心がとても旺盛な方なのだなというのが第一印象でした。

🎙️「ここまでどうやって来たのか」という発題。
トルコ航空の飛行機に乗ってきました。現代だからできることで昔の人なら船で3ヵ月かかります。また、どうして会場で話すことができるのか。マイクや機器があるからです。そこに人類・技術の進歩を見て驚きを感じます。
当たり前に見て経験しているものすべてに「驚き」を持ち、ものを考えることが書くうえでも大事です。

🎧自分も好奇心が多少あると思っていましたが、まだ足りないな。セブリアンさんのSNSを後で拝見しましたが、興味の範囲が広くてしかも独自視点です。脱帽です。私も好奇心大王(なんじゃそれ)を目指そう。

◆時をとどめる感覚

🎙️アーティスト、創造する人はその時間を確保するために決断する必要があります。人はいつか死にます。人生の時間を創造に多く使うためには、他のことに使う時間を減らさなければなりません。
一日は過ぎたら元には戻せません。
来日して、神保町のホテルに滞在しましたが、古書店街などを見てノスタルジーを感じました。初めて日本に来たという感覚、それは最初の数日間だけです。その数日間も過ぎたらもう取り戻せません。
スノードームに雪が舞うさまのように、風景を中に閉じ込めて伝えようとするのが芸術です。アマチュアの日記でも、作家でも同じです。

🎧時間は私にもとても大きなテーマです。スノードームに時間をとどめておくというのはキラキラなイメージだと思いました。

◆ミッション

🎙️書くための技術は書きながら覚えます。講座や本などもありますが、書き方は人生の中で修得していきました。時間は限られています。1日7時間は寝て、自分のバッテリーを充電しなければいけませんが、それで書く時間は減ります。パンタレイ=万物は流転するというヘラクレイトスの言葉がありますが、同じですね。
自分の望むミッションがあります。私のミッションは言葉を使います。音楽や絵画なら違うものを使うでしょう。自分が世界で体験したことを、自分の視点で紹介します。そして、個人の体験は限定的なものであることも理解しておかなければなりません。

🎧書くことをミッションだと捉えていること、自分の視点を持ちつつも、それを限定的なものと承知しているーーいわゆるバランス感覚が持てるといいと思います。熱いけれど冷めているというような。どのように柔軟な風にしていてもガチガチに凝り固まっていることもありますから(自戒)。

◆翻訳の問題

🎙️スペインはEUに加盟していますが、ラテンアメリカも含めたスペイン語圏という意識はあってもヨーロッパ人という自覚があまりないです。ですので、『Spain is different』などと言われたりします。
突然結婚して大家族になったイメージです。

(作家にとって翻訳がハンディキャップにならないかという問いに対して)
大きな問題です。科学は数年で文学を通訳できるようになるでしょうか。私は翻訳しにくい内容のものが好きです。平明に訳しやすいものを書く人もいます。ですがノーベル賞の選考も英文のものしか読みません。ですので翻訳はないよりもあった方がいいです。
また翻訳は儲けにならないです。1wいくらで計算されます。『ハリー・ポッター』などでしたら大きな収入になるでしょうけれど。

🎧翻訳がその価値のある本に付くのが一番いいと思いますが、システムが難しそうです。翻訳者の報酬もそうですが、何か橋渡し役としてもっと重要に扱われたらいいのにと思います。詩限定なのですが、私も「この方の訳がいい」というのが少なからずあります。
参考に読んでみました。

◆外国を旅する視点

🎙️旅について書いたものも多くあります。各国のお祭りも体験しています。ベオグラードに1ヶ月滞在したこともありました。セルビア語は難しいですね。本をスペイン語で読んでいただいたのですけれど、読者はなかなか没頭できませんでした。
すべての人と繋がれるわけではありません。私が聴いた声は限られた人のものです。そうすると旅日記も読みづらいものになったりします。私は自分の国スペインをもとに書きます。人は自分の国のバックグラウンドで書くものです。自国で変わっていると思っても、その国では常識かもしれません。

例えば、西洋人として着物が好きなどと言うのは私には気持ち悪いのですね。自販機でホットとアイスが出てくることには驚きました。日本ではいつも温かい緑茶が出てくると考える人もいますが、それはない。そのような期待を持ちちつも、見たものを書くしかないのです。

🎧ここでもセブリアンさんの主観的な目と客観的な調整のバランスを感じました。あらかじめ持っている自分のイメージを意識して、現実に見たものをどう咀嚼するのかという方法でしょうか。それをナチュラルに使いこなせたらいいなと思います。

◆消費社会と美の追求について

🎙️(Marta D Riezu(スペインの作家)の『Agua y jabón』(石鹸水)という本を挙げられた後で)
エレガントなものとして、日常生活の目立たない小さなエチケットのようなものですね。人間のあり方のひとつの側面です。
以前、目からうろこが落ちたのですが、アフリカやアジアの写真の展示会を見たときです。2000年前の装身具、イヤリングや宝石がありました。陶芸も装身具から興りました。実用性だけではなく、昔から人は美を追求してきました。消費ばかりではないのです。
21世紀の現在、こんなにも多くのものは必要ないのかもしれませんが、居心地のいい人に囲まれたいと思うのと同様に、そのようなものを置きたいのです。
コロナ禍があって、たいへん考えさせられました。黙示録的な恐怖ですね。人がバルに集まるようなことがなくなって、Amazonをはじめ、1クリックですべて済ますようになってしまうのだろうかと思いました。やはりバルで集まりたいですし、1クリック(のみの世界)はいらない。
日本で万年筆売場を見ましたが、ガラスケースに展示されて博物館のようでした。DaisoやSeriaにも行きました。Daisoの歌を覚えましたよ(歌う♪)。東京にはいろいろな音が溢れていて、それを聴いています。音楽からも学びます。お店に入ると人々が何を求めているのか一目瞭然です。スケジュール帳がまずあって、その数の多さに驚きました。スーパーの陳列もそうです。新聞や社会論文よりもいい勉強です。メトロの駅もホームのメロディ音が違う、トイレが清潔、構内の印鑑屋さん、スタンプも押しました。そうやって記憶に留めていきたいのです。
日本は驚異もありますが小さなものへの配慮が行き届いています。

🎧本当にいろいろなものを観察されているのだと脱帽しました。SNSでは老人ホームの広告や納豆もアップされていました。

それから、スペイン語圏のアルゼンチンやペルーは移民受け入れによって多様性が進んでいるというようなお話がありましたが、人名がジョゼフ・コンラッドしか分からなくて、すいません🙏

最後にセブリアンさんはご自身作の詩を二つ朗読してくださいました。お好きだというキウイの詩、そしてローマが大好きということから、もしローマで復活したらという詩です。私は、詩は原語がいいなと思ってイヤホンを外したのですが、していた方がよかったかな🤔

対談が一区切りして、「職人(artesano)についてどう思われますか」という質問がありました。セブリアンさんはローマ・エウル通りの四角いコロッセオのところにある「イタリアは職人の土地だ」という言葉を引かれて、
「スペインの職人の格も上がるといいですね。ロエベはスペインのブランドだけれど、ドイツ人の名字からとっています。職人ということでは19世紀のウィリアム・モリスもアートをデザインとして日用品に取り入れています。そのような職人技はなくなりつつありますが、日本のように大切にしてもらいたいですね」と締めくくられました。

メモがね、不完全なのです😭
ですので、こちらも不完全でしょう。
それでも、書いてみました。
書き終えるというのは大事なことだと思っています。
もし、大きな思い違い、小さくても間違いがあるようでしたらお知らせください。恐縮ですが日本語でいただけますとたいへん助かります。

あ、いちばん心に響いたのは、
「文学は世界によいものをもたらすものです」という言葉です。
Mercedes Cebrián さん、
Instituto Cervantesさま、
素敵な時間をありがとうございました。
Gracias. Estoy feliz.

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

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