見出し画像

【目印を見つけるノート】1196. 夕暮れ野川は武蔵野の果て?(4)


きのう区切ってもよかったかもしれないこの連載記事ですが、今日まで書こうかなという感じです。
あ、その前に、
note公式の#お出かけ まとめマガジンに入れていただいたとのことです。
おでかけ 記事まとめ|note旅行・おでかけ #note

ありがとうございます。

この記事4回分はマガジンにしましたので、通してご覧になられるときはこちらからお入りください。

ニコタマ辺りで野川に出会って、そこから書いているわけですが、実に奥の深いテーマだなと今さらながら思います。

夕暮れ野川。

武蔵野はどこからどこまでか。
どこまでか、については昨日概ね見当をつけたので、今日はどこからかについても触れてしめくくりたいと思います。

まず、この本を。

この本は武蔵野というくくりではなく、『東京近郊』となっています。国木田独歩さんは武蔵野を「郊外」と捉えていましたが、自然の趣あふれる場所という意味で江戸の郊外をあたってみようかと。書いたのはお武家さんにお勤めの方ですね。今でいうなら、お散歩エッセイでしょうか。
この方は近郊を西・北・東・南と分けて書いています。列記しますね。現在の自治体名はさわが付け足しました。

[西郊]
大国魂神社(府中)/長命寺(練馬)/井の頭(三鷹)/成子成願寺・熊野十二社(中野)/小金井・府中街道/小日向道永寺・柏木村円照寺・桜のつと(新宿)/石神井(練馬)/藤稲荷(新宿)/大宮八幡宮(杉並)/代々木八幡(渋谷)/高田村天満宮・上高田村仙元塚(豊島・新宿)/遅野井村八幡宮・善福寺・井草妙正寺池(杉並)/百草道・高幡不動尊(日野)

[北郊]
吹上観音(和光)/川口善光寺/中山道・大宮/谷中(台東)/新曾(戸田)

[東郊]
国府台・真間(市川)/半田稲荷(葛飾)/小金の牧(松戸・柏)/綾瀬・千住(足立)/隅田川(墨田)/真間・中山(市川・船橋)

[南郊]
大師河原(川崎)/愛宕・白金・八景坂(港・大田)/羽沢氷川・渋谷八幡(渋谷)/上目黒/明王院(目黒)/丸子・戸越(大田・品川)/瀬田村・九品仏(世田谷)

以上、『江戸近郊道しるべ』(村尾嘉陵著、阿部孝嗣訳)講談社学術文庫 より目次を部分引用、一部加筆。

江戸の人もパワースポット、もとい、寺社巡りが好きだったんですねぇ(感心)。
ちなみに、基本徒歩(かち)立ちで健康的(感心)。千代田区から日野まで小旅行で歩いて行くのですか。私にはできません。次の日仕事ですよね。
この本は旅ブログのような体裁で書かれています。ご自身のルートと見たポイント、行き先の由緒や特徴などなど。さぞかし江戸の読者を得たでしょうし、今なら売れっ子ライターになれるでしょう。
お武家さんですが😅
副業っぽいのがなおいいですね。

著者の才覚に唸った上で……江戸の郊外というのは今よりもはるかに都心寄りにあったことが分かります。新宿も渋谷も池袋も白金も郊外です。
最も遠いエリアを見ると、日野・大宮・柏・川崎となっていますが、これも千葉方面以外は武蔵野の枠に重なるように思います。さすがに狭山や入間まで気楽に行くのは難しかったでしょう。

江戸時代は今より武蔵野が内側にあって面積もその分広かったということかもしれません。

また、川のことを書きましたが、この本を見ていると「寺社」の自然も保護されてきたサンクチュアリなのではないかと思いました。
寺社まで含めるのであればもう少し武蔵野を都心寄りにできるのかな。途切れ途切れにはなりますけれど。

江戸時代を含め「ここまで」を振り返ったところで、
「ここから」の話をします。
書いていて、
埼玉はもう「完全に武蔵野だ」と言い切ってもいいのではないかという考えになります。畠山重忠さんも喜ぶと思います(なぜかを説明するとたいへん長くなるので割愛します)。

数年前ですが、入間と所沢に続けて行ったことがあります。人生でもあまり経験のないことでした(行く機会をくれてありがとう)。
鎌倉時代を書いてもいましたので、「ああ、ここが入間……」と思いました。東京のベッドタウンになっているエリアですが、まだ緑が……って、ゴルフ場がとても多いです。ゴルフ場がダメということはないのですけれど、バランスが大事ではないかと。

そのように考えて地図を見ていたら、
あ❤️
トトロの森があった。
入間にまあまあ近い狭山丘陵(所沢市)に『トトロの森』が点在します。ナショナルトラストの形で環境保全に取り組まれています。イギリス発祥の活動で土地を買い取ることで自然を保護するのです。
丘陵ではありますが、あの映画で見られる自然は国木田さんが想定された『武蔵野』のように私には思えました。

トトロの森のサイト

自然は能動的に守る必要があるということなのですね。最近神宮外苑のニュースでも思ったことです。
ものの喩えですが、
それでないと、今に国道16号線の内側に武蔵野はなくなってしまうかもしれません。

いい頃合いかな。
4日も書くとは思わなかったです。
『武蔵野』と『東京近郊道しるべ』をたよりに書いてきました。ありがとうございます。

この辺りでお開きにしましょう。

今日の曲です。 
R.E.M『Find The River』

私は海や川が好きだと時々書いていますが、波なり流れがあるからかもしれません。水は動くのが常態のものです。コップに留めておこうとしても空気に触れれば蒸発したり、腐ったりしてしまう。
川は割とどこにでもあるものですが、それが当たり前にあると思っていたりします。実はそうではなくて、流れるままきれいに保つことはとても難しいことなのかもしれません。

皆さまの原風景にはどのような川がありますか。

それでは、お読み下さってありがとうございます。

尾方佐羽

#エッセイ
#ブログ
#日記
#7月
#武蔵野
#武蔵野考
#川
#東京の市
#野川
#多摩川
#江戸時代
#武蔵野台地
#国分寺崖線
#トトロの森
#埼玉
#フィールドワーク
#発題
#郊外
#音楽
#REM
#FindTheRiver
#毎日note
#noteの書き方
#日々
#学び
#書くこと

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集