
【目印を見つけるノート】1786. 美しい文章にはほど遠く
今日、イベントだと思って告知をよく見たら、休館日でした。捲土重来、出直します。

さて、話題を違う方へ。
私は『SALUS』という東急グループのフリーマガジンをよく読みます。そこで間違いなく必ず目を通すのが、巻末にある佐治晴夫さん(理学博士)の『宇宙のカケラ』というエッセイです。
ご専門の宇宙を見る視点で人間を考えるーーというテーマで毎号書かれていますが、物理から文学や音楽までたいへん幅広い引き出しをお持ちです。引き出されたものは文章の中で生き生きとお役を務めています。どこかから借りてきたような気詰まりはありません。身になっている言葉です。
本にもなっています。
何より素敵だと思うのは、文章から受けるイメージがとても美しいことです。美辞麗句ではありません。シンプルなのに美しい。
御齢90歳の先生を見習いたくて仕方ありません。
美しい文章を書く。
それは常に心がけたいのですが、
エッセイの場合、どうにもさっさと次の話題に飛んでしまう癖があります。あれもこれもと欲張ってしまうようです。一気呵成にまくし立てるのがどうにもいただけません。行間は置いていますが、隙間がないのですね。
美しい云々以前の問題かもしれません。
例えば、
このような女性の発語があるとします。
「おゆかりさま、わっちはあそこへ行くとどうにも、胸のこの辺りが締め付けられるように苦しゅうなるのでありんす。金輪際そんなこといいなんすな」
同じ内容で言い換えます。
「あなたには申し上げておりませんでしたが、わたくしはあそこへ行くと悲しくて居たたまれなくなるのです。どうか行けとおっしゃらないでください」
もうひとつ。
「あそこに行くとね、笑うようにはしているけど、まだ本当はつらいんだよ。だからちょっと……」
さらに。
「えー(永遠の沈黙)」
えーと、だいたい同じような意味だと思いますが、ニュアンスはだいぶ変わります。同じことを何種類も形を変えて書いてみると、自分が、あるいは小説ならば登場人物がどう言うのがもっとも適切だろうと考えたりもできます。
これは自分の練習のためにやっていますのであしからず。普段あまりしていない……ああ、前に一回やってみたぐらいです。
と、ひとつの意思を表すにもいろいろな書きようがあります。それをどう最も効果的に響かせられるかというのが、思案のしどころですし醍醐味だとも思います。それは会話文だけでなく、全部に言える。「文体」ということです。
エッセイや随筆は練習にうってつけかと思いますので、noteでたまにやってみます。

今日は早稲田のオープンカレッジでしたが、その話は明日にします。買った本だけは挙げておきましょう。グランド坂下の古書店は開いていなくてちょっと残念でした。そういえばイベントもですが、入試の採点期間は大学に入れないのでお休みになるのですよね。
あちゃぱ。
「あちゃぱ」の語法は……🤔
✏️はコメントです。
・『元禄世間咄風聞集』(岩波文庫)
✏️元禄の風聞って見たくなります。元禄。
・『砂払』山中共古(上・下)岩波文庫
✏️総目録でチェックしていまして。見たら買うと自動的になりました。
・『下谷叢話』永井荷風(岩波文庫)
✏️江戸の学者さん&荷風先生。漢文がどうも弱いですし😰

・『田中正造翁余録』島田宗三(上・下)三一書房
✏️昨年末、渡良瀬遊水池を歩きましたのでゆっくりと学ぼうと思って。幾種類かあった中でこの本は全体を見られるのでいいと思いました。いつか書くつもりは……あるかもしれません。
・『谷中村滅亡史』荒畑寒村(岩波文庫)
✏️上記に同じです。荒畑寒村さんというと菅野すがさんな私です。
実は小さい頃から日本史でいちばん関心を持って見ていたのは、大正デモクラシーの頃なのです。リアルに人を感じましたので。おばあちゃんの生まれた頃ですし。
・『華山・長英論集』(岩波文庫)
✏️この角度からはあまり見ていませんでしたので。
早稲田の冬講座は今日で上がりです。
講座の話は明日も書きますが、高田馬場~早稲田の古書店巡りもいったん休憩です。本当に楽しかったなあ。今日は五十嵐書店さんで北園克衛さんの小さい本が売っていて、めちゃくちゃ欲しくなりました。
「いつもありがとうございます」と言われてくすぐったくなりました。
古書店巡りはまだ続きそうです。
古書店のメッカ、神保町へは会社から歩いて行けますので、フフフフ😏
予算次第です。
あれ、美しい文章はどこへ?
それでは今日の曲です。
Simon & Garfunkel『Bridge Over Troubled Water』
ここのところ、お祈りというかお願いをし続けていていたりします。滅多にそういうことはしないのですけれど、ふっとこのような曲を聴きたいなと思ったりします。
とても美しいと思います。
どうか静かな夜と穏やかな昼を。
それでは、お読み下さってありがとうございます。
尾方佐羽
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