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【目印を見つけるノート】596. ひなたで書いています

けさは久しぶりに『16世紀のオデュッセイア』を読み返していました。

今のところ、自分の書いた小説の中ではいちばん長いですね。143万字になりました(連載中)。ペースは遅いです。他の書き物と並行してつどつど書いていますので、年ペースでは35万字ずつぐらいですね。全体の半分ぐらいになったのかなあ。だいたい、思っているより長くなるのが常ですので、300万字がひとつの目安かと思っています。

それぐらい長くなることが当初からある程度は分かっていましたので、書き始めるかは悩みました。書き終えられるだろうかと思ったのですね。ですのでざっくりと2、6~7章部分のダイジェストを書いて以降数年そのままにしていたのです。

書き終えられるかは今も分かりませんが、習慣にはなりました。とはいえ、当初は週に2回更新していたのが、1回になりました。ちょっとずれ込んだりもしています😅
「ゆるく続けている」という感じです。
もうすぐ10章が終わりで、11章は来年からスタートする予定です。

4年書いていますので、トピックスがいくつかあります。

フランシスコ・ザビエルのお話を書いているときにフランシスコ教皇が来日されたことが一番ですね。
フランシスコ教皇長崎訪問時のニュース(FNN)2019

ザビエルのお話については独白のスタイルを取りました。
客観的に書くと聖人伝あるいは伝記になるからです。聖人伝ならばもうきちんとあります。私はキリスト教について学んでいますが、信徒ではありませんのでそのように書くことは選べませんでした(根源的な意味で信仰はありますが、宗教には属していません)。

そのような試行錯誤をしていた中で、ザビエルと仲間が創立したイエズス会、そこから初めて選出されたフランシスコ教皇が来日されたというのは、巷間いわれたように30年に一度ではなく私には500年に一度と言ってもいいことでした。広島や長崎では広く人々に、平和の大切さや核廃絶について言葉を述べられました。アッシジの聖フランチェスコの祈りの言葉も引かれていましたね。
感動しました。


書いていくうちにキーパーソンになっていたのは、ミケランジェロ・ブォナローティです。
ミケランジェロの描いて造るあの筋骨隆々な感じが今ひとつ得意ではなかったのですが、作品と人をずっと見ていたら、まあ、何て人間的なのかと。情熱家で社交性がなくて(!)美に対して誰よりも真摯な姿に打たれました。ルネッサンスという言葉をそのまま体現している人だと思います。

書き始める年と翌年に、ミケランジェロの作品にじかに触れる機会がありました。
『レオナルド×ミケランジェロ展』2017(三菱一号館美術館)


『ミケランジェロと理想の身体展』2018(国立西洋美術館)

これらを見たのはたいへん大きかったです。

前者ではふたりの芸術家のデッサンや手稿がたくさん展示されていましたが、人となりを理解するたいへんな助けになりました。ここでは特に、ミケランジェロのデッサンと手紙、レオナルド・ダ・ヴィンチが小説前半の主人公のチェーザレ・ボルジアを描いたとされるデッサンに強烈な印象を受けました。デッサンは動画にも出ています。

後者では特に、展覧会の目玉でもある『アポロン・ダヴィデ』像が強烈にカウンターパンチでした。手を伸ばせる距離でミケランジェロの彫った痕跡が見られたのです。背面には彫った状態で整えていない部分もあって、感動しましたね。その人が生きていた証だと思えたのです。

このふたつの展覧会で、私の中でミケランジェロという人が息を吹き返したような気さえしたのです。この展覧会がなければ、ミケランジェロを書けたかどうかわかりません。

イタリアの部分で最も面白かった人物はニッコロ・マキアヴェッリでしたが。

他にも隠し玉的なインパクトはいくつかあるのですが、まだ秘密です。
前半にあった「プレゼント」は上の二つです。自分では奇跡だと思っていますが😊それがあるから今も書けているのかなと思います。
いや、書いていてもいいのだという気になるのです。
本当に感謝してもしきれません。

中間報告でした。
イタリアに行きたいなあ。
陽光まぶしい場所へ。そんな願いも込めて。

FRANK SINATRA『On The Sunny Side Of The Street』

それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

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