つくってみよう!事業計画 MSLウェビナー#4
事業計画は、なんのために、だれのためにつくるのだろう?
法律には答えのない問いに、弁護士 千葉先生が答える。
また、一昨年起業された 財務コンサルタントの白木先生やゲスト 会計士の米崎先生にもご意見をいただいた。
南森町スタートアップラボさんによる、ウェビナー第4弾、スタート!
事業計画の定義とは、なんでしょう?
なんと…全部まちがい?
= 会社法に事業計画の定義は書いていない。
(※)会社法…会社の設立、組織、運営、管理などについて定めた法律
だれかに「事業計画をつくってください。出してください」と言われたとき、同じ「事業計画」という言葉でも実は互いに意味していることが違うときがある。
ただ、事業計画は自分のやろうとしているビジネスがスタートアップなのか、スモールビジネスなのか、外部からの資金がいるのか、いらないのか、そういうビジネスの骨格の部分をつくる。
税理士 仲田先生とフリーランスの方向けの財務コンサルタントの会社を経営されている白木先生より、実際に作成された事業計画を見せていただいた。
本記事で掲載することはできないが、作成する上で大切にされたことを2つ教えていただいたので紹介する。
1つ目は、会社としてどういう社会課題を解決していきたいかというビジョンに重きを置いたこと。
会社でやっていることは事業計画を書いた当初と今では大きく変わっているが、根本のビジョンのところは全く変わっていない、とのこと。
2つ目は、会社として目標を決めることは大きいということ。
高校野球で「みんなで甲子園行こう」と決めると燃えるのと同じで、会社にとってそういうことは必要。
事業計画書の中で数字も戦略も大事だが、みんなを引っ張っていくために、会社の掲げる目標を明文化することはもっと大事。
白木先生はこの事業計画をスタートアップになろうとしてつくったわけではない、とおっしゃっていた。
そもそも、スタートアップとは何なんでしょう?
実は、「スタートアップ」の定義はない。
しかし、共通理解として以下の2つがある。
1つ目は、世の中を変えるような新しいプロダクト、またはサービスを試みようとしていること。
2つ目は、事業上のキャッシュフローだけに頼らない事業計画を立てていること。
「スタートアップ」とは、アメリカのシリコンバレーが発祥。
革新的なサービスを開発するための費用を会社の外から持ってきて、最初は数年赤字でも構わず、一気に立ち上がる。それがスタート+アップ。
事業計画をつくる前に、あなたがつくろうとしているのは、そもそもスタートアップなのかどうかの自己分析が重要。
漠然とスタートアップだと思っていたが 実はそうでなかった場合、スモールビジネスには必要のないものをつくってしまったり、ベンチャーキャピタルとの面談をしてみたりと徒労になることも。
実は、「スタートアップ」に当てはまる会社はそんなに多くないのかも…
どれも合っているといえば、合っている。
しかし、自分のためにつくるのが事業計画。
人に見せる必要はなく、今から起業というリスクの高い選択をして進んでいくための航海図、羅針盤のような存在。
開発はハードでお金のかかる行為であるため、事業計画をしっかり詰めてから、最後にグッとアクセルを入れる起業家が近年多い。(リーン・スタートアップと呼ばれることがある)
(多分…!笑)
ビジネスを作り上げることを学校でがっつり学ぶ士業はない。(そのため、コンサルタントや外注でつくると売っている人の能力やノウハウにはかなりばらつきがある…)
事業計画をつくるのは、起業家であるみなさん。
みなさんがやろうとしているビジネスはそれぞれ革新的でこの世にないもので、それについてもっとも時間をかけて、考えて、分析しているのはみなさんだから。
事業計画というと、財務の5年分の表(=中期計画)みたいなイメージがあるかもしれないが、それは最終的に出力される結果にすぎない。
それをつくることが目的ではない。
だれとビジネスをやるのか、なぜあなたがその人と一緒にやることで夢が実現できるのか、ここは外せない。
しかも、そのパートナーに株を持ってもらった場合、将来仲間割れをしてしまっても その株を取り上げることは法律上非常に難しい。
また、株を持っていなくて純正な従業員として雇い入れた場合であっても、日本では基本的に解雇ができない。
人を慎重に選び、複数人で起業するとこんなメリットも…!
ここで、ゲストの会計士 米崎先生に質問!
(※)「ありません」とおっしゃっても、会社のバリューや内部共有用のビジネスプランはしっかりつくられている。それらが人に見せられる成果物になってないだけ…!
繰り返しになるが、事業計画は人に見せなくていいので、無限に変更してOK!
ちなみに、白木先生は毎月数字を修正しているそう。
事業計画の提出先はいろいろあるが、それぞれポイントは?
白木先生より
必要なのは、数字的な計画。
作り方は第6回目のウェビナー(https://user.billage.space/events/5f83efba8e3e23f96b818aa9)で。
米崎先生より
必要なのは、ガチガチの事業計画。
ベンチャーキャピタルの方は提出された事業計画をもとに「この会社にはこれだけ投資してもいいかな」と決める。
そのため、ちょっと背伸びしてがんばったらできます、くらいの確度の高い計画を出す必要がある。
第7回目のウェビナー(https://user.billage.space/events/5f83f06e8e3e23f96b818ab2)では、現役のベンチャーキャピタリストをお呼びして、そのあたりのお話を根掘り葉掘りお聞きする。
仲田先生より
補助金の趣旨に合った計画が必要。
そのポイントはまた第8回目に(https://user.billage.space/events/5fc70f4027062bde797cecc9)
補助金を取りに行くための実務的な回。
事業計画は、自分が自分の起業を成功させるためにつくる、羅針盤のような存在。
それは世界でオンリーワンなことなので、だれか 先生に頼んでできることではない。
その答えはどこにも書いていないため、努力するしかない。
スタートアップでも、スモールビジネスでもそこは端折れない。
また、提出する先によって、提出する内容も変わっていく。
まずは、ご自身のビジネスがスタートアップなのかどうなのかをよくよく分析してください。
事業計画の勘所は「人」。
一緒にやる仲間を変えることは非常に難しいので、だれと一緒にやるのかも計画の中に組み込み、進めてみてください。
次回は、基本的な財務のこと。
決算書とは?貸借対照表とは?損益計算書とは?
それらのポイントを税理士 仲田先生にみっちりお話しいただく。
Twitter:@msl_osaka
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