見出し画像

雪のかたみ

空から 雪が流れてきた!

果敢なげな ほほえみを

陽にむけた まっ白い雪は

まよいなく 凍った甃にふりそそぐ


冬の景色に 寂しくたたずむ

枯木のあいだをぬって

さやさやと 風がすぎて行く

雪溶けのにおいをはこびながら……


大地へ かえってきた雪は

すぐに消えて行ってしまう

その足跡をのこすこともなく!


しかし 哀しくも 優しい 雪の声は

たしかに こころに響いてくる

唇にのこる 甘く 冷たい 感触とともに……


2022年1月29日作品


一言コメント

 今作もソネット形式で、雪の流れる様子を詠った作品になります。流れる雪は積もるような雪と異なり、目を離すと直ぐにその姿を消してしまうため、果敢ない美しさが強く感じられます。そのような果敢なさを可能な限り表現してみました。
 ちなみに、積もるような雪よりも風花のように直ぐに消えてしまうような雪の方が個人的には好みです。ちょっと手に触れると熱で溶けてしまうような雪は、果敢なさと繊細さが感じられるので。尤も、雪が積もると朝から雪かきをしたり、早めに家を出たりしないといけないのが面倒臭いという日常生活に関わる問題もありますが……。皆さんは雪をどう思いますか?

宜しければサポートをお願いします!