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江古田十条 ekoda jujo
2020年10月28日 06:34
光が強ければ強いほど影は濃く黒くなり光源を見ることは叶わず光の差す方角に背を向け足元に現れたひたすら暗いだけの影を眼下に眺めることしか出来ない視覚が完全に奪われることを覚悟して光源を見つめ続けることこそが生きることだと言われれば私はもう生きていないのかもしれないが日々濃く黒くなり続ける影を視界の片隅に認めながら俯き決して光源を直視せぬように牛歩の如くゆっくりと歩を進めるこ
2020年10月9日 09:27
後悔しているその感覚だけが鮮明具体例を挙げようとしても咄嗟には出てこないあの時ああしてればあの時あんなことしなければなんであんなこと言ったんだろうなんで何も言えなかったんだろうもっとやりたいようにやればよかったもっと想いを伝えればよかったこの道を選ぶべきじゃなかったあの道を選んでいれば人生は常に2択で必ずどちらかは正解でどちらかは不正解2択を当て続けて正解だけ
2020年10月5日 06:56
睡眠という言葉や概念がまだ存在しなかった頃1日一回いや1日という単位すらない頃ある一定の時間的間隔で自分の意識が途切れて夢の中へいや夢という概念すらない頃今でこそ私たちが認識している夢と現実の境界のようなものは当然なく夢と現実は切れ目なく地続きで一塊の世界として存在していたのだろうその時代において睡眠は死であり死は永い睡眠であり覚醒は蘇生であり蘇生は束の間の
2020年10月4日 07:19
私が空気になりたいと言った時のフッと鼻で笑ったあなたの顔が忘れられない私が砂になりたいと言った時の訝しげに眉間に皺を寄せたあなたの顔が忘れられない私がもう消えたいと言った時のまだそんなこと言ってんのかと怒りを滲ませながら言ったあなたの顔が忘れられないその時々には分からなかったことも今なら少しは分かるんだよあなたの態度や言動の理由も意味も誰
2020年10月2日 08:30
呪詛の言葉を吐きもしくは書き連ね憎き誰かを呪うたとて呪うた後で彼の人がどうなるかを眼前で見届けることが出来ないなら到底叶うことのない願いや祈りとさして変わらぬではないか決して許せぬ彼の人を呪うた後で厄災が降り注ぐのを見届けるために片時も忘れることなく追いかけ想い続けるなら慕情に取り憑かれた恋煩いとなんら変わらぬではないか好意も悪意も決して届くことがないと知った
2020年10月1日 09:05
バス停の前のベンチが濡れていた少し前に降り出した雨のせいだろう屋根はあるにはあるが小さなバス停の小さな屋根であるそれほど大降りでなくても横からの雨にベンチを守りきれなかったようだ少し疲れていたから座りたかったのに屋根 頑張れよ冗談 冗談屋根があるだけありがたい