光が強ければ強いほど
影は濃く黒くなり
光源を見ることは叶わず
光の差す方角に背を向け
足元に現れたひたすら暗いだけの影を
眼下に眺めることしか出来ない
視覚が完全に奪われることを覚悟して
光源を見つめ続けることこそが
生きることだと言われれば
私はもう生きていないのかもしれないが
日々濃く黒くなり続ける影を
視界の片隅に認めながら俯き
決して光源を直視せぬように
牛歩の如くゆっくりと歩を進めることは
生きることではないのかと
牛よりも鈍重な思考と共に
日々をただ耐え忍んでいる
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