睡眠

睡眠という言葉や概念が
まだ存在しなかった頃
1日一回
いや
1日という単位すらない頃
ある一定の時間的間隔で
自分の意識が途切れて
夢の中へ
いや
夢という概念すらない頃

今でこそ私たちが認識している
夢と現実の境界のようなものは当然なく
夢と現実は切れ目なく地続きで
一塊の世界として存在していたのだろう

その時代において
睡眠は死であり
死は永い睡眠であり
覚醒は蘇生であり
蘇生は束の間の覚醒であったろう

生と死の線引きを
少なくとも人間の世界においては
言葉が司っているのなら
私たちは
言葉によって死に
言葉によって生きる
存在ということだろうか



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