江古田十条 ekoda jujo

自作の詩や日々の出来事を書いています。

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最近の記事

なぜ

目の前に何もない 何の物体も 何の生物もいない 何の脅威もない 怯えることは何もない 目の前に何もない 何の希望も 何の絶望もない 何の展望もない 無い未来に怯える なぜ? おかしい 目の前に虚空がある ただの虚無が ただの未知がある ただの未来がある ただの未来に怯える なぜ?

    • 鳴る石

      鳴る石を眺める コロコロコロコロ音が鳴る 軽くて可愛いらしい音 何が入っているのだろう 鳴る石を突っつく カラカラカラカラ音が鳴る 小さくてなんだか乾いた音 たまに震えて揺れている パリン!パリン! と音がして 周りを見渡すと 人が何人も倒れている よく見ると倒れた人の頭が石になっている ふと鳴る石の方にふたたび目をやると 石は粉々になって砂のようになっていた 倒れている人達の頭の石も同じように 次々と砂になっていく 突然吹いてきた強風に その砂が舞い上がる そ

      • 去私

        私から去っていく私を ただ見送るだけの私を 遠くから眺める私に 言葉にならないほど 微かな声で別れを告げる私の 私に対する異常な執着を 私から去っていった私は ただ見送るだけの私よりも よっぽど理解していて 私が私から去っていくことでしか 遠くから眺める私が救われないことに 随分早くから気づいていて 助けを求める代わりに 別れを告げることしかできない私に どうにか救いの手を差し伸べるために 私から去っていくことを決めたのだと いまだに私に異常に執着し続ける私は 人生最期の日に

        • クライネ

          小さな絶望 小さな希望 小さな諦め 小さな前進 何もかも小さい 故にどこにでもある 何もかも小さい 故にいつまでもいる 埃を落とすように 手でいくら払っても しばらく宙を舞った後 また元に戻る 埃が降り積もるように 小さな小さな不安が 暗い暗い私の世界に 澱みのように溜まっていく 先行きは不明瞭 暗いね それ以上に性格が 暗いね

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        • 詩集
          161本
        • エッセイ集
          36本

        記事

          終わり

          終わる季節 終わる時間 終わる世界 終わる命 傷口は今も 滴る血を 生々しい痛みを 探して 終わる苦悩 終わる嫉妬 終わる怨嗟 終わる心 傷口は既に 淡い痣に 懐かしい悲哀に 変わって 終わりがすべてを溶かす 許しも救いも 終わりがすべてを攫う 心も体も

          名前を付けられないために

          名前を付けられないために なんでも知ってるふり なんにも知らないくせに なんでも知ってるふり なんでも知ってる豚 なんでも知ってる鳥 なんでも知ってる猿 なんでも知ってる神 なんにも知らないくせに 名前を付けられないために なんにも知らないふり なんでも知ってるくせに なんにも知らないふり なんにも知らない豚 なんにも知らない鳥 なんにも知らない猿 なんにも知らない神 なんでも知ってるくせに 名前を付けられないために なんでもやってみる 名前を付けられないた

          名前を付けられないために

          素直にしとこ

          もう普通にしとこ 空気とか読まんとこ 人の顔色見んとこ 人の機嫌取らんとこ 話すことないんやったら喋らんとこ 聞きたくない話は聞かんとこ 見たくないもんは見んとこ 居たくないとこにいつまでも居んとこ 気が進まない誘いは丁寧に断っとこ そもそも誘われんようにしとこ 話かけられたら愛想よくしとこ 分からないことは知ったかぶりせんとこ 自分を必要以上に大きく見せんとこ あんま大きい声出さんとこ やたら大きい声の人には近づかんとこ しんどかったらすぐ休むようにしとこ 心は自分にしか守

          まいっか

          まいっか しかたない しょうがない まいったね ほんとうに ハハっとひと笑い あれだけつらくて くるしかったことが いまはそうでもない ぜんぶがそうとはいわないよ でも あきらめることで 良くなることもあるんだね

          存在に無理のない場所

          抜け殻が彷徨ってる 落ち着く所 落ち着くところを探してる 存在に無理のない場所 心 こころ ココロ 頭のこと 脳という臓器 抜け殻が彷徨ってる 落ち着く所 落ち着くトコロを探してる 存在に無理のない場所 体 からだ カラダ 頭以外 脳を除く臓器 抜け落ちたのは心? 抜け落ちたのは体? それともどちらとも? どちらもただの臓器 存在に無理のない場所を探してる

          存在に無理のない場所

          HIGH

          地べたを這いずる時間が長すぎて 膝くらいの高さでも高く感じる 高みへ 遥か高みへ 望んでもあまりに遠い 底から見上げる自分が消えない どれだけ高く舞い上がっても 高みへ 遥か高みへ? 望んでもいない本音は 見上げる眼も 見下ろす眼も 空っぽの水晶 空虚の坩堝

          不在と消失

          最近、自分が若い頃から好きだったミュージシャンがどんどんこの世からいなくなってしまってとても悲しい。 特にロックミュージシャンは短命な方が多い気がして余計に辛い。 彼らが残した音源を聴いていると、もうこの人はこの世界にいないんだと寂しくなるのと同時に、自分にとってのヒーローでありスーパーマンだと思っていた人でもいつまでもこの世にいないんだと気付かされてなんとも言えない気分になる。 今月、元ゆらゆら帝国のメンバーで解散後は灰野敬ニさんのバンド「不失者」などに参加していたベー

          腐った果実

          全部腐って落ちる 世界は何をしてる? みんな腐って落ちる 世界は何をしてる? 熟れすぎたんだ世界は 甘美な時期はとうに過ぎた 後は地面に叩きつけられて 種をばら撒くだけだ 成熟という名の腐敗 技術的革新は人間の本性を白日の下に晒し 集合知は共同体幻想を盤石なものにする 借り物の知識が見識を曇らせ 唯一無二のはずの体験は 名も知らぬ誰かに語り尽くされ 厚顔無恥な他者によって消費される 完全に個は否定され 粗悪な模造品が量産される 本物はいなくなり 本物はいらなくなる

          憂いは層になって

          憂いは層になって 葬列は重なって どこまでも続く 終わりのない淘汰の先に 何かあると思えばあるのかも 何もないと思えばないのかも 残るに値しない者が消えるのか 消えるに値しない者が残るのか 適者生存 ここが残るに値しない場所なら 消える者の方が正しいのかもしれない とはいえ ここがどこだってかまわないし ずっと檻の中なのは変わらない 私は檻 檻は私 私が檻なら 囚われてるのは誰?

          クレナズム

          何かの間違い 人の流れに逆行して 帰り支度? 行くんだよ 今から 光はいらない とっとと夜になれ 忙しない夕暮れの街 1日の始まりと終わり 何かの手違い 人の姿も逆光にて 視線恐怖? いいんだよ 今さら 光はいらない いいかげん夜になって

          未来は点

          未来は点 点在している 望む 望まない 関係なく まばらに 点と点が 結ばれて 初めて 現実になる 賢者の予想も 愚者の妄想も 同じひとつの点 渇望していても 畏怖していても 同じひとつの点 点は点を待っている 線で結ばれることを 待ち侘びている いつか顕現することを 夢見て

          それでいい

          私は何者にもなれない でもそれでいい 私は何処にも行けない でもそれでいい 私には何もない でもそれでいい 私にできることはない でもそれでいい そのおかげで 私には敵と呼ぶべき存在がいない だからそれでいい