
「問題の原因を特定できない…」そんな時に試してみてほしい【フィッシュボーンダイアグラム】
1. 問題があるはずなのに、何が原因か分からない…そんな経験ありませんか?
日々の仕事や生活の中で、「なんとなくうまくいっていない」と感じることはよくあります。
仕事の進捗が思うように進まない
人間関係に違和感を覚える
物事が期待通りに進まない理由が分からない
こうした問題に直面すると、経験則や直感で対策を打とうとしがちです。
直感での対策は悪いわけではありませんが、根本的な原因が見えないまま進めると、同じ問題が再発する可能性があります。
では、「何が問題なのか分からない」時には、どうすればよいのでしょうか?

2. 解決策:「問題の構造」を整理する(フィッシュボーンダイアグラムの活用)
まず必要なのは、「問題の全体像」を把握することです。場当たり的な対策ではなく、根本的な課題を見極めるために、問題の要因を可視化する手法として フィッシュボーンダイアグラム(特性要因図) が役立ちます。
フィッシュボーンダイアグラムとは?問題解決に使えるツール
魚の骨のような形状をしていることからこの名前がついており、
問題の要因をカテゴリ別に整理
それぞれの要因を掘り下げ、因果関係を明確にする
ことで、根本的な原因の特定を助けます。
この手法は、課題解決だけでなく リスク管理 にも有効です。例えば、将来的に発生しうる問題を予測し、未然に対策を打つことが可能になります。
また、問題の可視化を行うことで、
自分自身の状況を整理できる
チーム内で共通認識を持ちやすくなる
説得材料として活用できる
といったメリットもあります。
フィッシュボーンダイアグラムの作り方(簡易イメージ)
解決したい問題(特性)を決める
→ 例:「納期遅延が頻発している」主な要因カテゴリーを設定する(4M/5Mを活用)
Man(人):担当者のスキル不足、配置ミスなど
Machine(設備・ツール):使用機器のトラブル、ITシステムの問題など
Method(方法):業務プロセスの非効率、手順の不明確さなど
Material(材料):資材の品質問題、供給遅れなど
具体的な要因を挙げる
→ 各カテゴリーごとに考えられる要因を細かく分析真因を特定する
→ 「なぜ?」を繰り返し、本当の原因を掘り下げる対策を立案し、実行する
まとまった内容は↓の本がおすすめ
3. フィッシュボーンダイアグラムの実例:コンサルの現場での活用事例
ケース①:プロジェクトの遅れの原因を分析
ある案件で、納期が大幅に遅延していました。当初は「メンバーのスキル不足」が原因と考えられていましたが、 フィッシュボーンダイアグラムを用いて分析した結果、
仕様変更が頻発している
要件定義が曖昧で、後工程に影響を与えている
ことが明らかになりました。この分析をもとに「要件確定のプロセスを強化」することで、以降のプロジェクト遅延を防ぐことができました。
ケース②:開発プロジェクトで不具合が多発
開発中のシステムで、不具合の発生率が高く、リリーススケジュールにも影響が出ていました。最初は「テストが不十分」だと考えられていましたが、フィッシュボーンダイアグラムを作成すると、
仕様が曖昧なまま実装が進んでいる
レビューのプロセスが不足している
といった構造的な課題が見えてきました。この結果、テスト強化だけでなく、「仕様確定プロセスの見直し」と「レビュー体制の整備」に取り組み、品質を向上させることができました。
↓参考にさせていただきました。
4. フィッシュボーンダイアグラムを効果的に使うコツ
フィッシュボーンダイアグラムを作成する際に、以下のポイントを押さえるとより効果的です。
✅ 表面的な原因ではなく、「なぜ?」を繰り返して掘り下げる
✅ チームで議論し、様々な視点を取り入れる
✅ 洗い出した要因のうち、影響の大きいものを特定し、優先順位をつける ✅ 分析結果をドキュメント化し、後から振り返りやすくする

5. フィッシュボーンダイアグラムを使うべき場面と適さない場面
適している場面
原因が複雑に絡み合っており、整理が必要なとき
問題の全体像が見えておらず、漠然とした違和感があるとき
プロセスの問題を分析し、継続的な改善を目指すとき
適していない場面
明らかに単一の原因が分かっている場合(例:単純なヒューマンエラー)
すでに具体的な解決策がある場合(例:チェックリスト導入で対応可能)

6. まとめ:フィッシュボーンダイアグラムで問題解決の第一歩を踏み出そう!
「何が問題か分からない」状態では、適切な解決策を打つことができません。まずはフィッシュボーンダイアグラムを活用し、問題の構造を整理しましょう。
場当たり的な対策ではなく、根本的な課題を見極める
問題が見えない時こそ、「可視化」することが重要
フィッシュボーンダイアグラムは、そのための強力なツールの一つ
プロジェクトが迷走しそうになった時だけでなく、日常の問題整理や組織課題の解決にも役立ちます。一度立ち止まり、フィッシュボーンダイアグラムを使ってみてはいかがでしょうか。