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ネタ作りと具現化に分解してみる

以前の投稿にて、頼まれた撮影の良し悪しについて「モノの良さ」と「撮影の良さ」に分解する発想で書いた。これに近い話は他にも挙げられるなと思った。

当初のM-1グランプリで10年縛りがあった理由の1つ(他の理由のが大きい)にも、「ネタの面白さ」と「しゃべりの技術」を要素分解する話題があった。

10年を超えたベテランになるとネタを作り込まなくても、しゃべりの技術だけで勝負できてしまうので、条件が揃わないという話だった。

あらゆる創作活動に対して似たような構造があるように思えた。

  • 写真の「被写体の良さ」と「撮影技術」

  • 漫才の「ネタの面白さ」と「しゃべりの技術」

  • 文章の「ネタの面白さ」と「文章表現力」

  • 音楽の「曲のテーマ」「作曲技術」「演奏技術」…どこで切る?


「ネタ作り」と「具現化」のどちらで勝負するか

「ネタ作り」と「具現化」の両方があって制作物ができるので、一概にどちらの方が大事とは言えない。ただ傾向として、職業のタイプとは対応しそう。

  • クリエイター(フォトグラファーや作家)は「ネタ作り」が重要

  • 生業としての制作者(カメラマンやライター)は「具現化」が重要

「○○でメシを食う」が成り立つには、お金を払う発注者の存在が欠かせない。売り込みたい「ネタ」を持っている発注者が、自分では具現化できなかったり、忙しくて時間が割けなかったりする時に、プロ制作者に依頼する。

文章であれば読みにくさがなく、ちゃんと書けていること。写真であればブレやピンボケなどがなく、ちゃんと撮れていること。求められたQCDの条件を満たしながら、再現性もって具現化すること求められる。

これに対して、クリエイターが表現したいものは自分の中から湧いてくる。きちんと「具現化」できているのは当たり前で、創作物のユニークさに寄与するのは「ネタ作り」に思える。

あくまで傾向の話で、例外を探せば「自由に書いてくれ」と作家性を求められるクライアントワークもあるだろうし、アーティスト×企業コラボ案件もある。


noteのクリエイターも立派なクリエイター!?

noteに投稿すると「クリエイター」と呼ばれる(表示される)ことが、こっぱずかしいような、大袈裟なような気はしていた。

でも、誰に頼まれたでもないのに、自分の中から湧いて出たネタを文章にしている意味では、やっぱりクリエイターと言える気がしてきた。


ネタの糧となるのは何か?

「具現化」については、知識やスキル習得によって再現よくできるところはある。一方の「ネタ作り」については、降りてこない時は本当に降りてこない、生みの苦しみがある。

現時点で23日連続でnote投稿しているけれど、投稿をサボっていた去年のネタを切り崩して書いているからできている。

ASKAさんがMCの中で「歌詞を書くのは大変」という話をされていた。気持ちが動いた映画のように、摂取した創作物を咀嚼して曲を作っている例が紹介された。


人・本・旅は創作ネタにも通じそう

教養は「人・本・旅」からと言われるけれど、創作ネタについても「人・本・旅」が言えそうに思った。例えばnoteでよくあるテーマも当てはまる。

  • 人:身近な人の面白エピソード。動いた人との関わりで気持ちが動いたこと。憧れの人と会った話。

  • 本:創作物を鑑賞して咀嚼して創作したもの。鑑賞を通して芽生えた考え。学んだことのまとめ。

  • 旅:行ってみた、食べてきたレポート。捉え方で見慣れた景色が変わるとか。自分の内面への旅、内省もあるのか?

ネタが尽きたら尽きたで、仕入れよろしく「人・本・旅」に立ち戻って、食傷気味になったら消化して創作に戻ってもよいかもしれない。創作ってのはうんこみたいなものだ。


新しさとパターンの両立

そもそも連続投稿が良いことなのかもよく分からないけれど、もし、それを目指すならばという話をする。

創作するからには、少なからず「新しい」ことに意義があると考えている。他の人との差異もあれば、過去の作品との差異による新しさもある。新しさは花だと世阿弥も書いてた。

一方で、何かしらのパターンを作って安定生産することも必要となる。作り手にとって創作の負担を軽減できるし、視聴者にとってもバラツキなく安心して観られる利点がある。

例を挙げると、水戸黄門で紋所を出す流れ。AC/DCの変わらない音楽性。トーナメントやりがち少年漫画など。実は世阿弥さんが書く能も、共通のパターンを歴史上のアレコレに当てはめることで、次々に新作が作れる話があった。

私のnoteには、テーマの統一感が無い。それは、いろいろやる人生の方が楽しいからという背景がある。だけど、知らない人からしたら関心ないテーマが続くことにはなるだろう。

もし、本気で売れっ子目指してnoteをやるならば、何かしらの軸を通して人を惹き付けるパターンをつくる努力をすべきなんだろうなぁと考えている。今のところそんなモチベーションは無い。

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odapeth
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